廃車扱いのクルマでも下取りは可能？処分方法の違いから古いクルマを賢く売却する方法を徹底解説！

クルマを乗り換える際、「廃車寸前のクルマでも下取りしてもらえるのだろうか」と不安を抱える方も多いと思います。低年式・高走行距離や故障したクルマでも、ディーラーで廃車にすることは可能です。

しかし中古車として転売が難しいクルマの場合、ディーラーの下取りでは値段が付かないと思ったほうが良いでしょう。お金を受け取ることができないだけでなく、処分に必要なレッカー・解体・手続き代行の費用を請求されてしまうケースも少なくありません。

ディーラーでの下取りは、手続きが楽・新車への乗換えがスムーズというメリットがありますが、費用をできるだけかけたくないのであれば他の方法を選択することがオススメです。

本記事では廃車寸前のクルマの下取りが可能かどうかをはじめ、大きく分けて「下取り」「買取」「廃車」の3つがあるクルマの処分方法の違い、費用を抑える方法など、廃車寸前のクルマを賢く処分するための方法をご紹介します。手元にできるだけお金を残すためにも、ぜひ参考にしてください。

田丸ゆりな

昔からクルマが好きでガソリンスタンドにて整備や洗車のお手伝いをした後、Jeepディーラーにて営業を担当。クルマの販売から下取り・整備や車両メンテナンスの経験あり。クルマ業界を離れた現在は、初心者からマニアまで、様々な人が自分に合ったカーライフを楽しめるようライターとしてクルマに関する情報を発信中。

ディーラーで廃車は可能！ただし費用がかかるケースも

新車を購入する場合、ディーラーでこれまで乗っていたクルマを廃車にすることが可能です。ディーラーでクルマを処分すれば、手続きが1店舗で完結するため、スムーズに手続きが完了します。

しかしディーラーに廃車寸前のクルマを処分してもらう場合には、値段が付かないケースがほとんどです。0円査定されたクルマは、廃車費用を請求されてしまうことも。

またディーラーでのクルマの処分は「新車購入」が条件です。処分をしたいクルマを購入したお店や、車検・メンテナンスで付き合いがあるディーラーであれば、廃車だけでも対応してくれることもありますが、廃車のみを行う場合はディーラー側に利益が発生しないため、廃車費用はユーザーが負担することとなります。

下取りは手続きが楽・乗換えがスムーズというメリットがありますが、処分するクルマに値段が付かない、廃車費用がかかると言われた際には、別の方法を選択することをオススメします。

下取り・買取・廃車の違いとメリット・デメリット

クルマを処分する方法は、大きく分けて「下取り」「買取」「廃車」の3種類があります。ここからは、それぞれの特徴とメリット・デメリットをご紹介。ご自身に合った処分方法を選ぶ参考にしてください。

新車購入が条件の「下取り」

下取りは、ディーラーで新車を購入してくれるお客様に対するサービスの一環です。下取りで得たお金は、新車の購入代金に充てられます。

下取りのメリット

下取りは、新しいクルマを購入する店舗でクルマの売却も行うため、手間が少ないことが特徴です。具体的な下取りのメリットとしては次が挙げられます。

• 手続きが楽
• 新車への乗り換えがスムーズ
• 下取りを条件に価格交渉が可能

手続きが楽

クルマの購入・売却には、印鑑証明などの書類を用意する必要があります。購入と売却を別店舗で契約した場合には、契約や書類提出でそれぞれの店舗を訪れる必要がありますが、下取りは購入と売却を同一店舗で行うため、複数店舗を回る必要がありません。

新車への乗り換えがスムーズ

ディーラー以外でクルマを処分する場合、新車が納車されるまでの期間クルマを使うことができなかったり、代車を用意する必要があります。ディーラーで下取りをすれば、新車の納車と同時にこれまで乗っていたクルマの引き渡しが可能で、スムーズに新しいクルマへ乗り換えることができます。

新車の納車前に下取り車の引き渡しを求められることもありますが、そのような場合には、代車を用意してくれるディーラーが多いので、クルマがなくて不便を感じることもありません。

下取りを条件に価格交渉が可能

ディーラーではお客様の購買意欲を高めるために、下取りを条件に新車値引きを適用させたり、下取り査定額を上乗せしてくれることがあります。交渉次第では、新車の購入金額と下取り額のトータルが、買取を依頼するよりお得になるケースも。下取りを入れることを武器に値引き交渉に挑戦してみてください。

