国内で人気が衰えてしまったマニュアル車は、買取で売れないと諦めている人もいるでしょう。しかし、買取業者にはマニュアル車の買取に強い業者も存在します。特にマニュアル車は、スポーツモデルなどの趣味性の高いクルマに多いですが、そういったクルマは、専門業者に相談すれば高く買い取ってもらえるでしょう。そして、それ以外のファミリーカーなのどのマニュアル車は、意外にも海外で人気があります。そこで、マニュアル車を高く売るにはどのようにすれば良いのか、そしてどこに気を付ければよいのか詳しく解説します。
自動車鈑金工場で高卒から10年ほど修行し、その後独立して自分の自動車鈑金工場を設立。中古車の粗悪さが許せず、中古車買取と鈑金修理を一つにしようとオークションに出入り。普通のクルマだけでなく修復歴車を落札して修理し直して販売や事故車を修復する仕事を20年程度行う。現在は財経新聞などにも記事提供を行うクルマ専門ライターとして活動中。
もくじ
マニュアル車を高く買取に出すための3つのポイント
マニュアル車もクルマには変わりがありませんから、買取査定に出せばオートマ車と同じように査定されます。ここで大きな違いは、オートマなのかマニュアルなのかの違いだけです。
査定基準は、一般の買取と同じように設けられていますから、高く買い取ってもらうためのポイントは、以下の3点になります。
- マニュアル車の買取に強いお店を選ぶこと
- 査定前に相応の準備を行っておくこと
- 事前にどこを見られて査定されるのか知っておくこと
高価売却のポイント1:マニュアル車の買取に有利なお店を選ぶ
マニュアル車は、自分の手でギアチェンジを行い運転するクルマですが、昨今の日本国内で販売されるクルマの殆どはオートマ車が主流となり、マニュアル車を購入する人が極端に少なくなっています。
しかし、全くマニュアル車の需要がないわけではなく、マニュアル車でなければクルマを購入しないという人が多少なりとも存在します。そこで、こういったコアな需要に強い業者が運営する買取店であれば、マニュアル車の良さを知っているので、高く買い取ってもらえるでしょう。
スポーツモデルに強いお店はマニュアル車の買取にも積極的
具体的に、どのようなクルマがマニュアル車としての需要が高いかというと、スポーツモデルが第一に上がります。そして次に年配の方を対象としたコンパクトモデルも、マニュアル車の需要は高いと言えます。
スポーツカーに乗ってドライビングを存分に楽しむには、クルマと一体になることが大切です。そのためには、マニュアルシフトを駆使して、シフトチェンジを行いながら軽快に走ることを、スポーツモデルでは好まれます。
最近のスポーツモデルにも、マニュアル車の設定とオートマ車の設定を選択できるものは有りますが、スポーツカーといえばマニュアルを選ぶ人が多くなっています。これは、かつてスポーツカーに搭載されたスポーツATの性能があまりにもひどかったことが、今もなお引きずっていると言っても良いでしょう。
昔からスポーツカーにもオートマ車が存在しました。このオートマ車は、スポーツ走行すると変速が遅く、しかも思ったようにシフトコントロールできないことから、ヤキモキした気持ちになったものです。また、昔はスポーツカーにオートマを選ぶと燃費も悪化していたので、そのことが今でも、スポーツカーがマニュアル車への人気に傾いてしまっている原因の一つとして考えられます。
そもそもスポーツモデルはオートマ車よりマニュアル車が人気
スポーツモデルにお乗りの場合、それがマニュアル車であれば、オートマ車より人気が高いことが多くあります。
スポーツモデルでマニュアル車が人気の理由は、運転を楽しめることにつきます。最近は、オートマ車でもマニュアル車のようにパドルシフトで運転を楽しむことができますが、本来のクルマの楽しみ方は、左足でクラッチ操作をしながら、クルマと一体となったドライブができることにあります。
クルマの買取に出す時に、スポーツ車でマニュアルであれば、オートマ車より高値で買取してもらえる可能性があります。
本格4WD車を扱うお店もマニュアル車を高く買い取ってもらえる可能性が高い
マニュアル車は、スポーツカーだけでなく本格的に悪路を走行するクルマにも人気です。オートマでは微妙なアクセル操作が難しく、また半クラッチを使いながら悪路を脱出するといった芸当は、マニュアル車でしかできません。そのため、スズキ・ジムニーやトヨタ・ランクルなどの本格4WD車とマニュアル車は、非常に相性が良いことで知られています。
