プリウスを長く乗ると、バッテリーの寿命が心配になります。プリウスには2種類のバッテリーが搭載されますが、多くの方が気になるのが走行用モーターに使用されるバッテリーの交換費用でしょう。
走行用バッテリーは駆動用バッテリーと呼ばれ、3代目まではニッケル水素バッテリー、そして現行の4代目ではリチウムイオンバッテリーが使用されています。
この2つは性能が違いますが、どちらも200V以上の電圧を発生させるので、個人での交換は危険が伴うでしょう。
また、もう一つ補機用バッテリーが搭載され、こちらは一般の12V鉛バッテリーで一般バッテリーより高めですが長持ちするという利点もあります。
そこで、これら2種類のバッテリーの交換費用と、その対策について詳しくお伝えします。
自動車鈑金工場で高卒から10年ほど修行し、その後独立して自分の自動車鈑金工場を設立。中古車の粗悪さが許せず、中古車買取と鈑金修理を一つにしようとオークションに出入り。普通のクルマだけでなく修復歴車を落札して修理し直して販売や事故車を修復する仕事を20年程度行う。現在は財経新聞などにも記事提供を行うクルマ専門ライターとして活動中。
2種類あるプリウスのバッテリー交換時期
プリウスにバッテリーが2種類あると話すと、驚く方がいます。何も知らなければ走行用バッテリーが、クルマの電気で動くパーツにも電力を供給していると思っても不思議ではありません。
しかし、プリウスのようなハイブリッド車には、走行用に使用される駆動用バッテリーと、昔からクルマに搭載されてきたバッテリーと同じ、補機用と呼ばれる12Vバッテリーの2種類が搭載されています。そして、これらのバッテリーは必ず劣化するので、いずれ交換時期が来ます。
一般車にも搭載される補機用バッテリーの交換時期
補機用バッテリーは鉛バッテリーなので、一般のバッテリーと大差ない性能です。そして、プリウスなどのハイブリッド車に使われる補機用バッテリーは、ハイブリッドシステムの制御、エアコン、カーナビ、灯火類など、一般と同じ使われ方をします。
一般のバッテリーは通常2年から3年で交換時期を迎えますが、プリウスに使われる補機用バッテリーは4年程度使用できます。
このほか一般車に使われるバッテリーとの違いは、一般のクルマのバッテリーがエンジンルームに設置されるのに対し、プリウスは3代目までラゲッジルームに設置されています。
鉛バッテリーは、充電過程で水素ガスを発生します。そのため、プリウスのラゲッジルームに設置するタイプのバッテリーは、水素ガスを排出する特別な構造です。よって、プリウスのラゲッジルームに設置するバッテリーは一般のバッテリーを使用できません。
プリウス用の補機用バッテリーは一般車より長持ち
プリウスに使用される補機用バッテリーは一般車のバッテリーより長持ちですが、その理由は始動時にセルモーターを作動させないため、結果バッテリーに負荷がかからないからです。
一般のガソリン車やディーゼル車には、セルモーター(エンジンを始動させるモーター)を使用し、バッテリーの力でエンジンを始動します。しかし、プリウスはエンジン始動方法が異なります。プリウスにはセルモーターが無く、発電機によりエンジン始動します。
この発電機を作動させるのは、駆動用バッテリー(走行用モーターのバッテリー)であり、エンジン始動時に補機用バッテリーがハイブリッドシステムをONにすることで、駆動用バッテリーから電力が発電機に回り、エンジンがスタートします。
このように、プリウスの補機用バッテリーは、ほとんど負荷がかからないことから一般バッテリーより長く持ちます。
プリウスのようなハイブリッド車特有の駆動用バッテリーの交換時期
プリウスのようなハイブリッド車に搭載されているもう一つのバッテリーが、走行用モーターを駆動する駆動用バッテリーです。この駆動用バッテリーの寿命は意外に長く、トヨタが用意しているメーカー保証の5年もしくは10万km程度の期間では、交換時期は訪れません。