下取りのデメリット

手間が少ないことがメリットの下取りですが、価格面ではデメリットも。下取りのデメリットとしては次が挙げられます。

• 買取と比べて下取り価格が安い傾向がある
• 売却したお金を新車購入以外に使えない
• 廃車寸前のクルマの処分に費用がかかることも

買取と比べて下取り価格が安い傾向がある

ディーラーで下取りをしたクルマは、中古車売買を行う業者が参加する「業者間オークション」へ出品されることがほとんどです。様々な転売ルートを持つ買取店とは異なり、ディーラーでは転売先を選ぶことができないため、買取よりも査定額が安い傾向にあります。

またディーラーの目的は新車の販売です。下取りはあくまでも新車を購入するお客様へのサービスという位置付けとなりますので、赤字が出る可能性があるような無理な査定は行わず、利益に余裕をもった価格を提示します。

クルマを売却したお金は新車購入に充てられる

下取りは新車購入が条件となり、クルマを売却したお金は新車の購入代金に充てられます。そのため下取りで得たお金を自由に使うことができません。

中古車として転売できないクルマの処分に費用がかかることも

ディーラーでは下取りをしたクルマを中古車として転売します。そのため中古車としての価値がないような廃車寸前のクルマの場合、利益が見込めないため処分費用を請求される可能性があります。新車を購入する場合には、廃車費用をサービスしてくれることもありますが、下取りの値段は付かないと考えたほうが良いでしょう。

中古車として転売する目的の「買取」

中古車販売業者などが、中古車として転売する目的でクルマを買い取るのが「買取」です。下取りとは異なり、新車の購入や乗り換えの必要はありません。クルマの性能が向上し、中古車の需要が高まる現在、大手中古車販売店から個人まで様々な買取業者が登場しています。

買取のメリット

買取の大きなメリットは高額査定が狙える点です。買取のメリットとしては次が挙げられます。

• 転売ルートを豊富に確保しているため高額査定が出やすい
• 複数業者で比較が可能

転売ルートを豊富に確保しているため高額査定が出やすい

「下取りのデメリット」の項目で、ディーラーで下取りをしたクルマは、業者間で行われるオークションへ出品されることがほとんどであることをご紹介しましたが、中古車買取業者では、オークション出品以外に、中間マージンがかからない「自社販売」や、国内で人気がないクルマの「海外転売」など様々な転売ルートを確保しています。

複数の転売ルートから、より高く売れる転売先を選択することが可能なため、買取は下取りよりも高額査定が出やすいです。

複数業者で比較が可能

ディーラーでの下取りは、クルマを購入する店舗でこれまで乗っていたクルマを売却する必要がありますが、買取の場合には複数業者に査定依頼をすることで価格の比較をすることが可能です。

買取業者によって高く買取ができる車種やメーカーは様々ですので、相見積を取ることで、より高く買い取ってくれる業者を見つけることができます。

買取のデメリット

価格面ではメリットの大きい買取ですが、下取りと比べると手間がかかるというデメリットもあります。具体的な下取りのデメリットとしては次が挙げられます。

• 代車の用意が必要となるケースがある
• 査定やクルマの引渡しで手間がかかる
• 廃車扱いのクルマの買取に弱い

代車の用意が必要となるケースがある

中古車の市場相場は日々変動しています。中古車買取店では査定した時点で出せるギリギリの金額を提示してくれますので、ユーザーの希望時期までクルマの引き渡しを待ってくれないケースが多いです。

すぐに新しいクルマが納車されたり、クルマがない期間があっても問題がない方であれば、先にクルマを引き渡しても良いですが、クルマの使用が欠かせない場合、納車までの期間は自分で代車を用意する必要があります。

査定やクルマの引き渡しで手間がかかる

下取りの場合には同一店舗でクルマの購入と売却を行うため、書類提出は一箇所で済み、引き渡しも納車のタイミングで行うことが可能です。しかし中古車買取店でクルマを売却する場合には、契約・書類提出・クルマの引き渡しで各店舗を訪れる必要があります。

廃車扱いのクルマの買取に弱い

中古車買取店では、買い取ったクルマを中古車として転売することで利益を出します。そのため、極端に古い・壊れているようなクルマは利益が見込めないため買取ができないケースが多いです。廃車扱いのクルマは、下取りと同様に処分費用を請求されることもあります。

公道を走れなくなる手続きをする「廃車」

廃車と聞くと、クルマを解体して走れなくすることをイメージする方が多いですが、廃車とは、運輸支局にて「抹消登録」の手続きを行うことを指します。

抹消登録には、クルマの使用を一時的に中断する「一時抹消登録」と、クルマの解体後に運輸支局のデータを抹消する「永久抹消登録」があり、クルマを完全に処分する場合には、後者の手続きを行う必要があります。

