ワンオーナー車とは、1人のオーナーが使用してきたクルマであり、初めて中古車市場で販売されたクルマです。
複数のオーナーの手に渡っていないことからユーザーから人気があり、中古車市場でも高めの価格で推移しています。しかし、中古車店に並ぶクルマを見ても、複数オーナー車とワンオーナー車では見分けがつかず、ワンオーナー車を選ぶメリットがわからない人も多いでしょう。
ここでは、ワンオーナー車を選ぶメリットに加え、どう選ぶとよいかその方法を解説します。
自動車鈑金工場で高卒から10年ほど修行し、その後独立して自分の自動車鈑金工場を設立。中古車の粗悪さが許せず、中古車買取と鈑金修理を一つにしようとオークションに出入り。普通のクルマだけでなく修復歴車を落札して修理し直して販売や事故車を修復する仕事を20年程度行う。現在は財経新聞などにも記事提供を行うクルマ専門ライターとして活動中。
ワンオーナー車を選ぶメリットと注意点
中古車店のほとんどは、ワンオーナーというワードを強調してメリットが高いクルマであるとアピールしています。またユーザーも、ワンオーナーのキーワードに弱い人も少なくなく、中古車選びの指標の一つになっています。
ワンオーナー車とは、初めて中古車市場に出てきたクルマのことで、新車からオーナーが一度も変わっていないクルマです。そのため、多くのオーナーの手に渡っていないことから、中古車市場や一般ユーザーからも人気が高い中古車です。
このように、ワンオーナー車は新車に次いで程度がよいと思っている人が多くいますが、現在の中古車市場でワンオーナーとそれ以外の多くのオーナーが乗り継いだクルマを比較しても、それほど大差がないのが実情です。
ワンオーナー車を選ぶメリット4つ
ワンオーナー車は、新車で初めて購入した人から一度も違うオーナーに変わっていないので、多くのオーナーが乗り継いできたクルマより素性がはっきりしています。
特に、どのような整備がされてきたか知ることが出来る整備記録簿の確認がしやすい特徴があり、クルマの履歴がわかりやすいでしょう。
ワンオーナー車には、この他にも数多くのメリットがありますが、ツーオーナー以上のクルマよりメリットと感じられる理由に以下の4つがあります。
- ①整備記録簿が揃っている
- ②クルマの履歴が明確である
- ③メンテナンスが行き届いている
- ④年式が新しいクルマが多い
①整備記録簿が揃っている
ワンオーナー車は、新車で購入してディーラーの営業マンから手厚いメンテナンスを受けていることがほとんどなので、整備記録簿が揃っていることがほとんどです。
整備記録簿とは、クルマの整備した記録を記したメンテナンスノートで、人間でいえば病院のカルテと同じ役目をします。
この整備記録簿が重要な理由は、クルマがどのような整備をされてきたか見ることができ、しかもクルマの走行距離と照らし合わせて、走行距離に見合った定期交換部品が交換されているか確認できるからです。
また、整備記録簿が揃っているということは、年式と走行距離が規定内なら新車保証が有効です。
ただし、ワンオーナー車であれば、整備記録簿、保証書、そして車検証の名義が全て同一人物であることが普通なので、もしこの統一性がなければ販売店に理由を聞いてみることが重要です。
②クルマの履歴が明確である
ワンオーナーであれば、一人のオーナーしかクルマを使用していないので、整備記録簿の全てが同じ人物の名前になっています。そのため、新車から最後の整備記録を見れば、クルマがどのような使用をされていたかおおよその見当がつきます。