3代目以降のプリウスは駆動用バッテリーの寿命が延びており、10年以上の使用でも問題ない個体も多く見られます。
駆動用バッテリーは15万kmから20万kmが交換目安
トヨタでは、5年もしくは10万kmの保証を駆動用バッテリーに付けているので、この期間内で劣化が起きることは考えにくいと言えます。また、このような保証期間を設定しているということは、駆動用バッテリーの寿命はかなり余裕があると言えます。
プリウスの駆動用バッテリーの品質は良くなっているので、15万kmから20万km程度走行できると言われています。
そのため、プリウスを新車で購入し、廃車になるまで駆動用バッテリーに不具合が出ないことも多く見られますが、これは乗り方によるとも言えます。
プリウスの駆動用バッテリーは、使用頻度が多くなり走行距離が長くなれば寿命は縮まってきます。そこで、普段から長距離ドライブする方や毎日の通勤距離が長ければ走行距離は多くなるので、あまり走行しないクルマより早く交換時期がやってきます。
このように、駆動用バッテリーは年数より走行距離が交換目安になります。
バッテリー寿命の前兆と対策
プリウスに長年乗り続けていれば、バッテリーの寿命が気になってくるでしょう。しかし、バッテリーが突然ダメになることはごく稀で、必ず何らかの寿命のサインが見られます。
そこで、寿命のサインがわかればバッテリーを事前に交換できるので、突然のバッテリートラブルを回避できます。
最近燃費が悪いと感じた時
プリウスに乗っていて以前より燃費が悪化したと感じたら、モーターでの走行時間が短いことが考えられるので、駆動用バッテリーが劣化している可能性が高いでしょう。
駆動用バッテリーが劣化すると、電力がすぐになくなるのでモーターでの走行時間が短くなるため、ガソリンエンジンで走行する時間が長くなります。結果、ガソリン消費が増えて燃費が悪化します。
駆動用バッテリーの劣化は少しずつ進んでくるので、燃費悪化も急に悪くなることはほとんどありません。そのため、毎日使用していると燃費悪化の状態が見えにくいということも考えられます。
しかし新車から長く乗っていれば、新車のころと比べ燃費が悪化したことに気が付くはずです。その時が劣化が起きている状態なので、ハイブリッドシステムのチェックをすると良いでしょう。
燃費が悪い理由はハイブリッドシステムが作動していない
プリウスで燃費悪化を放置していると、最終的に走行できなくなる場合や、走行できてもガソリンエンジンのみの走行に変わるでしょう。
この状態は、すでにハイブリッドシステムが正常に作動していないので、インパネ内にもハイブリッドシステム異常警告灯が点灯しているはずです。
この異常を知らせる警告表示は、電気モーター、インバーターユニット(直流から交流に変換する装置)、駆動用バッテリー、ECUに異常があると表示されます。そして警告表示内には、トヨタ販売店に連絡するようメッセージが出ます。
このような状態になると、専用の診断機を使わなければ、どの部分が故障したのか判断できません。そこで、ディーラーや整備工場では専用の診断機を使用し、どこにエラーが出ているか確認します。
そして、このエラー表示が出た時に最も多いのがハイブリッドバッテリー系異常で、突き詰めると電池内部の異常が圧倒的に多くなります。つまり、駆動用バッテリーが劣化したということです。
「READY」の表示が出なくなった
プリウスのエンジンを始動する時にプッシュボタンを押します。この時に、エンジンが始動して走行可能状態になると「READY」の表示が出ます。しかし、エンジンスタート時にブレーキペダルを踏まずにエンジンスタートボタンを押しても「READY」表示が出ません。
この「READY」表示は、走行できる状態であることを示すサインなので、もし正式な手順を踏んでエンジンスタートしても表示が出なければ、プリウスを走らせることは不可能です。