手続き費用を抑えるために自分で廃車を行う方もいらっしゃいますが、永久抹消登録にはレッカーやスクラップが必要で、2万円～6万円程度がかかることも。かえって費用が高額になるケースが多いです。

そのため廃車にするのであれば、廃車寸前のクルマの買取に特化した廃車買取業者に処分を依頼することをオススメします。ここからは廃車買取のメリット・デメリットをご紹介します。

廃車買取のメリット

廃車は下取りでも買取でも値段が付かなかった場合に選択して欲しい方法です。廃車買取のメリットとしては次が挙げられます。

• 廃車扱いのクルマでも値段が付くことがある
• 手続き費用がかからない業者が多い

廃車扱いのクルマでも値段が付くことがある

廃車買取業者では、クルマを解体した後、利用可能なパーツや素材を転売することで利益を生み出します。そのため、中古車として転売することを目的とした下取りや買取で0円査定されたクルマでも、値段を付けて買い取ってもらえることがあります。

手続き費用がかからない業者が多い

廃車買取を行う業者の多くは、廃車費用無料でクルマを引き取っています。ディーラーや買取店に出せば廃車費用として数万円を請求されるようなクルマも、お金をかけず処分することが可能です。

廃車買取のデメリット

廃車寸前のクルマでも無料で処分することができる廃車買取ですが、デメリットも。廃車買取のデメリットとしては次が挙げられます。

• 価値のあるクルマは安く買い叩かれてしまうこともある
• 業者によっては還付金を受け取れないことがある

価値のあるクルマは安く買い叩かれてしまうこともある

廃車買取業者は、中古車として転売できないようなクルマの買取に特化しており、転売先も廃車扱いのクルマに強いルートを用意しています。そのため、まだ価値があるクルマの場合には、相場より安い値段が提示されることも。

走行が可能なクルマであれば、廃車買取に処分を依頼する前に中古車買取業者をあたってみることをオススメします。

業者によっては還付金を受け取れないことも

クルマを廃車にすると、先払いしている自動車税や重量税の還付を受けることができます。基本的にはクルマの持ち主に還付されるべきお金ですが、業者によっては「査定金額に還付金相当額が含まれている」などの理由でユーザーが受け取れないことも。

損をしないためには、還付金をユーザーに支払うことを明記していたり、契約前に還付金の取り扱いについて、しっかりと説明をしてくれる業者を選ぶことが大切です。

当サイトでは還付金についてご紹介しています。廃車時の還付金について詳しく知りたい方は、こちらも参考にしてください。

クルマを売却・廃車すると還付金が戻るって本当？税金の還付金や任意保険の取り扱いについて

廃車しかないと諦める前にチェック！クルマの状況に合わせた賢い売却方法

「年式が古いし走行距離も多いから買取はできないだろう」と、初めから廃車しかないと諦めてしまう人も多いですが、エンジン等の主要部品の故障がなく走行が可能なクルマであれば買取ができる可能性もあります。できるだけ手元にお金を残すためには、複数の売却方法を試してみることが有効です。

ここからはクルマの状況に合わせた賢い売却方法をご紹介。一番お得な処分方法を見つける参考にしてください。

まだ走行が可能なクルマならディーラーと買取業者で相見積を取ろう

主要部品の故障がなく、通常走行が可能なクルマであれば、古くても買取が可能な場合もあります。まずはディーラーでの下取りと中古車買取業者に査定を依頼してみてください。

ディーラーの下取り価格+新車値引きなどのサービスと、中古車買取店での査定額を比較して、お得なほうでクルマを売却しましょう。

廃車買取よりも高額査定が出る可能性が高い

ディーラーや中古車買取店で値段が付くようなクルマの場合は、廃車買取よりも下取りや買取のほうが高額査定が付く可能性が高いです。

また中古車買取業者は、会社によって高く買取ができるメーカーや車種が異なります。クルマを高く売りたいのであれば、3社程度の業者に相見積を取ることをオススメします。

高額査定を狙うならカーセンサー一括査定がオススメ！

高額査定が狙える買取ですが、いくつもの中古車買取店へ足を運ぶことは非常に手間がかかります。そのため相見積を取る際には一括査定サイトを利用することがオススメです。

カーセンサー一括査定サイトなら、所定のフォーマットに一度情報を入力するだけで、まとめて複数の業者に査定依頼をすることが可能。中古車販売店を回らなくても相見積を取ることができます。

多くの登録業者から高額査定ができる業者が見つかる

中古車買取店は、転売ルートや買取方針によって買い取りに強い車種が異なります。そのため比較対象が多ければ多いほど、高く買取ができる業者が見つかる可能性が高いです。

カーセンサー一括査定では、1,000件を超える業者が買取業者として登録。この加盟数は他の一括査定サイトと比較しても多く、様々な業者のなかから、高額査定が可能な業者を見つけることができます。