例えば、ブレーキパッドに注目するとクルマの使用方法がある程度明らかになります。ブレーキパッドはメーカーにより様々ですが、概ね厚さが10mmです。そして減り具合の平均は1万kmで1mm程度と言われているので、この平均と照らし合わせるとクルマの使用状況の想像がつきます。
整備記録簿には、ブレーキパッドの残量と点検を受けた時期の走行距離が記載されているので、整備記録簿の履歴を見れば、距離に対するブレーキパッドの減り方がわかります。
仮に、1万km走行で2mm減るような運転をしていたなら、ブレーキを多用する運転方法だったと推測できます。この運転で多いのが、スピードの出し過ぎと常にブレーキペダルに足を乗せた運転です。
どちらの場合も、一般的な乗り方ではない事がわかります。しかし、1万kmに対して1mmに近い減り方であれば、そのクルマの運転は非常に平均的でありスマートであったと予想できます。
このように、整備記録簿が残っていれば、過去の整備記録を比較しながらクルマの使用状況や、故障の履歴も把握することが可能なので、ワンオーナー車は履歴を知るうえで非常に有利なクルマであるといえるでしょう。
③メンテナンスが行き届いている
ワンオーナー車は、新車で購入出来る財力がある人が所有したクルマなので、メンテナンスをケチッていることは稀です。
ほとんどのワンオーナー車は、新車で購入した後、メーカーで用意された1,000km点検や1ヵ月点検を受けることがほとんどで、その後もディーラー営業マンからの手厚いメンテナンスを実施しているでしょう。
新車納車後は、意外にも多くの点検項目があります。ほとんどは目視による点検ですが、各部に問題がないか整備士はくまなくチェックします。このように、細かく点検することで些細な不具合を早期に発見することが可能であり、大きな故障に繋がることはありません。
そのためワンオーナー車は、しっかりメンテナンスされていることから比較的コンディションの良いクルマがほとんどです。
スポーツカーや限定モデルはメンテナンスが行き届いている
ワンオーナー車の中でも、特にメンテナンスが行き届いているのがスポーツカーや限定モデルです。
スポーツカーなどのクルマは、クルマ好きが購入することが多く、メンテナンスには神経を使っています。また特別仕様車も同様に、人とは違うクルマに乗りたいといったクルマ好きに人気があるので程度がよいワンオーナー車が多いでしょう。
このほか、最近流行りのSUV車もクルマ好きに人気があるので、スポーツカーなどのマニアックなクルマ同様にメンテンナンスが行き届いています。
もちろん、これらのクルマ以外のメンテンスもワンオーナー車であればメンテナンスが行き届いていますが、マニアックなクルマほどその傾向が強いと言ってよいでしょう。
④年式が新しいクルマが多い
ワンオーナー車の魅力は、なんといっても年式が比較的新しいことです。というのも、クルマを購入して、次に買い替えを検討するまでの平均が8.72年ですが、実際にはもっと早く買い替えるオーナーも多いからです。
実際には、2回目の車検を迎える5年目に買い替えを検討する人が多くいます。というのも、5年は新車特別保証が切れる時期なので、もし保証が切れて故障が発生すると実費負担になることからそれを嫌い乗り替えする人がいます。
いずれにしても平均が8.72年なので、ワンオーナー車で10年を超えるようなクルマは極まれでしょう。そのため、現行モデルの中古車を選べるのもワンオーナー車の魅力です。
ワンオーナー車を購入するために今の愛車を売却するなら一括査定が便利です。クルマの査定は、多くの業者に依頼したほうが条件の良い買取額を引き出せますから今すぐチェックしましょう。
ワンオーナー車を選ぶ注意点も忘れずに!