このように、マニュアルと相性が良いクルマであれば、オートマ車より買取価格が有利になることも珍しくありません。
海外輸出に強い買取店に依頼すると思わぬ高値がつくことも
オートマ車の国内シェアは9割を超えており、マニュアル車は風前の灯となっています。これを世界に目を向けると、日本とアメリカがオートマ車を好む傾向が強く、欧州や新興国ではマニュアル車が人気となっています。
特に面白いのが、ヨーロッパではオートマ車はマニュアル車より格下に見られる傾向が強くありました。その理由は、運転操作が簡単なオートマ車は、女性や高齢者の乗り物という偏見があり、男性や若い人はマニュアルに乗るものだという考えが広く伝わっています。
この他、マニュアル車の方がオートマ車より新車価格も安いというのも海外では魅力的な一つとなっています。当然、新車価格が安いマニュアル車は、中古車価格もオートマ車より安くなるので、オートマ車よりお得に乗ることができるという考えが強くなっています。
しかし、日本では海外と交通事情が大きく異なります。渋滞の激しい道路では、マニュアルシフトを操り断続クラッチを続けるような運転は、ドライバーに大きな負担がかかります。しかし海外では、そのような運転操作を必要とする都市はそれほど多くなく、マニュアル車が高い人気を集めています。
この他にも、マニュアル車はメンテナンスが容易ということも挙げられます。特に新興国では、複雑なオートマ車より機構が簡単なマニュアル車のほうが人気です。さらに日本車の故障が少ないという特徴が歓迎されて、日本製のマニュアル車は新興国で高い人気を誇ります。
このように、国内では人気が低いマニュアル車でも、海外では日本車のマニュアル車というだけで、欲しい人が多くいることから、海外向けを専門に輸出している業者がいます。そこで、マニュアル車を買取に出すには、海外に輸出している業者に相談すると高値で買い取ってもらえる可能性が高いでしょう。
高価売却のポイント2:マニュアル車を買取に出すには査定前の準備も重要
マニュアル車の買取査定を依頼する前に、やるべきことがあります。これは、マニュアル車だから特別に必要というわけではありません。買取店に査定に出すために準備する一般的な方法と同じですので、特に難しいところもなく、なんら問題ありません。
もちろん内外装の清掃は十分に行うことが重要ですが、この他にもマニュアル車を高く買取してもらうために必要なことがあります。
マニュアル車を買取に出す前に内外装の掃除を入念に
クルマの買取査定に出す前に、車の内外装を掃除する人は多いのではないでしょうか。当然マニュアル車も、内外装の掃除は行ったほうが良いと言えます。
特に、マニュアル車はオートマ車より国内需要が低いため、できるだけ状態が良いクルマであることをアピールする必要があります。
クルマの掃除は、できる限り自分で行うようにしましょう。というのも、クルマを買取に出すという事は、その時点でクルマとお別れになるわけですから、感謝の念を込めて綺麗にしてあげましょう。
自分で洗車することも大事なことではありますが、もっと重要なことは、クルマに残された自分の所持品を全て取り去ることにあります。車内には多くの隙間があるので、思わぬところから以前に紛失した身の回り品が出てくることもあります。
また、持ち主は運転席には座りますが、助手席や後部座席に座ることは殆どありません。入念に掃除をすることで、普段座ったことがないシートに座ると、思わぬ汚れも発見することができ、査定前に完璧に綺麗にすることができます。
掃除には、市販のケミカル洗剤の使用で十分です。また、ジュースや食べ物で出来たシミの取り方は、ネットで検索すれば汚れごとに落とす方法がヒットするので、一般ユーザーでも意外と簡単に掃除することができるでしょう。
次に、エクステリア(外装)の洗車ですが、こちらは細かな傷などはそのままで構いません。むしろ、コンパウンドなどでキズ消しに挑戦して、さらにひどいことになっては元も子もありません。そのため洗車は、通常のカーシャンプーとワックスがけ程度に留めておくようにしましょう。
内外装がキレイなマニュアル車は、買取査定時に心象が良くなり、クルマを大事に扱っていると判断して、査定士が高い評価をしてくれます。査定士の心を掴むことも、買取で高く売るためには重要なことですから、忘れないようにしましょう。
社外パーツは取り外さないことも高値買取に重要なポイント
