動かないクルマの処分費用はいくら？賢くお得に処分するなら廃車買取がオススメ！

動かなくなってしまったクルマは処分するのも大変です。エンジンがかからなければ移動するためにレッカーの手配や修理が必要となり、車検が切れていれば仮ナンバーの申請なども必要です。修理をするにしても、ご自身で廃車手続きを行うにしても、クルマを動かさなければならないので費用が発生します。

しかし、たとえ動かないクルマでも処分費用を抑えることは可能です。いくつか挙げられるクルマの処分方法の中でも、最も費用を抑えることができ手間もかからないのは、「廃車買取」を利用することでしょう。クルマの処分にかかる費用の相場や必要な手続き、なぜ「廃車買取」がオススメなのかという理由について解説します。

澤口 宏美

新車の純正オプション取付やコーティング業をしながら車専門のWebライターとして活動中。車好きで愛車のカスタムが趣味。車は6台目で、乗り換えの際は買取や個人売買を利用。現在は愛車のロードスターを長く綺麗に乗るためのメンテナンスに精を出している。

動かないクルマの処分費用の相場は？廃車には様々な費用が発生する！

まずは廃車買取を利用しない、一般的なクルマの処分費用について解説します。廃車手続きの依頼先によって異なるので、予算に応じて依頼先を検討しましょう。

クルマの処分方法は大きく3つ！依頼先によって相場が異なる

クルマを廃車処分する方法は主に3つあります。

• ①ディーラーなどのクルマ販売店に全ての手続きを任せる
• ②レッカーなどを自分で手配し、スクラップ業者にクルマを持ち込んで手続きしてもらう
• ③廃車買取業者に査定と廃車手続きを任せる

それぞれの費用相場と特徴から、ご自身に適した方法を選びましょう。

ディーラーなどのクルマ販売店に手続き代行を依頼すると1～8万円

代表的な手続き方法である「ディーラーや販売店への依頼」。相場は店舗により異なり、どこまで代行してもらうかによって価格が変動します。

実際には、「自分で対応できる部分は自分でやる」となると、販売店に廃車手続きを依頼するメリットがあまりありません。そのため、店舗へのクルマの持ち込みと必要書類の提出だけを行い、陸運支局での手続きやスクラップ業者の手配などは全て任せてしまうことが多いでしょう。

費用に差が生じる要因は「代行手数料」です。代行手数料の金額設定はお店によって異なり、ディーラーではやや高い傾向にあります。費用は最も多くかかってしまいますが、必要書類の提出だけで済むので手続きの手間は大幅に省くことができます。

費用が発生しても信頼できる販売店に頼みたい、馴染みの店に依頼したいという方にオススメです。

スクラップ業者に持ち込んで手続きしてもらうと1～5万円

陸運支局での書面上の手続きは自分で行い、クルマの解体のみを業者に依頼する場合は、スクラップ業者への持ち込みをすることでも対応してもらえます。

スクラップ業者までの車の移動費と手続き費用の合計で1～5万円ほどが相場ではありますが、そもそも個人からの持ち込みに対応しているスクラップ業者が多くないので、手配が難しいという課題があります。

ディーラー等に依頼するよりも多少の費用は節約できますが、手続きを自分で行ったり業者を探したりという手間が多く発生するので、あまりオススメではありません。

廃車買取業者に手続きを依頼すると0円

費用も手間も抑えることができるオススメの方法が「廃車買取業者」を利用することです。廃車買取は通常の買取業者のように査定をしてクルマに値を付けてくれるので、無料で手続きを行ってくれる上、処分する車に値が付くことが多くあります。

廃車買取は通常の買取業者のようにそのまま中古車市場に出すのではなく、解体・部品取り・海外輸出などでクルマを活用しているので、クルマの状態に関わらず対応可能です。ほとんどの廃車買取業者では査定費用・レッカー費用・手続き代行手数料が無料になっているので、３つの中では一番お金も手間も時間もかからない方法です。