一般的に、「READY」表示が出ないとハイブリッドシステムに異常をきたしており、そのほとんどは駆動用バッテリーの劣化が考えられます。
駆動用バッテリーが寿命を迎えている
ハイブリッドシステムに異常があると、「ハイブリッドシステムチェック」の表示が出ます。これは、駆動用バッテリーが基準値の電圧を下回っていることを示すサインであることが多いでしょう。
「READY」が表示されない場合、駆動用バッテリーに異常があるほか、インバーターユニットに異常が見られる場合もあるので、基本的にディーラーや整備工場などで点検しなければ、故障の場所を特定できません。
プリウスの駆動用バッテリーは、初代から3代目までニッケル水素バッテリーでしたが、4代目からはリチウムイオンバッテリーを使用しています。大きな違いは、ニッケル水素バッテリーは低価格ですが重量が重く、メモリー効果(継ぎ足し充電を繰り返すと性能が低下する)が見られます。そしてリチウムイオンでは、軽量でメモリー効果がないメリットがある代わりに高価です。
しかし、基本的にバッテリーは複数のセルを組み合わせたものです。このセルをわかりやすく説明すると、乾電池がセルそのものであり、駆動用バッテリーは複数の乾電池をつなげているのと同じ仕組みです。
そこで、その1つのセルの電圧が基準値を低下すると「READY」の表示が出ず、「ハイブリッドシステムチェック」ランプが点灯し、ドライバーにハイブリッドシステムに異常があることを知らせます。
駆動用バッテリーが寿命なら買い替えを視野に入れる
駆動用バッテリーが寿命になれば、バッテリー交換しなければ正常に走行できません。しかし、ディーラーなどで新品の駆動用バッテリーに交換すると17万円程度の交換費用がかかります。そして、インバーターユニットまで故障していれば、さらに修理費はかさみ60万円コースの修理費用になるでしょう。
駆動用バッテリーだけでも17万円の交換費用がかかるので、プリウスを新車から使用していたなら、買い替えを検討するのも一つの方法です。
プリウスの駆動用バッテリーは15万kmから20万kmは使用できるので、もし駆動用バッテリーが劣化していれば、プリウスのほかの部品もかなり劣化が進んでいるでしょう。そこで駆動用バッテリーに高額な費用をかけて、その後10年使用するのであれば交換しても良いでしょう。しかしクルマは多くの部品の集合体なので、バッテリー以外にも多くの部品が消耗し、修理しなければ長く乗り続けられません。
プリウスの状態をトータルで考えた時に、駆動用バッテリーの交換だけで済むことはほとんどないので、この先の修理費用の増大を考えても、買い替えのほうが得策の場合が多いと言えるでしょう。
プリウスの駆動用バッテリーが劣化して買い替えを考えているなら一括査定が便利です。プリウスのバッテリーは高価ですが、修理して中古車として流通させることが多いので中古車買取されます。買取査定は多くの買取店で査定すれば高額査定が引き出しやすいので、一括査定を今すぐチェックしましょう。
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電子キーのバッテリーを交換したのにドアロックの作動が悪い
最近プリウスの電子キーの作動が悪いと感じたら、電子キーのバッテリーを交換してみましょう。もしそれでも作動が悪い場合は、補機用バッテリーに寿命がきている可能性があります。
プリウスは、電子キーによりドアのロックとアンロックの作動をさせますが、その反応が悪い時には、電子キーから発する電波が弱まっているだけでなく、クルマ側のドアのロックとアンロックをさせる電気が弱まっている可能性があります。
プリウスの補機用バッテリーは、ハイブリッドシステムの起動のほか、プリウスに装備されている電気部品を作動させていますから、駆動用バッテリーが弱くなれば電波の受信がままならなくなり、ドアのロックとアンロックのモーターを作動できません。
補機用バッテリーを交換