マニュアル車には、スポーツカーや本格4WDなど、趣味性の強いクルマが多く見られます。こういったクルマは、社外パーツでカスタムしている人も多いので、これらのパーツをどうするかで悩むことでしょう。
たしかに、取り外してネットオークションに出品すれば売ることができる可能性はあります。しかし、購入したい人がいた場合の話であり、売れなければ外したパーツは邪魔なパーツとなることでしょう。
しかし、クルマに取り付けたまま査定すれば、クルマの付加価値として査定額を増額してもらえる可能性があります。また、マニアックなパーツである必要はなく、純正をカスタムしてあるだけで、かなり買い取り価格が一変することがあります。そのため、社外パーツを取り付けている場合は、そのまま査定に出したほうが、お得といえるでしょう。
高価売却のポイント3:事前にどこを重視して査定されるのかを知っておく
マニュアル車を買取査定に出す時に、査定士がどこに注目して査定しているかを知れば、事前に自分のクルマのウィークポイントを知ることができます。
このウィークポイントを知ることで、どのようなメリットがあるのかというと、予め所有するマニュアル車の相場を知ることができます。結果、相場を知れば査定士との駆け引きもスムーズに行うことができるでしょう。
マニュアル車も走行距離や年式が重視される
マニュアル車も、オートマ車と同じく年式や走行距離を査定士は必ずチェックします。例えば、どんなに年式が新しくても、どの程度走行しているか必ず確認します。
この走行距離は、自動車業界では1年で1万km走行が基準となっており、この基準に当てはめて査定を行います。
クルマの買取は、基本的に中古車として再販することが目的です。中古車を購入しにくるユーザーは、同じクルマでも年式が新しく走行距離が少ないクルマを求めます。また、年式が同じであれば、当然走行距離が少ないクルマのほうが人気があります。
このように、マニュアル車でも走行距離と年式を気にするユーザーがいることに変わりがないので、年式に比べて走行距離が多い場合は、査定額が下がると思っていたほうが良いでしょう。
この年式と走行距離の関係ですが、概ね1万km以上、基準値より多いほうにずれていると、査定に響くと言われています。
また年式ですが、一般に新車から7年落ちのクルマは査定が極端に下がる傾向があります。これはメーカー保証が切れることや、3回目の車検ともなると、クルマの消耗品の交換やメンテナンスにお金がかかり始める頃だからです。
しかし、マニュアル車の場合マニアが喜ぶスポーツカーや本格4WDといった車種の場合は、年式が古くても一般的なクルマより買取価格が有利なことがあります。これは、マニュアル車の絶対数が少ないことが、マニアの間で高い人気を誇っていることに関係しており、買取時にタイミングが合えば、高値で買取してもらえることもあるでしょう。
人気のスポーツモデルはどのような使い方をされたか詳しく査定される
マニュアル車の多くは、スポーツカーや本格SUVでしょう。
スポーツカーのマニュアル車を所有しているオーナーの中には、スポーツ走行を楽しんでいる人も多く見られるため、査定士はクルマがどのような使い方をされていたかチェックします。
スポーツ走行をしていたクルマは、ボディにダメージが蓄積していることが多く、走行中に異音などが発生していることがあります。また、エンジンの状態やトランスミッション(エンジンからの動力をタイヤに伝える装置)も細かくチェックされるでしょう。
クラッチの状態は要注意
マニュアル車の最も注意すべき点は、クラッチです。クラッチとは、エンジンの動力をタイヤに伝えたり切り離したりする装置ですが、この装置は走行距離や使用方法により傷みが変わってきます。
そのため、マニュアル車の査定では、クラッチの繋がり具合やギアの入り具合といったこともチェックされます。特にクラッチの繋がり具合はシビアにチェックされ、もしクラッチが減っていることがわかれば、査定価格にも影響します。
この他にも、ギアチェンジやクラッチ操作で異音がないか、またクラッチディスクを強化品に交換していないかなどもチェックされます。仮に、強化クラッチ(エンジンパワーを上げるチューニングを行った場合に取り付けられるクラッチ)に交換してあると、一般の買取店よりチューニングカーを専門に買い取る業者に相談したほうが、高く買い取ってもらえるでしょう。
スポーツ走行を楽しんだモデルは要注意