ワンオーナー車は、年式も比較的新しくメンテナンスが行き届いたクルマが多いのが事実です。しかし、クルマは高額な買い物なので、ワンオーナー車でもよく確認しなければ後悔するのは他の中古車同様同じです。
また、中古車業者の中には、ワンオーナー車なので安心といった触れ込みで購入を奨めてくることもありますが、ワンオーナー車だから故障などの問題が発生しない理由にはなりません。
そこで、ワンオーナー車を選ぶには、以下の4つの注意ポイントがありますから、ワンオーナー車だからと飛びつき買いするのではなく、じっくりとワンオーナー車をチェックするようにしましょう。
- ① 女性オーナーの場合日常点検されていない
- ② 中古車価格が割高
- ③ 大事に扱われていないこともある
- ④ 本当にワンオーナーかユーザーは知るすべがない
①女性オーナーの場合日常点検されていない
ワンオーナー車を所有していた人が、どんな人であったか知る事は出来ません。しかし、それが男性か女性かを知る事は可能です。
ここで問題になるのが、女性オーナーのワンオーナー車です。女性オーナーの場合、クルマのボンネットを開けて日常点検する人はほとんど見かけません。そして、クルマのメンテナンスは、購入したディーラーか行きつけのガソリンスタンドになるのがほとんどです。
そのため、クルマのメンテナンスは、車検時に行うだけであとは何もしていないことも少なくありません。これでは、ワンオーナー車といっても、クルマのコンディションが良いとはお世辞にも言えません。
もちろん、女性でもクルマ好きの方がおり、ボンネットを開けて点検されている人もいます。しかしその割合はかなり少ないといえるので、ワンオーナー車が女性の場合は、よほど気に入ったクルマでなければ見送る方が良いでしょう。
②中古車価格が割高
ワンオーナー車は、中古車市場で品質が良いクルマとして認知度が高いため、販売価格が割高になっていることがほとんどです。
ワンオーナー車は、一般ユーザーにも購入後の安心感が高いイメージがあることから、人気車種として流通します。そのため人気があるという事は、中古車の中でも需要が高い車種に位置づけられるので、どうしても販売価格が高めです。
もちろん、ワンオーナー車が比較的年式が新しい個体が多いので、中古車全体で見れば高めの販売価格です。しかし、同じ年式でワンオーナー車とツーオーナー車では、販売価格は異なるのが現状です。
どうしても、ワンオーナーというプレミア感が中古車市場では高くなっているので、同じ年式とクルマの状態が同じであれば、ワンオーナ車のほうが販売価格が高めであることを覚えておきましょう。
③大事に扱われていないこともある
新車で購入したクルマなら、誰でも大事に扱うと思うでしょう。しかし、世の中にはクルマに対する価値観が異なることから、新車で購入したクルマでもゲタのような扱いをする人がいます。
初めて新車を購入した人であれば、どんなクルマでも大切にしたいと思うでしょう。しかし、メインで使うクルマがあり、セカンドカーやサードカーとして購入する人の中には、乗りっ放しという状態も少なくありません。
これはクルマに対する価値観が大きく異なることが原因で、クルマをただの足として使用している場合などでは、大事に扱われない傾向が強くなります。
そこで、ワンオーナー車だからと飛びつき買いするのではなく、クルマをくまなくチェックして、不具合がないか確認しなければ後悔するでしょう。
ただし、足として使用されるクルマの代表としてレンタカーやリース車両などは、ワンオーナー車として販売されないので安心してください。
ファミリーカーはワンオーナーでも要注意
ワンオーナー車の中で、大事に扱われていない代表車種はファミリーカーです。特に最近では、小さなお子さんが乗車するミニバンがかなり要注意です。
ファミリーカーの中でも大人だけで使用されているのであれば問題ありませんが、まだ小さいお子さんがいる家庭で使用されていたワンオーナー車は、車内の傷みが激しいことが多いでしょう。
どうしても小さいお子さんがいると、車内は汚れますしキズも付きやすいといえます。もちろん車内清掃は専門業者が施工しますが、どうしても取れない汚れがあります。
また、チャイルドシートを新車購入から何年も取り外すことなく、同じ場所に設置してあったクルマは、後部座席にチャイルドシートの設置跡が残る場合があります。
細かい部分を気にすると、中古車選びは難しいですが、ワンオーナー車として綺麗に使用されたクルマを探すなら、ファミリーカーとして使用された疑いがあるクルマは避けたほうが良いでしょう。
④本当にワンオーナーかユーザーは知るすべがない
ワンオーナー車は、中古車店に行けばクルマのプライスボードに記載されているので、それを疑いもなく信じることが普通でしょう。
しかし、そのクルマが本当にワンオーナ―車なのかクルマを見るだけで一般ユーザー知るすべはありません。
そこで、気に入ったワンオーナー車の場合、その真意を知るには中古車店の営業マンに聞くしかありませんが、そのエビデンスを提示してもらえるかは微妙といえるでしょう。
というのも、個人情報保護法の観点から、買い取ったクルマは、前のオーナーの住所氏名がわからないように業者名義に変更されます。また、整備記録簿に記載の住所氏名欄も切り取って破棄されるケースがほとんどです。
そのため、一般ユーザーが本当にワンオーナー車なのか納得がいく説明を受けるには、信頼ある中古車店で話をするしかないでしょう。
ワンオーナー車はどこで見つければ良い?