プリウスに使用される補機用バッテリーは12Vの鉛バッテリーなので、一般のガソリン車などと同じバッテリーが使用されます。そこで、電子キーのバッテリーを交換してもドアのロックとアンロックの反応が悪いなら、補機用バッテリーを交換しましょう。
補機用バッテリーは、3代目までラゲッジルームにあるので、場所さえわかれば交換はDIYでも簡単にできるでしょう。しかし、プリウスに限らず最近のクルマでのバッテリー交換は注意が必要です。
それは、クルマには多くの常時電源が使用されています。例えば時計やラジオなどの周波数がバッテリーを外すと消えるのは昔からある例ですが、最近のクルマでいきなりバッテリーを外すとパワーウィンドウの初期化、エンジン初期化などが行われてしまうので、バッテリーを新品に交換するとパワーウィンドウのオート機能が使えなくなり、しかもエンジン不調に陥る可能性があります。
そこで、補機用バッテリーをDIYで交換するなら、メモリーバックアップ電源を確保して作業します。このメモリーバックアップ電源は数千円で販売されているので、バッテリーと同時購入すると良いでしょう。
また、バッテリー上がりの緊急時用にジャンプスターターを持っていれば、メモリーバックアップに使用できます。
ヘッドライトが暗く感じるようになった
プリウスの補機用バッテリーに劣化が見られると、一般のバッテリーと同じように停車中と走行中でヘッドライトの明るさに差が出ます。ただし、ヘッドライトがハロゲンバルブを使用している場合の話で、LEDヘッドライトは消費電力が少ないのでバッテリーが弱っても差が出ません。
ヘッドライトにハロゲンバルブを使用していると、信号待ちなどで停車したらライトの照明が暗くなる現象が起きます。これはバッテリーの蓄電能力が落ちていることが考えられるので、補機用バッテリーのチェックが必要です。
補機用バッテリーをチェックする
ヘッドライトなどの灯火の明るさにムラが出る場合は、補機用バッテリーの劣化の可能性が高いですが、その他にも発電装置に不具合がある可能性も考えられるので、バッテリーの劣化具合のチェックをしましょう。
補機用バッテリーのチェックは、道具さえあれば自分でもできますが、ない場合にはガソリンスタンドでバッテリーチェックを頼めば無料で行ってもらえます。
バッテリーチェックを行えば劣化具合がわかるので、ライトの明るさの変化がバッテリー劣化によるものなのか判別できます。
プリウスのバッテリーが寿命を迎えたら
プリウスに搭載の2種類のバッテリーのどちらか一方でも寿命を迎えたなら、交換しなければまともに走行させることは困難です。
そこで、バッテリーの寿命を迎えたと感じたら、ディーラーや整備工場に相談するのが良いでしょう。特に駆動用バッテリーの寿命は、個人での交換は危険を伴うので必ず専門の整備工場に整備依頼します。
ハイブリッドの整備ができる整備工場に相談
プリウスのバッテリーに何らかの異常が見られたら、ハイブリッド車の整備ができる整備工場に相談します。というのも、ハイブリッド車は今までのガソリン車と異なった制御をしているので、ハイブリッド車の整備経験がなければ正確な判断と修理が難しいからです。
また、プリウスに使用される駆動用バッテリーは、低圧電気取り扱い資格がないと危険を伴う整備なので、資格を有する整備工場に相談しましょう。
補機用バッテリーも一般バッテリーの2倍以上の価格
プリウスの補機用バッテリーは、一般の鉛バッテリーと同一構造で電圧は12Vですが、3代目まではトランク内に設置するので、充電中の水素ガスを排出する装備がされています。このように、普通のバッテリーと構造が違うため価格は2倍以上します。
プリウスの補機バッテリーは、ディーラーで交換依頼すると4万円前後かかることで知られる高額バッテリーです。自動車用品の量販店であるオートバックスなどでも交換可能ですが、やはりかなり高額になります。
その理由はバッテリー本体が通常のバッテリーより高いことが挙げられ、2万円前後が主流です。しかしネット通販では、アイドリングストップ車用と混同した販売も見られます。