スポーツカーを所有していれば、サーキット走行を楽しみたいと考える人もいます。特にハイパワーなスポーツカーでなくても、ハンドリングを楽しむためにサーキットを利用することもあるでしょう。
しかしサーキット走行は、一般道路を走行しているクルマに比べて、クルマの寿命を大きく縮めることがあります。もちろんサーキット走行の仕方にもよりますが、サーキットで使用されるアスファルトが一般道路より摩擦抵抗が大きいことから、ゆっくり走行していても、クルマの各部へのダメージは一般道路より多くなります。
そこで、サーキット走行を頻繁に楽しんだマニュアル車は、クルマの傷みが多く出ることがあり、査定士によってその傷みを見つけられる可能性が高いと言えます。そうなると一般道路だけ走行していたクルマに比べ、査定額は下がることを覚悟する必要があります。
もし、サーキット走行を頻繁に行っていたクルマを買取に出す場合は、一般のクルマ買取ではなく、チューニングカーを扱う中古車買取もしくは輸出を扱う買取店に相談するほうが、高く買取してもらえる可能性があります。
人気ある車種のマニュアル車も修復歴は要注意
簡単な事故を起こして修理したクルマは特に問題はないでしょう。しかし、大きな事故を起こして修復歴(クルマの骨格を修理した履歴など)があると、クルマの価値は大きく下がります。
マニュアル車は、この修復歴が多いことがあります。というのも、マニュアル車はスポーツモデルに多く設定されているので、事故率が高いことから、買取査定士も修復歴については入念にチェックします。
マニュアル車で、大きな事故経験がある場合は、修復歴となっている可能性があります。何も知らずに修理してキレイになって戻ってきたことに喜んでいても、骨格を修正する方法で修理していることがあります。
特に、骨格部分の損傷が軽微な場合は、オーナーにその事実を伝えないことも多く、事故を起こしても知らないうちに修復歴車になっていることがあります。
そこで、自分で事故を起こしたことがあるなら、どのような修理をしたのか修理した業者に確認してみたほうが良いでしょう。特に軽微な損傷であったとしても、フレーム修正機を使いクルマをクランプした跡が残っている可能性があります。どういうことかというと、クルマを修理するときにフレームを修正するほか、クルマの外板を修理する場合にも、クランプでクルマを固定することがあるからです。
そこで、マニュアル車を査定に出す時に、事故を起こしたことがあるなら、どの程度の事故なのか詳しく査定士に伝えましょう。そうすることで、たとえクランプ跡があったとしても、骨格部分に損傷が及んでいないと判断できる材料が査定士に与えられるので、買取価格への影響を少なくできるでしょう。
今後マニュアル車は希少車として人気やリセールバリューが高くなる可能性も
マニュアル車は、国内でのシェアは10%以下となっていることから、希少な存在となってきました。
AT限定免許証が創設されたのが1991年なので、すでに30年経っていることからも、マニュアル車を運転できる人そのものが少なくなっています。しかし、ごく一部のクルマには設定されていることや、マニュアル車を好むユーザーもいます。
このマニュアル車の希少性はこれから高くなるのか、それともこのまま消えていってしまうのか、詳しく解説します。
国内ではオートマ車が主流でマニュアル車が少ないのでマニアの間で人気
国内でのオートマ車の普及率は98%を超えており、マニュアル車を新車で購入する人は、極わずかとなっています。また、新車でマニュアル車を選べないことも多くあり、このことが理由でマニュアル車は近年ずっと減る一方です。
しかし、世の中には、減っているマニュアル車を好んで探して購入する人もいます。そういった人たちは、オートマ車よりマニュアル車の運転が好きな人たちで、いわゆるマニュアル車のマニアといっても良いでしょう。
マニュアル車は、新型が出る前には設定があったのに、新型車の発売時に設定が失われてしまうことも多くあります。すると、欲しいクルマがあったとしても、新車によるマニュアル車を選べないことになるのです。そこで、それでもマニュアル車が欲しいという人は、中古車で程度の良いマニュアル車を探すようになります。
このように、全ての人がオートマ車を選ぶわけではなく、一部ではマニュアル車を好んで、時間を費やしてでも探して購入したがる人もいます。そういった人がいる限り、マニュアル車の買取は持続され、しかもマニュアル車の数が少なくなれば、値上がりも予想されるでしょう。