ワンオーナー車は、近くの中古車店で見つからないかもしれません。また、少し足を延ばして隣町に出向いても、お目当てのクルマのワンオーナー車が展示してある保証がありません。
このように、自分好みのワンオーナー車を見つけるには、自分の足で見つける努力をする方法と、誰かにお願いして探してもらう方法、そしてネットを活用して探す方法の3つの方法があります。
中古車販売サイトでワンオーナ―車を検索する
自分で探す一番簡単な方法は、中古車販売サイトでワンオーナー車と検索することです。
ワンオーナー車は、どこの中古車サイトでもキーワード検索で簡単に探し出すことが可能です。しかも、ワンオーナー車の中から車種を選ぼうと考えている車種が決まっていない人でも簡単検索できます。
ワンオーナー車だけで検索すると、非常に多くの車種が検索されるので、できればどんなタイプのクルマが欲しいのか、そして予算がどの程度なのかをあらかじめ決めておけば、ワンオーナー車をスムーズに検索して購入できるでしょう。
中古車販売サイトでワンオーナ―車を検索したら、今乗っているクルマも一括査定サイトで査定依頼してみましょう。クルマの査定は多くの店舗に依頼すると高額査定を引き出しやすくなるので今すぐチェックしましょう。
自動車販売業者にワンオーナー車を探してほしいと依頼する
自分でワンオーナー車を探す自信がない人も多いでしょう。そんな場合は自動車販売店などでワンオーナー車を探してほしいと依頼してみましょう。
ワンオーナー車は、どんな車種でも人気があるクルマなので、買取から販売されるまでが短い場合がほとんどです。そのため、店舗で自分好みのワンオーナー車が見つからないことが多いといえます。
そこで、中古車店に伺い、店舗内のクルマに好きな車種が無ければ、そこの営業マンにワンオーナー車を探してほしいと伝えてみましょう。
クルマは、高額な買い物なのでスーパーで日用品を購入するのとはわけが違います。中古車店の営業マンと親密になることで、安心・安全なワンオーナー車を探してもらえるでしょう。
自動車販売は中古車店だけでなく整備工場などでも探せる
ワンオーナー車は、自動車販売店だけが探せるクルマではありません。クルマを販売しているようには見えない一般整備工場でも探せます。
というのも、車業界は横のつながりもあるので、整備工場でも中古車店やカーディーラーと取引がある店舗がほとんどです。そのため、整備工場だからクルマ販売などしてもらえないと決めつけるのではなく、整備工場の店主に聞いてみることです。
特に普段から付き合いがある整備工場なら、快く請け負ってくれることでしょう。また、整備工場なので、機関などの修理のプロですから、探すワンオーナー車の中でも程度よいクルマを見つけてくることでしょう。
自動車鈑金修理業者に知り合いがいれば隠れた修復も見抜ける
ワンオーナー車だから事故歴がないとは言い切れません。また中古車販売上、修復歴車にあたらない事故を起こしたクルマもワンオーナ車の中にはあります。
そういった事故歴のあるクルマを見抜くには、かなりの眼力が必要で、一般ユーザーでは知識が有っても本当に修理してあるか見抜くことは難しいといえます。
そこで、自動車板金塗装業者に知り合いがいれば、真っ先にワンオーナ車を探したいと相談することです。
仮に、近くの中古車店にお気に入りのワンオーナー車が展示してあり、そのクルマに修理歴があるか知るには、鈑金屋さんにお願いすればそのお店のクルマを下見してくれるでしょう。
また、知り合いの自動車鈑金業者がない場合でも問題ありません。自動車鈑金業者は、事故車の修復の仕事をしていますが、店舗の出向いて大きな事故歴がないワンオーナー車を探したいと伝えれば、一般的に快く探してくれるはずです。
自動車鈑金修理工場は、入りにくいイメージがありますが、最近はモダンな店舗も増えており、自動車鈑金修理だけでなく自動車関連のサービスを幅広く行っている店舗もあるので、そういった店舗を探して相談するとよいでしょう。
安心・安全な中古車を選ぶには
中古車選びは新車購入と異なり、クルマの状態を自分が納得できるまでチェックしなければ、購入後に思わぬトラブルに見舞われ、後悔することになるでしょう。
クルマの外観やエンジンの状態、そして装備品が正常に作動するのかなど、チェックする項目はかなり多くあります。