基本的に、プリウス用は車内に水素ガスが発生しない排出用プラグが装着されているので、誤ったバッテリーをチョイスすると非常に危険です。そこで、バッテリーに詳しくなければ多少高くてもバッテリーに詳しい実店舗での購入が安全です。
駆動用バッテリーは17万円以上の交換費用がかかる
プリウスの駆動用バッテリーは、ディーラーで交換を依頼すると17万円以上の交換費用がかかります。
駆動用バッテリーは新品単体で15万円程度しますが、これは年式により異なります。そこに交換工賃が含まれ17万円程度の交換費用がかかりますが、駆動用バッテリーだけで問題が解決できるとは限りません。
というのも、プリウスの駆動用バッテリーには、ボルテージセンサーと呼ばれるバッテリーの各ブロック電圧とバッテリーの抵抗をモニターして制御する電子部品が組み込まれています。
このボルテージセンサーも劣化部品であるため、駆動用バッテリーと同時交換が必要になる場合があります。この部品は5万円程度するため、もし駆動用バッテリーとボルテージセンサーが故障すると20万円を超える修理費が発生するでしょう。
自分で探して交換すれば安くなる
プリウスに使用される補機用バッテリーも駆動用バッテリーも、ディーラーや整備工場で交換依頼すると高額です。そこでバッテリー本体のみ自分で探せば、商品代だけでも安く済ませられます。
さらに駆動用バッテリーは新品ではなくリビルトバッテリーが販売されています。リビルトバッテリーはネットショップを通じて安く購入できるので、駆動用バッテリー交換には強い味方です。
そして、補機用バッテリーなら自分で交換できるので、かなりの費用節約につながるでしょう。
リビルトバッテリーが安い
駆動用バッテリーのリビルト品は、新品バッテリーの半値程度で購入できる商品もあるので、駆動用バッテリー交換費用をかなり節約できます。
ただし、大手ネットオークションサイトには、大陸製の格安リビルトハイブリッドバッテリーが販売されているので、あまり安いと長持ちしない恐れや、事故の危険性も考えられるため注意が必要でしょう。
そこで、リビルトハイブリッドバッテリーを選ぶなら、国内企業が販売する出所のしっかりした商品を購入するのがポイントです。
高額なバッテリーを交換するより買い替えを選ぶ
補機用バッテリーは一般バッテリーより高めとはいえ、4年程度の交換サイクルなので交換して乗り続けるのが良いでしょう。しかし、駆動用バッテリーは高額な交換費用がかかり、しかも交換が必要な時にはすでに15万km以上走行しているでしょうから、その後のプリウスの寿命を考えても、買い替えを選ぶのが良いとも言えます。
もちろん、リビルトハイブリッドバッテリーを選べば、新品ハイブリッドバッテリーの商品価格で交換までできるでしょう。しかし、リビルトが安くても、10万円以上は交換費用がかかりますから決して安い買い物ではありません。
駆動用バッテリーの交換時期は、走行距離が15万kmから20万km程度とされているので、その時点でのプリウスのほかの部品がどの程度劣化しているか踏まえてみましょう。これだけの距離を走行すれば、ほとんどのプリウスは多くの部分に故障の爆弾を抱えていますから、バッテリー交換より買い替えが賢いとも言えます。
プリウスのバッテリーが劣化したら一括査定で査定してみましょう。プリウスのような人気車種は、バッテリー劣化でも高額で買取する買取店があります。そして高額で買い取る買取店を探すなら、多くの買取店で査定するのが有効なので、一括査定を今すぐチェックしましょう。
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古くなったクルマに高額な費用をかけるより買取に相談
プリウスの駆動用バッテリーが劣化するころには、新車購入から10年以上経過しているでしょう。当然クルマは古くなれば故障頻度も多くなり、修理費用がかさんできます。