旧車はマニュアル車が人気
古いクルマのことを旧車といいますが、旧車の捉え方はユーザーの年代により考え方は大きく異なるといっても良いでしょう。例えば、今から30年ほど前の1990年に販売されていた代表的なクルマには、スカイラインR32GTR、トヨタ70スープラ、アンフィニRX7(FD3S)、初代NSX、Z32フェアレディZなどがあります。しかし、これらのクルマは、現在50代前後の方たちからすれば、旧車と呼ぶには抵抗があるでしょう。
しかし、現在30代の方たちにとっては、これらのクルマたちは旧車のカテゴリーに位置するのではないでしょうか。
ただ現在の考え方として、マニュアル車全盛期最後のスポーツカーと呼べるのが、この30年ほど前のクルマたちです。そして、この時期にAT限定免許が新設されたということも、何かの縁かもしれません。
この時代のマニュアル車は、比較的クルマの故障も少なく、現在は高値で取引され始めています。そして、マニュアル車のスポーツモデルともなれば、同じスポーツモデルのオートマ車より故障リスクが低いことも手伝って、いまや高い人気となっています。
また、これ以上に年代の古いクルマも当然マニュアル車が人気です。それは、古いクルマほどオートマの機構に不具合が多く発生し、しかも古いために部品の調達もままなりません。このネガティブな部分を嫌うこともあって、古いクルマにはマニュアル車を選ぶことが多いと言えます。
このように、旧車と呼ばれる古いクルマは、クルマの機構やクルマの運転の楽しみ方からマニュアルに人気が集中するので、古いクルマのマニュアル車は高く買取される傾向があります。
スポーツモデルではないマニュアル車は日本車というだけで海外で人気
国内で人気のマニュアル車は、スポーツモデルや本格SUVといった、趣味性の強いクルマです。
そのため、国内でファミリーカーのマニュアル車を売りたいと思っても、ファミリーカーのマニュアル車の需要は極端に低いので、買取価格には期待が持てません。
しかし、国内では人気が失われつつあるマニュアル車ですが、海外では人気があります。しかも日本車は、海外では信頼性が高い為、どのような国産車でも引く手あまたの状態です。
そこで、スポーツカーなどの嗜好性が強いクルマではない場合、たとえばファミリーカーなどのマニュアル車を買取に出したいなら、間違いなく輸出に強い買取業者に相談することです。一般の買取業者で買取価格がほとんどつかないマニュアル車も、海外専門業者なら高値で買取してもらえる可能性が高いでしょう。
今後発売が少なくなるマニュアル車はどんなモデルでも希少価値が出る可能性が
日本の自動車メーカーが発売するクルマは、マニュアル車の設定が年々少なくなってきています。フルモデルチェンジでマニュアル車の設定が失われてしまうことは珍しくありませんが、マイナーチェンジで消滅していくマニュアル車も多くあります。
日本国内では、スポーツカーなどの一部の嗜好性の強いクルマ以外は、珍しい存在となっています。これが、さらに進んでいったとしたら、マニュアル車そのものが乗用車のジャンルから消えてしまい、存在自体が失われていく可能性も否定できません。
1991年にAT限定免許が創設され、30年余りの時が過ぎました。すでにマニュアル車を運転できない人も増えており、一部のプロドライバー以外は、マニュアル車を運転する機会さえなくなっています。
しかも現在は、トラックやバスなどもオートマ化が進んでおり、乗用車以外も全てオートマ車となる日がくるかも知れません。そのような時期は、すでに目の前に迫ってきていると考えられます。もしそうなれば、現在所有しているマニュアル車は非常に希少価値の高い乗り物として、まるで宝物を見るような視線を集めることになるでしょう。
まとめ
マニュアル車は、国内での人気は失われてしまいましたが、車種によってはオートマより高値で買取してもらえることがあります。そのため、マニュアル車の売却を考えるなら、所有している車種により買取店を選ぶことが重要でしょう。
買取店にも数多くの特徴があり、一般的な買取店から、スポーツモデルやSUVの買取に特化した店、チューニングカーの買取を得意としている店があるほか、国内で人気が低いマニュアル車を海外に販売している業者もいます。自分の乗っているクルマが、どのような種類に当てはまるのかを吟味して、最適な買取店に相談すると良いでしょう。