「改造したクルマって安く買取られるんだろうな・・・」
「ひょっとして、改造車専門の買取店ってあるのかな?」
こんなふうに心配されている方に朗報です。日本全国に改造車を専門に扱った買取店は数多く存在します。カスタムされたドレスアップカーやチューンドカー、はたまた違法改造車まで買取ってくれるお店があります。
そこで今回、改造車専門の買取店を一挙ご紹介するとともに、改造車専門買取店の特徴や改造車を高く買取ってもらうためのポイント解説、また、改造車に関する豆知識などをお伝えしてまいります。
この記事を最後まで読み進めていただければ、売却しようとされている改造車を、きっと正当に査定してくれる買取業者が見つかるはずです。是非、参考にしてみてください。
カーデザイナーという夢を抱えたまま社会人となり、広告代理店で20数年勤めたあと50歳にしてフリーランスに。WRCに目がなくGT5の世界で腕を磨く日々。愛車遍歴のベスト3はEF7、ALFA159、直6のW201。ボールナットのフィーリングは格別でした。クルマ離れが叫ばれる中、一人でも多くの人にカーライフの魅力を伝えていきたいと思います。
改造したクルマは改造車専門の買取店で売却しよう!
一般的にクルマの買取と言えば、ガリバーやビッグモーターといった全国に店舗を持つ中古車買取店のイメージがあると思いますが、改造したクルマを専門に取り扱う改造車専門の買取店も存在します。
改造したクルマを売却するのであれば、改造車の価値を正当に評価してくれる改造車専門の買取店を利用するのが賢明です。ドレスアップカーやチューンドカーといったカスタムされた種類によって買取店を選択することで、より高値で売却できる可能性が高まります。
改造車の買取専門店は多数存在する
意外に思われるかもしれませんが、改造車を専門に扱う買取店は全国にたくさんあります。それらの買取店は、カスタムされたドレスアップカーを専門に扱う業者もあれば、チューンドカーを専門に扱う業者もあり、それぞれ特徴を兼ね備えています。しかし、このように改造車専門の買取店が数多く存在する理由として挙げられるのは、日本が世界でもあまり類を見ない長きに渡る改造車の文化があるからだと推測できます。
そういった背景には、いわば「走り屋」と言われる運転技術を競い合うドリフト族などに始まり、市販されているクルマの足回りやマフラーの改良、派手な装飾を施すといった街道レーサーブームもあります。また、「よろしくメカドック」や「シャコタン☆ブギ」、「頭文字(イニシャル)D」といったドレスアップやチューンナップしたクルマを題材にした人気漫画の台頭に加え、カスタム&チューンナップ専門誌の発行などによる影響が考えられます。
昨今、若者のクルマ離れが叫ばれて久しいですが、日本ではまだまだドレスアップやチューンナップの需要が多いのが現状です。近年は、日本車を改造したクルマをメインに扱った映画「ワイルドスピード」の影響もあり、日本の改造車文化が世界に影響を与えるほど、根強い人気があります。
改造車は専門店であれば正当に査定してくれる
改造車専門店の最大のメリットは、一般の買取店とは異なり、改造した部分を正当に評価してくれるという点です。
基本的に、クルマを買取ってもらう場合は、改造していない純正のままのクルマの方が改造しているクルマよりも高く売れる傾向にあります。それは、改造した部分が買い手の好みに合わなければ購入してもらえないといった、いわば機会損失になる可能性が高くなるからです。機能面の改造によるチューンドカーや、内外装の改造によるドレスアップカーともに同じことが言えます。
ただ、改造の中身によっては、むしろ買い手に評価されて喜ばれるケースもあります。例えばスポーツカーをチューニングした改造車の場合であれば、走行性能を向上させるために施された有名ブランド品によるマフラーやサスペンションの交換などが挙げられます。
特にスポーツカーの場合、純正のままで乗っていること自体が少ない車種もあり、HKS、エンドレス、RE雨宮といった、数ある人気のパーツメーカーによるチューンナップであれば、そういった部分もしっかり査定価格に反映してもらえます。
違法改造車も買取ってくれる?