整備記録簿を必ず確認する
中古車を選ぶ場合、クルマ本体のチェックに目が行きがちですが、どのようなメンテナンスされてきたか知ることも重要です。
ワンオーナー車以外でも、点検が定期的に行われていれば整備記録簿に状況が記載されています。それを見ることで、どのような部品が交換され今後どの部品を交換しなければならないか知ることが可能です。
大事にされてきたクルマこそ、定期点検記録簿が新車から途切れることなく残っているはずです。
例えばトヨタでは、新車から1ヵ月目と6か月目で無料点検をします。その後は12か月と24か月点検が繰り返されます。そこで新車から5年経過したクルマの場合、点検記録簿は5回の定期点検と2回の無料点検で合わせて7回分の整備記録簿が残っているはずです。
クルマに詳しい人と一緒に中古車を確認する
中古車を購入したいけど、クルマを選ぶ自信がない人も多いでしょう。そんな場合は、身近にいるクルマに詳しい人と一緒に中古車店でクルマ選びをするのが理想です。
例えば、好きなクルマを近くの中古車店で見つけた場合、そのクルマの下見は自分でしてもよいでしょう。ただし、その場の営業マンの勢いで契約しないことが基本です。そして後日、もう一度クルマを見に来ることを伝えて帰りましょう。
身近な人とスケジュールを合わせ、お気に入りの中古車店に向かいます。そこで、クルマに詳しい人にクルマの状態をくまなくチェックしてもらいましょう。
もしそこで、クルマに何らかの問題を見つけた場合、その状況を許容できる範囲か十分吟味します。その方法は、今後購入した後にその問題で発生しうるトラブルに対する費用を計算します。
もし、自分が許容できる範囲内の予想トラブルであれば購入しても良いでしょう。しかし、購入後に発生しそうなトラブルが許容範囲を超えているなら諦めましょう。
クルマの状態は自分の目で確認する
中古車を探す場合、誰かと一緒にクルマのチェックをしても、最終的に決めるのは購入者本人です。そのため、クルマの状態は自分の目で必ず確認するようにしましょう。
特に中古車店では、クルマを販売するために、そのクルマの良い所をアピールしてきます。そのアピールには、ネガティブな部分も問題ないようなアピールとして話してくるので、中古車店のセールストークに騙されないように自分の目で確認しましょう。
セールストークにはなんの根拠もない
中古車店で、お目当てのクルマについて話をするときに、営業マンがクルマのセールスポイントをアピールしてきます。
そのクルマを今購入しなければ、まるで大きな損であるような言い回しでまくしたててくる営業マンもいます。しかし、そのセールストークは販売するためのトーク術であり、顧客の為を思ってのトークではありません。
例えば、車体の下側に何かにぶつけたようなキズが付いていたとします。そのキズの位置がフロントタイヤに近いことから、操縦性能に影響が出ないか質問しても、売りたい一心の営業マンは、キズのことをほとんど無視して問題ないという言い回しで納得させようとします。
また、エンジンを始動したときに何か異音が聞こえても、年式相応であるとか、走行距離に対してこの程度の音であれば問題ないといった言い回しをするでしょう。
そこで重要なことは、営業マンのセールストークに惑わされることなく、自分の目でしっかりとクルマを見定めることです。それができれば後悔しない中古車購入ができるでしょう。
まとめ
ワンオナー車は、履歴がはっきりしていることが多いので、安心して購入できます。このクルマの履歴は、整備記録簿で確認でき、どのような整備をされてきたか知ることで、今後予想されるクルマの整備計画が立てやすくなります。
またワンオーナー車の中でもスポーツカーやSUV、そして特別仕様車なら大事に扱われていることがほとんどであり、程度も他のワンオーナー車より良いことがほとんどです。
しかし実際は、ワンオーナーでも複数オーナーのクルマでもそれほど差があることは少ないのが現状です。昔はクルマのセールスポイントとして、出所をハッキリしたワンオーナー車がもてはやされました。
この名残が現在も続いており、ワンオーナー車は人気があります。しかし、程度が優れているかといえばそうとも限らず、放置されてきたワンオーナー車もあります。ワンオーナー車で最大のメリットは、一人が所有していたことに対する安心感であるということです。