そこで、駆動用バッテリーの劣化が見られたらプリウス自体の寿命と考え、クルマの買い替えを検討するのも一つの方法です。
買い替える場合、駆動用バッテリーが劣化していると中古車買取で買取されないと思う人もいます。しかし、プリウスは人気車種であり駆動用バッテリーをリカバリーする方法もあるので、買取されることが多いでしょう。
また、どうしても中古車買取では査定が付かない時には、廃車買取に相談します。廃車買取であればどのようなクルマでも0円以上で買取しており、廃車手続き費用が基本無料なので処分費用がかかりません。
プリウスのバッテリー交換方法
プリウスの2種類のバッテリーの交換方法は、ディーラーや整備工場にお願いするのが安心確実です。また、プリウスを販売するトヨタでは延長保証プランとして「保証がつくしプラン」を設けているので、こういったサービスを利用すればお得にバッテリー交換が可能です。
ディーラーや整備工場に依頼するのが安心確実
プリウスのバッテリー交換をするなら、ディーラーに依頼するのが最も安心でしょう。しかし、ディーラーでは交換費用が高額というデメリットもあるので、必ずディーラーでの交換が良いとも言えません。
そこで、一般整備工場に依頼するのが工賃を安く済ませる方法ですが、駆動用バッテリーの場合は全ての整備工場で交換が可能ではありません。というのも、高電圧の駆動用バッテリーの脱着作業は知識と技術が必要なので、一般整備の経験だけではハイブリッド車の整備ができないからです。
駆動用バッテリー交換は技術ある整備工場に依頼
駆動用バッテリーの交換作業には、低圧電気取り扱い資格を有していることが条件です。この資格を持っていないと交換作業ができないわけではありませんが、資格がないということは交換経験が乏しいとも捉えられます。
逆に資格を取得していても、ハイブリッド車の入庫台数が少なければ実務経験がほとんどないので、これも安心してバッテリー交換を任せられません。
そこで、低圧電気取り扱い資格を有し、しかも実務経験豊富な整備工場に依頼するのが安心確実です。
トヨタの保証がつくしプランを利用
トヨタでは、新車購入すると5年または10万kmの特別保証(メーカー保証)が付いてきます。しかし、5年または10万kmで駆動用バッテリーが寿命を迎えることはほとんどありません。そこでトヨタでは、「保証がつくしプラン」を用意し、走行距離無制限で2年延長できる保証を有償で用意しています。
このプランに加入するには、ディーラーで5年目に車検を受け、その時に加入するしか方法はありません。しかし加入すれば、7年目までであれば駆動用バッテリーが劣化しても無料で交換してもらえます。
プリウスのようにバッテリーが高額で不安があるなら、この保証に加入するメリットは大きいでしょう。
自分で交換するのは難しい場合も
プリウスのバッテリーは、補機用バッテリーなら比較的自分でも交換できるでしょう。ただし、必要最低限の道具が必要であることと、バッテリーはかなりの重量があるので、クルマの整備をDIYで一度もしたことがなければやめたほうが良いとも言えます。
なお、駆動用バッテリーは高電圧なのでDIYでの交換は非常に危険ですから、自分で交換することは考えないほうが無難です。
補機用バッテリーは自分で交換可能
補機用バッテリーの交換作業は、普通のクルマのバッテリー交換をしたことがあればそれほど難しくありません。
ただし、3代目まではラゲッジルームに設置してあり、水素ガス排出ホースにバッテリーをつなぐ作業があります。これさえ忘れなければ問題なくできるでしょう。
このほかにもプリウスの補機用バッテリーの交換で注意点があります。それは補機用バッテリー交換中にリアハッチを閉めることは危険です。というのも、プリウスのリアハッチは電気で開錠するので、バッテリーがない状態でリアハッチを閉めると外から開かなくなります。