車検が通らない違法改造車は、一般の買取店では基本的に買取ってもらえません。但し、違法改造の内容にも色々あり、運転手や助手席に透過率70%を確保できないスモークフィルムを貼っているだけの違法改造車であればフィルムを剥がすだけで済みますし、タイヤがフェンダーから1cm以上はみ出しているような違法改造車も簡単に対応することができます。
つまり、違法改造車でもその中身によるところが大きく、たとえ車検に通らないような改造車でも、サーキットを走っていたレース仕様の改造車であれば買取ってくれる可能性はありますし、一度、改造車専門店に相談してみるのが良いでしょう。ただ、いずれにしても査定価格の引き下げや、一般のクルマ買取店では再販できないことを理由に、買取ってもらえない可能性が高いことは心得ておきましょう。
改造車を専門に扱う買取店を一挙ご紹介
それでは、改造車を専門に扱う買取店について紹介してまいります。一般の買取店による査定価格と改造車専門の買取店による査定価格を比較しているサイトもあり、改造車の買取相場を確認する上でも非常に参考になります。
また、一般車の一括査定のように、改造車の市場にも一括査定があり、改造車を少しでも高く売却したいというユーザーによっては有難い存在と言えます。
なんと、改造車専門の一括査定もある
クルマを少しでも高く売るための基本は、複数の買取店から査定価格を引き出して比較すること。一般車であればクルマの一括査定が有名ですが、それがなんと、改造車専門の一括査定もあるので驚きです。それだけ需要が多いことの裏返しでもありますが、改造車の場合も、まず改造車の一括査定を利用してみることをお勧めいたします。
その上で、個別の改造車専門店にも査定をしてもらい、それらを比較して最も高い査定価格の買取店で売却するようにしましょう。
改造車.com
改造車.comは改造車専門の買取店が多数登録している、改造車の一括査定サイトです。売却を考えているクルマの車名・グレード、年式や走行距離といった基本情報のほか、オプションや改造している箇所の画像を送信することで、複数の改造車専門の買取店に情報が提供されます。
その後、登録している買取店からの連絡を受け、無料で査定を行ってもらい、買取されることになります。ドレスアップカーやフルチューンされたデモカーやサーキット用の車両まで全て対応しており、全国出張も可能となっています。
サイトでは、スカイライン、RX-7、シルビア、レビン、トレノといった、主に国産車による改造車の販売車両が数多く掲載されており、相場を把握する意味でも、とても参考になります。複数の買取店の査定価格を比較するために、最初に改造車.comの一括査定を利用するのも一つの方法です。
代表的な改造車専門の買取店6つ
改造車専門の一括査定があるくらいですから、当然、改造車専門の買取店もたくさんあります。スポーツカーを専門に扱った買取店もあれば、ドレスアップカーやパーツ販売も行っている買取店など、各買取店がそれぞれに特徴を持っており差別化を図っているのが分かります。
ここでは、代表的な改造車専門の買取店を6つ、ご紹介してまいります。
改車王by旧車王
外車王や旧車王で有名なカレント自動車が運営する改車王。これは、旧車王のサービスから改造車だけをピックアップした情報をまとめたコンテンツで、根本的には旧車王の取り扱いになります。日本全国で無料査定に対応しており、いざというときに心強い存在です。
元々は、神奈川県横浜市で輸入車のネオクラシックカーを主に取り扱う買取店でしたが、コンディションの良いクルマを取り扱っていたことで人気を博し、2020年には東証に上場するまでに成長しました。基本的に、販売されている在庫車両の価格が高い印象がありますが、それは高く買取りしている裏付けでもあります。Webサイトにて、改造車における査定価格の事例が掲載されていますが、一般の査定価格よりも高値で査定されていることが確認できます。
スポーツカーの改造車の買取・査定専門GTENT
お客様がこだわりのチューニングを施したクルマは、世界に1台しかないクルマ。そういった理念のもとに、次のユーザーへバトンを渡す架け橋となっているGTENT。北は北海道、南は九州の福岡まで、全国に23店舗があり、無料で出張査定に応じてくれます。
当然、チューニングパーツに詳しく、車高調、マフラー、アルミホイール等々、改造部分を正当に評価してくれるだけでなく、パーツの買取も行っており、純正部品があれば同時に買取ってくれるのも魅力です。また、Webサイトでは、改造された中古車の販売リストも多数掲載されており、買取相場の参考にすることができますので、是非一度サイトに訪れて、該当リストをご覧になってみてください。
パーツまるごと買取団 UP GARAGE
中古カー用品専門店のアップガレージだからこそ可能な、改造車とパーツをまるごと買取。パーツが付いているほど査定価格がアップ。パーツの専門知識が豊富なスタッフがいるため、カスタムカー、チューニングカーの高値買取を実現しています。もちろん、取り外した純正パーツも査定してくれます。全国に店舗がありますので、是非一度、お近くの店舗で査定依頼してみてはいかがでしょうか。