当サイトでも、クルマの処分にかかる費用についてご紹介しています。より詳しく知りたい方は、是非こちらもご覧ください。

クルマの処分にかかる費用はどれくらい？3つの処分方法とかかる費用を紹介

動かないクルマを処分するときに発生する費用の内訳は？

クルマの処分費用は以下の3つの項目から成り立っています。依頼先などによって異なる項目と必ず発生する費用があるので、事前に把握しておきましょう。

• ①一時抹消・永久抹消の登録費用および代行手数料
• ②クルマをスクラップするためのリサイクル料
• ③動かないクルマをスクラップ業者まで移動するためのレッカー費用等

一時抹消・永久抹消の登録費用および代行手数料

クルマを処分する「廃車手続き」は大きく分けて2つあります。一つはクルマを解体し二度と使えない状態にする「永久抹消」、もう一つはクルマは解体せず、再び車検を取得すればクルマの使用が可能になる「一時抹消」です。手続きに必要な費用は2,000円ほどで、依頼先が手続きを代行する「代行手数料」が1～3万円ほど発生します。

クルマをスクラップするためのリサイクル料

リサイクル料は、平成１７年以降はクルマの購入時に「リサイクル料」として先に納めていることが一般的です。メーカー、車種、サイズによって差はありますが、6,000～25,000円ほどに設定されています。クルマの購入時に先に納めているので、スクラップする際に支払うことはありません。

動かないクルマをスクラップ業者まで移動するためのレッカー費用等

動かなくなってしまったクルマをディーラーやスクラップ工場まで運ぶためには、レッカーを利用することが一般的です。レッカー費用は5,000～30,000円ほどで、地域や移動距離によって異なります。自走できる状態のクルマであれば、自分で運転して持ち込むことも可能です。

車検や任意保険が残っていても、自宅や保管場所からスクラップ工場までの移動にロードサービスのレッカーを利用することは原則できません。ロードサービスのレッカー移動は、あくまで「走行中に走行不能になってしまった場合」に利用できるサービスです。もし任意保険に加入したままになっている不動車であっても、廃車手続き目的で運んでもらえるかどうかは保険会社によって異なるので注意してください。

廃車にすると還付金がある？払いすぎた税金や任意保険料は戻ってくる

クルマを廃車にし「一時抹消」や「永久抹消」にすると、自動車税や任意保険料の払い過ぎた分が戻ってくる制度があります。手続きを業者に依頼する際も、還付を受けられるかどうかは事前に確認しておきましょう。

自動車税は月割りにした分が戻ってくる

戻ってくる自動車税は、廃車する年の3月までの月割り分です。ただし、軽自動車税には適用されません。

クルマを廃車にする抹消手続きの際に、同時に自動車税に関する書類を提出するので、特別な手続きは不要です。

自動車重量税や自賠責保険料も車検の残り期間に応じて戻ってくる

車検の残り期間に応じて、自動車重量税や自賠責保険料も月割りで還付金が発生します。自動車重量税の還付には特別な手続きはなく、軽自動車でも還付を受けることができます。

ただし自賠責保険料の還付を受けるには、加入している自賠責保険の保険会社で手続きが必要です。自賠責保険証に、加入している保険会社と証書番号の記載があるので、情報を手元に残しておきましょう。

任意保険料も払い過ぎている分が戻ってくる

任意保険に関しても、１年分をまとめて支払っている場合などは残りの月割り分が返ってくるのが一般的です。月々の支払いにしている場合は、廃車にした月までで解約となるので戻ってくる分は基本的にありません。

年払いの場合も月額払いの場合も、月（保険会社の締め日）をまたいでしまうと解約後の返金分が減ってしまうので、手続きを行うタイミングに気を付けましょう。

還付をしっかり受けられるかどうかは手続きの依頼先によって異なるので注意しよう

基本的に、還付をしっかりと受けられるのは自分で手続きを行った場合です。買取・引き取りを業者に依頼した場合、査定額に還付分を含めていることが多く、業者に依頼するときちんと戻ってこないことが多いです。

自分では廃車が前提であっても、業者側がその後抹消手続きをするかお店への名義変更手続きをするかによって、還付金が発生するかが変わってしまいます。業者への買取や引き取りを依頼した場合は、税金の還付を受けられるかどうか事前に確認しておきましょう。