間違って閉めてしまっても後部座席からアクセスできますが、その際、リアハッチが開かないのでバッテリー取り付けが困難になることから、リアハッチには十分注意しての作業がポイントです。
駆動用バッテリーの交換はDIYでは危険
プリウスの駆動用バッテリーは、200Vを超える高電圧です。これは家庭用のコンセントの倍の電圧ですから、いかに高電圧なのかわかることでしょう。
電気は、プラスとマイナスの間を流れているので、その間に人が入らなければ感電は起きません。しかし、車体側の絶縁抵抗に何らかの不具合があった場合、人がそこに触れてしまうと感電します。
通常は、プラスもマイナスも絶縁されているので感電することはありませんが、手順を間違えて駆動用バッテリーを外した場合は絶縁が不十分になることも考えられます。
電気は甘く見ると命取りになるので、SNSなどの個人で交換する方法を見てチャレンジするのは避けるのが賢明です。
駆動用バッテリー交換はバッテリーだけ自分で手配する
駆動用バッテリーを自分で交換したい場合は、交換する駆動用バッテリーのみ自分で手配します。そして、自分で手配したバッテリーを整備工場で交換してもらうと良いでしょう。
駆動用バッテリーを安く購入するには、リビルトハイブリッドバッテリーと中古の2種類がありますが、安心と安全を手に入れるなら出所がはっきりしているリビルトハイブリッドバッテリーを選ぶようにします。
そして、良い業者であれば、リビルトハイブリッドバッテリーを交換する整備業者まで直送してくれるので、交換依頼する整備工場にその旨を伝えておけば、スムーズにバッテリー交換できます。
交換が難しいなら買い替えを検討する
プリウスの駆動用バッテリーの交換費用や、今後のコストを考えた時に難しいと判断したら、買い替えを選びましょう。
駆動用バッテリーが寿命を迎えるということは、プリウスの車体やそのほかの装備品もかなり劣化しているはずです。そのため駆動用バッテリーを交換しても、その後快適に乗り続けられる保証はありません。
また、17万円以上の交換費用をかけるなら、中古車買取に買取してもらい、その資金で次のクルマに乗り換えたほうが故障の心配がなく安心です。
プリウスのバッテリー交換が難しく買い替え検討するなら一括査定が便利です。プリウスのように人気ある車種ほど多くの買取店で査定すれば高額査定が出やすいので、今すぐ一括査定をチェックしましょう。
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プリウスバッテリー交換費用に関するよくある質問
「保証がつくしプラン」は、新車登録から5年目、つまり2回目の車検をトヨタディーラーで受ければその時に加入できます。そのため、中古車、新車、他メーカー問わず国産メーカーなら一部車種を除き加入可能です。
基本的にどのメーカーも悪いセルを新品セルに交換しています。その際に、中古のセルに交換して安く販売している業者もあるので、その辺を業者に問い合わせることが重要でしょう。
駆動用バッテリーは、高価なレアメタルを使用しています。そして、ハイブリッド車に使われるリチウムイオンバッテリーには、コバルトなどのレアメタルが使用され、しかもそれらの産出国も限られています。このような理由から供給が追いついておらず、レアメタルが高騰しており、結果駆動用バッテリーの価格を押し上げています。
まとめ
プリウスには、走行用モーターに使用する駆動用バッテリーと、補機用バッテリーと呼ばれる一般車にも使用される鉛バッテリーの2種類が搭載されています。そして、高額な出費になるのが駆動用バッテリーです。
駆動用バッテリーは、劣化すると交換費用が高価です。しかし、オーナーが考えているほど劣化が激しいこともなく、新車から廃車まで一度も駆動用バッテリーを交換しないこともあります。
それでも交換が必要と言われたなら、交換して乗り続けたほうが良いのか、それとも買い替えを選択すべきか、交換後のプリウスのランニングコストを考えて決めましょう。