出張査定で自宅にいながら査定が完了

カーセンサー一括査定に登録している業者の多くは、自宅まで査定に来てくれる出張査定サービスに対応しています。中古車買取店でクルマを売却する場合には、査定の際に店舗までクルマを持ち込むことが一般的ですが、出張査定なら自宅にいながら査定が完了。

店舗まで移動する時間がかかりませんので、「忙しくて査定に行けない」という方にも、ぜひ利用していただきたいサービスです。

査定額を比較することができる

カーセンサー一括査定で査定を依頼すれば、複数の業者から提示された査定額を比較することができます。

中古車買取店の中には、できるだけ安く中古車を仕入れることで利益を上げようと、相場より低い査定額を提示するケースも。複数社の価格を比較することで適正価格がわかり、買い叩きを防ぐことにもつながります。

また、業者同士で査定額を競わせることも可能です。中古車買取店は査定額を上げることで、なんとか自社でクルマを売却してもらおうとします。交渉次第では、最初に提示された金額より高い値段で売却ができるかもしれません。

大手買取業者も多数加盟

カーセンサー一括査定では、大手の中古車買取店も多数加盟しています。ネクステージやビッグモーター、アップルなど全国に販売店舗を展開する買取店は自社転売に強く、中間マージンがかかる中小の買取店よりも高く買取ができる傾向があります。

→カーセンサーの一括査定はこちら

故障車・不動車は廃車買取業者に査定を依頼しよう！

主要部品が故障している・動かないクルマは下取りや買取ができない可能性が高いです。そのようなクルマの処分は廃車買取業者に依頼しましょう。

下取り・買取で値段が付かなかったクルマも買い取ってもらえる可能性がある

廃車買取業者は、中古車として転売することを目的としたディーラーや中古車買取店と転売ルートが異なります。そのため他で0円査定をされたクルマに値段を付けられることも。

明らかに廃車扱いのクルマや、買取ができなかったクルマは、最後に廃車買取業者の査定を試してみてください。

値段が付かなかったとしても廃車費用がかからない

廃車買取業者でもクルマに値段を付けられないことがありますが、もし0円査定だったとしても、処分費用はかかりません。

ディーラーなどで廃車を依頼した場合には数万円が請求されることもありますので、ユーザーにとってメリットが大きい処分方法と言えるでしょう。

廃車買取ならカーネクストがオススメ

廃車買取なら業界大手のカーネクストがオススメです。廃車買取実績が豊富なカーネクストなら、安心してクルマの処分を依頼することができます。

廃車の知識が豊富

カーネクストは廃車寸前のクルマの買取を専門としており、廃車に関する知識が豊富です。初めての廃車は、わからないことも多くて不安を感じる方が多いと思いますが、カーネクストなら豊富な知識を持つスタッフが丁寧に対応してくれます。

豊富な転売ルートで高額査定が可能

カーネクストでは、国内で転売が難しいクルマを、日本車の需要が高い東南アジアに輸出したり、解体後にパーツや素材を転売するなど、廃車を高く売るための販売ルートを多数確保しています。

そのため、ボロボロであったり動かないようなクルマでも値段を付けることが可能です。

電話一本で査定から契約までが完了

中古車買取や下取りでは、クルマを実際に確認する査定が必要ですが、カーネクストでは、電話でクルマの状況を伝えるだけで査定が完了します。提示された価格で納得ができれば、そのまま本契約も可能です。

最短でその日のうちに契約までが完了しますので、忙しくてなかなか廃車が進まないという方にもぴったりのサービスです。

まとめ

廃車寸前のクルマでもディーラーで引き取ることが可能です。しかし、中古車として転売が難しいクルマの場合、値段が付かないことがほとんどです。お金を受け取ることができないどころか、クルマの処分費用として数万円を請求されてしまうことも。

費用をできるだけ抑えて古いクルマを処分するには、廃車買取業者へ依頼することがオススメです。廃車買取業者は廃車扱いのクルマの買取に特化しています。処分にお金がかかると言われたようなクルマでも、値段を付けて買い取ってもらえるかもしれません。

廃車買取業者でも値段が付かないケースもありますが、動かない・壊れているといったクルマでも処分にお金がかかりません。費用を抑えることができますので、廃車寸前のクルマの処分には廃車買取がお得です。

ただし、まだクルマとしての価値が残っている車両の場合は、中古車買取に出したほうが高く買取をしてもらえるケースがあります。少しでも手元にお金を残したいのであれば、廃車しかないと諦める前に、買取や下取りも試してみると良いでしょう。