当サイトでも、クルマを廃車にすることで戻ってくる還付金についてご紹介しています。より詳しく知りたい方は、是非こちらもご覧ください。

クルマを売却・廃車すると還付金が戻るって本当？税金の還付金や任意保険の取り扱いについて

動かないクルマの処分には廃車買取がおすすめ！

動かないクルマの処分方法や費用相場など解説してきましたが、最もオススメの方法は「廃車買取の利用」です。では、なぜ廃車買取がオススメだと言えるのか、メリットとデメリットとともに解説します。

【廃車買取のメリット①】動かないクルマがお金になる

廃車買取の最大のメリットは「動かないクルマがお金になる可能性があること」です。廃車手続きを依頼すると、多くの場合は手数料を支払うことになるので金額的にはマイナスですが、廃車買取ではプラスになる可能性があります。

廃車買取なら動かないクルマを０円以上で買い取ってくれる

ディーラーや販売店に廃車を依頼すると、一応下取り査定はしてくれます。しかし年式や走行距離、状態から査定額が付かず手続き費用だけが発生するというケースがほとんどです。

廃車買取の場合、部品のみの販売や修理をしての販売、スクラップ後のリサイクルの料金などで利益が出ることが見込めるので、０円以上で買取価格が付く可能性が十分にあります。

値が付かなくても０円で引き取り処分してもらえる

状態が極端に悪く、廃車買取でも値が付かないという場合でも、引き取りのために追加費用が取られることは原則ありません。値が付かなかったとしても、引き取りは無料でしてもらえるというのもメリットの一つです。

【廃車買取のメリット②】査定・引き取り・手続きの費用がかからない

廃車買取は出張査定、レッカーでの引き取り、廃車手続きの代行費用が原則無料です。ディーラーなどではレッカーの手配や手続きの代行費用が発生するので、自己負担が発生しないのは大きなメリットだと言えるでしょう。

引き取りのレッカー代や手続きの代行費用が原則無料

動かなくなってしまったクルマや車検の切れたクルマを自分で動かすのは大変です。基本的にはレッカーを手配して移動することになりますが、移動距離に応じて費用が発生し、廃車手続きの費用面の大部分を占めます。

廃車買取ではレッカー費用をはじめ、手続きの代行費用も原則無料です。離島などの一部地域においては追加料金がかかることがありますが、多くの場合は無料で一連の手続きを任せることができます。

自分で廃車手続きやスクラップへの持ち込みをするよりも楽でお得

費用を抑えるために自分で廃車手続きを行う場合、陸運支局が対応している平日に時間を作ったり、必要書類を自分で用意したり、スクラップ業者とレッカー業者を手配したりと、なにかと手間がかかります。費用も全額自分で負担しなければなりません。

廃車買取に手続きを依頼する場合は、通常の買取業者にクルマを売るのとほとんど同じです。実印と印鑑証明書、車検証の住所が現住所と異なる場合は必要に応じて住民票などを用意し、廃車買取業者に提出します。その後は廃車買取業者が手続きをするのを待ち、買取価格が付いているクルマの場合は入金を確認するだけです。

【廃車買取のメリット③】通常の買取とは違って原則どんな状態のクルマでも対応してくれる

廃車買取は、通常の買取業者と同様にクルマを査定して買取もしてくれます。通常の買取業者よりも、状態の悪いクルマや値が付きにくい条件のクルマへの対応の良さもメリットのひとつです。

通常の買取では値が付かないクルマに高値が付くことがある

一般的な買取業者では国内での再販が前提となるので、年式や走行距離、不具合がないかなど状態が査定額を大きく左右します。当然ながら、年式が古すぎる車や走行距離が極端に多いクルマ、高額な修理費を要する故障車や事故車では厳しい査定結果となるでしょう。

廃車買取業者の場合は、国内で中古車として再販する以外に、解体や部品取り、海外輸出など別の販路を持っていることが多いです。そのため、中古車としてそのまま販売することが難しい条件のクルマでも買取が可能で、通常の買取業者よりも高値で買い取ってくれるケースが多くあります。

通常の買取では引き取りに費用が発生したり対応を断られることも

通常の買取業者では、前述のとおり「売り物にできない状態のクルマ」には値を付けられない可能性があります。それだけでなく、不動車で移動にレッカーが必要となる場合は引き取りに費用が発生したり、引き取り・買取自体を断られることも少なくありません。