チューニングカー買取り専門 ZORO
レース仕様の改造車やドリフト仕様車、また新車販売時の原型が無いような外装が施されたドレスアップ仕様車など、あらゆる改造車を買取してくれるZORO。チューニングカーを取り扱うプロのショップで働くスタッフが査定をしてくれるだけに、高値査定が期待できます。
スポーツ車はもちろん、アルファード、エルグランドといったミニバンのドレスアップカーの買取りも得意としており、そういった改造車の売却を検討されている方には特にお勧めです。
改造車買取のグランベリー
創立30年の歴史を誇るグランベリーは、改造車の買取を中心に不動車、事故車、多走行車なども買取りをしており、海外への輸出ルートを持っているという強みを持っています。そのため、基本的にどんなクルマでも高値で買取りをしてくれるというスタンスで、思いの外の高額査定に喜びの声が多く寄せられています。千葉県船橋市に店舗を構えながら、無料で日本全国どこでも出張査定してくれますので、一度、参考までにWebサイトを覗いてみてください。
買取専門!改造車を売るならCPS
チューニングカーだけでなく、ドレスアップカーも数多く買取しているCPS。ステアリングやバケットシートなど隅々まで改造パーツを査定してくれます。86や、絶版車となっても今なお絶大な人気を誇るFD(RX-7)など、スポーツカーに特に注力しており、買取を強化している改造車の売却を検討されている方は査定してもらう価値があるでしょう。
改造車を買取に出す前に知っておくべきポイント
ここでは、改造車を買取に出す前に知っておくべきポイントとして、クルマの改造が査定に与える影響や、どういった場合にプラス査定になりやすく、どういった場合にマイナス査定になりやすいのか、などについて解説してまいります。ただ、車種や改造の内容によって一概には言い切れない部分もありますが、少しでも参考になれば幸いです。
クルマの改造が査定価格に与える影響
改造の中身によって、査定がプラスに働くかマイナスに働くかが決定されます。その基準は、需要がある改造かどうかがポイントになります。乗り継いでくれる次の買い手にとって不要となる改造であれば、マイナス査定になる可能性が高く、そのまま使用してもらえるような需要のある改造であれば、プラス査定になりやすいです。
ただ、本人が良いと思って投資した改造が、他人から見たときには全く不要な改造というケースが多いのが実情です。そのため、改造したクルマを売却するときに過度の期待をすると、寂しい結果が待ち構えていることにもなりかねません。たとえ高く評価されなくても、真摯に受け止めることができるように、謙虚な姿勢と心の準備が必要です。
人気の高いパーツによる改造ならプラス査定になることも
有名ブランドの人気が高いパーツの場合であれば、正当に評価されてプラス査定になる可能性が高いです。スポーツ車の頂点とも言える日産スカイラインGTRのアルミホイールを例に挙げますと、動力性能を向上させるために軽量かつ鋳造タイプで、非常に高額の定番品BBSのマグネシウムホイールなどは間違いなくプラス査定されます。こういったパーツなどに詳しくない人が見たら評価できないようなパーツでも、改造車専門の買取店の査定士ならすぐに見抜いて正当に評価してくれることでしょう。
マニアックな改造はマイナス査定になりやすい
逆に、奇抜な塗装やエアブラシなどを施したデコレーションカーなど、趣味性の強いマニアックなドレスアップカーなどの場合、マイナス査定になる可能性が高くなります。そういった塗装を施したクルマでも、塗装を仕直すことで再販は可能ですが、全塗装するだけでも相当な費用がかかるため、間違いなくマイナス査定になります。ただ、いずれにしても、一般車がメインの買取店に出すよりも、ドレスアップカーなどの買取を専門にしている業者で査定してもらったほうが無難であることは間違いありません。
改造車を少しでも高く買取ってもらうための心構え
クルマを売るときの最大の目的は、少しでも高く買取ってもらうこと。これは、改造車だからといって特別なことはなく、心構えは基本的に一般車を売るときと同じです。ただ、改造する前の純正パーツを持ち合わせているかどうかという部分が大きく異なるため、そういった観点から、いくつかポイントを述べたいと思います。
複数の改造車買取店に査定依頼
改造車の一括査定のところで既に解説いたしましたが、クルマを売却するときの基本は、複数の買取店に査定依頼をして査定価格を比較することです。これは、一般車の場合も改造車の場合も同じです。もし有料であれば話は別ですが、無料で出張査定してもらえる場合には、できるだけ多くの買取店に査定を依頼して後悔しないように心掛けましょう。
純正パーツを準備
もし改造する前の純正パーツが残っていれば、買取に出すときに同時に査定してもらいましょう。特に絶版車となった人気のスポーツ車の純正部品は、高額で買取りしてもらえる可能性が非常に高いです。ステアリングやシートといった車内のパーツや、マフラーやホイールなど保管していたものがあれば全て買取の対象になります。クルマを査定に出す前に、純正パーツを隈なく準備するようにしましょう。
純正パーツに戻すべきか否か?
改造する前の純正パーツを持っている場合、純正パーツに戻して査定に出すべきか否かという判断に迫られますが、改造車専門の買取店で売却するのであれば、パーツそのものも評価してもらえますので、基本的には純正パーツに戻す必要はありません。
ただ、改造車といってもマフラーの交換やホイールの交換、バケットシートの交換といったライトチューンの場合で、改造車専門店ではなく一般車の買取店で査定をしてもらう場合は、純正パーツに戻しておいたほうがマイナス査定になる可能性が少なくなります。もちろん、純正パーツに戻すときの工賃が高くつくようでは本末転倒になり無駄骨に終わりますので、費用とのバランスを考える必要はあります。
パーツ専門の買取店を利用してみる
一般車の売却と改造車の売却で大きく異なる部分と言えば、取り外した状態で持ち合わせている純正パーツの数になりますが、こういったパーツはパーツ買取専門店で売却するほうが得策となる場合も考えられます。改造車専門の買取店とはいえ、パーツを買取・販売している買取店もあれば、車両だけを買取りしている買取店もあります。
これは、改造車専門の買取店が一般車の買取店よりも高値で買取ってもらえるのと同様、パーツについても、パーツ専門の買取店またはパーツ販売の機能を持ち合わせている改造車専門買取店のほうが、高値で買取ってもらえる可能性は高くなります。
改造車に関する豆知識
最後に、改造車に関する豆知識として、ドレスアップカーやチューニングカーのほか、違法改造車についても少し触れておきたいと思います。
そもそも改造車ってどんなクルマ?
これまでの内容は、全てチューニングカーやドレスアップカーに関する内容でしたが、改造車の中の一つでもある違法改造車、そして、車検証に記載される改造車の証でもある「改」の表記についても解説しておきます。
ドレスアップによるカスタムカー
内外装など外見面の改造を施したクルマのことを指します。ドレスアップカーのほか、ラグジュアリーカーやVIPカーと称されることもあります。主にエアロパーツの取付やオールペイントを施したクルマ、シートなど内装を豪華に張り替えたものがあります。
走行性能を改造したチューニングカー
走行性能を重視した、機能面による改造を施したクルマのことを指します。チューンドカーと称されることもあります。マフラーやサスペンションのほか、エアクリーナーやタワーバーの交換といったライトチューンと呼ばれる簡易なチューニングから、エンジンの載せ替えに至るまで多岐に渡ります。
違法改造車について
違法改造車とは、保安基準に適合していない改造車のことを指します。平たく言えば、車検に通らないクルマのことです。よって、車検を通っているクルマに違法改造を施して公道を走行すれば、当然のことながら罰せられます。
ただ、違法改造の種類も様々で、安易な気持ちで施した改造が実は違法だったということも起こり得るため、注意が必要です。
- スピードリミッターの解除
- テールランプ(赤以外の電球、赤色の反射板がない)
- ウインカー(発行色が橙色以外)
- フェンダーからタイヤが1cm以上はみ出している
- クラクションが基準の115dbの音量を超えている
- 運転席と助手席の透過率70%未満のスモークフィルムの取付
車検証「改」が記載されたクルマのデメリット
改造車のなかでも、構造変更を行い、かつ保安基準を満たした車両の場合は、車検証の型式の欄に「改」という文字が付されます。ちなみに、構造変更というのは、以下のように型式の違うエンジンを載せ替えたり、車両の高さや幅が変わったりするような改造をした場合に「構造等変更検査」を受けることを言います。
- 車体の変更(オープン仕様にするなどフレームやボディの改造)
- エンジンの型式の変更(エンジンの載せ替えや排気量の変更)
- トランスミッションの変更(オートマ車をマニュアル車に変更)
- 操縦装置の変更(右ハンドルから左ハンドルへ変更)
- ブレーキの変更(ドラムブレーキからディスクブレーキへの変更)
- サスペンション形式の変更(形式の異なるスプリングに変更)
- そのほか諸々
この「改」が付された改造車は、ガリバーやビッグモーターといった一般の買取店では査定価格が低くなる傾向があるのと、保険会社によっては任意保険に入れない場合もありますので、注意が必要です。
まとめ
改造したクルマは、改造車専門の買取店で売却するのがもちろんベスト。一括査定ができるサイトも存在しますので、まずはそれを利用すると同時に、個別の改造車専門店の査定価格と比較することで、最も高い査定価格を引き出すことが可能になるでしょう。
改造車と言えども、クルマを売却するときの心構えは、一般車を売るときと基本は同じ。ただ、純正パーツを多く抱えている分、そのパーツも同時に高値で買取ってもらえるように行動することが、悔いの残らない改造車売却のゴールと言えるでしょう。