廃車買取では原則どんな状態のクルマでも、引き取りはしてくれます。また、レッカー代などの移動費用も原則無料としている業者が主流なので、０円買取となる場合でも引き取りに費用が発生することがほとんどありません。

不動車・車検切れ・冠水車・事故車などの場合は廃車買取に相談してみよう

不具合のない車検切れのクルマであれば、通常の買取業者でも買取に応じてもらえる可能性はあります。しかし、エンジンのかからないクルマや災害によって冠水してしまったクルマ、自走できない事故車などの場合は買取を断られてしまうことも。

廃車買取の場合は、不動車や冠水車、修理もしていない事故車など、再販が難しい状態のクルマの買取・引き取りを得意としています。無料での引き取りはもちろん、買取してもらえる可能性もあるので、このようなクルマの場合は廃車買取に依頼するのがオススメです。

廃車買取の利用にデメリットはあるの？

廃車買取のメリットを紹介してきましたが、反対にデメリットはあるのでしょうか？廃車買取には2つのデメリットがありますので、通常の買取業者や廃車買取業者同士の比較を行いながら利用するのがオススメです。

通常の買取のほうが高額査定になる可能性も捨てきれない

廃車買取の査定額は、「高額査定」とは言えない金額となるケースが多いです。そもそも再販が難しい状態で、処分を前提としたクルマの買取をしているので、当然と言えば当然です。

たとえ年式が古くてエンジンがかからない状態だったとしても、中には流通台数が極端に減ってプレミア価格が付いているクルマも少なくありません。もっとも、そのようなクルマのオーナーは自分のクルマに価値があることはお判りだと思いますが、そのようなケースでは最初から廃車買取に査定を依頼してしまうと損をしてしまう可能性があるでしょう。

また、修理をしていない事故車でも、走行距離が短い・年式が新しいクルマの場合は、買取業者側が買取後に修理をして再販するケースもあります。再販が見込める車種であれば極端に低い査定額にならないことも考えられるので、廃車買取に出すよりも高く買い取ってくれる可能性が残っています。

業者によっては廃車証明書の発行が遅いなどのトラブルも

廃車買取業者は、中古車買取業者ほど多くはありません。しかし、その中でも取引台数の多い大手と、中小の業者との対応の差は少なからず生じます。

大手廃車買取業者の場合は、無料引き取りの対応地域が広かったり、自社でスクラップ工場を持っていたり、様々な販路を持っていたりと、安心して廃車を任せられる環境が整っています。そのため、査定で値が付いたり、廃車手続きが完了した通知を送ってくれたりと、サービス内容も充実しています。

しかし、車を引き取った後に抹消手続きや名義変更手続きを行わずに放置してしまう業者や、手続きの完了通知をしない業者がないとは言いきれません。業者選びを誤ると、抹消手続きが遅れて自動車税の還付金が変わったり、必要な手続きが行われないまま自身に自動車税や違反金の納付通知が届いてしまうなどのトラブルに巻き込まれてしまう可能性もあります。

廃車買取の利用時は、利用実績が多く安心して任せられる業者を選ぶようにしましょう。

通常の買取で値が付かなかったら廃車買取を利用するのがおすすめ

上記2つのデメリットから、クルマを処分する際は、まず通常の買取業者に査定を依頼して、売却することができるかを検討してから廃車買取を利用することがオススメです。

買取業者に売却できれば、処分費用をかけずにクルマをお金に換えることができます。通常の買取業者では対応が難しい、処分に費用が発生するとなったら、廃車買取に査定を依頼すると良いでしょう。

そうすることで、処分費用の自己負担を限りなく0に近い金額に抑えることができます。

当サイトでも、廃車買取のおすすめ業者についてご紹介しています。より詳しく知りたい方は、是非こちらもご覧ください。

廃車買取のおすすめ業者7選！中古車買取との違いと処分費用のメリットを詳しく解説！

まとめ

動かなくなってしまったクルマを処分するときに、最もオススメの方法は「廃車買取を利用すること」です。廃車買取を利用すれば、レッカーの手配から手続きの代行まで任せることができ、手続き費用がかからない上、査定額が付けばお金が入ることもあります。お金も手間もかけずにクルマを処分することができるので、動かないクルマの処分方法や費用の工面に苦慮している方は、是非ご利用ください。