クルマのキズや凹みを、査定前に修理しようと考える人は少なくありません。
しかし、査定で減額される価格は、キズや凹みを鈑金修理する金額に比べると、かなり少ないことを知らない人は意外に多くいます。
例えば、A4サイズ程度のキズがあると10万円近い修理費用がかかりますが、中古車査定では5万円程度の減額でしかありません。
このように、実際に修理してから査定するより、修理せずに査定したほうが持ち出す金額は断然少ないと言えます。
そこで、この記事では傷や凹みが査定にどれくらいの影響を与えるのか、そして査定する前に修理すべきかどうかについても詳しくお伝えします。

自動車鈑金工場で高卒から10年ほど修行し、その後独立して自分の自動車鈑金工場を設立。中古車の粗悪さが許せず、中古車買取と鈑金修理を一つにしようとオークションに出入り。普通のクルマだけでなく修復歴車を落札して修理し直して販売や事故車を修復する仕事を20年程度行う。現在は財経新聞などにも記事提供を行うクルマ専門ライターとして活動中。
もくじ
キズや凹みの大きさで変わる基本の査定基準6つ
公道を走行する以上キズや凹みが発生するのは仕方のないこと。そのため、全くキズや凹みがなくきれいな状態のクルマは、一度も走らせずに屋内保管したクルマでなければあり得えません。
クルマはキズや凹みが必ずあることが前提なので、それらの度合いについて日本自動車査定協会では細かく査定基準を設けています(日本自動車査定協会は、経済産業省と国土交通省の指導のもと設立され「中古車査定制度」を運営しています)。
この中古車査定制度により、自動車ユーザーは疑問や不安を抱くことなく、安心してクルマの売買をできる仕組みになっているというわけです。
そして、キズや凹みを査定するときに、同じドアに複数のキズがあった場合は、キズや凹みの数だけ減額します。
では、具体的にどのようなキズや凹みがどれぐらいの減額対象になるのか見ていきましょう。
①1cm以上カードサイズ未満の減額は1万円程度
キズや凹みは、大きさにより評価が異なり、減額される金額も変わってきます。
キズや凹みの程度で、車種や部位に関係なく1cm以下であれば基本的に減額対象ではありません。
そのため、一般に駐車場で付いてしまったエクボ状の傷や、ドアの角にある塗装の小さな欠けは減額対象とならないことがほとんどです。ただし、磨き作業が必要なほど水アカが付着している場合や、爪で引っかからない程度の薄いすり傷やタールの付着があると5,000円減額されます。
そして、減額の対象となり始めるキズや凹みの大きさは1cm以上カードサイズ未満からで、どの部位であっても1か所につき1万円の減額対象です。
カードサイズ未満は、かなり小さいサイズのように感じますが、実際のクルマにカードサイズ程度のキズや凹みがあれば目立つはずですから、クルマのオーナーであれば必ず認識しているキズであることがほとんどです。
そこで、目立つキズがあった場合、手持ちのポイントカードなどをキズにあてがい、確認してみると良いでしょう。意外に大きなキズに見えてもカードサイズに収まるキズが少なくありません。ただし、カードサイズのキズが3カ所あれば3万円、4カ所あれば4万円とキズの数だけ加算されるので注意が必要です。
②カードサイズ以上A4サイズ未満の減額は1万円から3万円程度
クルマのキズや凹みで、小ダメージの分類に入るのがカードサイズ以上A4サイズ未満の大きさのキズや凹みです。
A4サイズのコピー用紙程度の大きなキズが付いていれば、かなり減額されるのではと心配になる人も多くなりますが、実際に減額される金額は、塗装だけで済む場合は1万円程度で済みます。
しかも、鈑金修理が必要な凹みがあるキズでも、3万円程度の減額で済むことから、意外と減額は小さいと言えるでしょう。
また、複数同一パネル上にカードサイズ以上A4サイズ未満のキズが認められた場合、加算されるのは、減額が一番大きい鈑金減額(大)を上限にすると決められています。
例えば、カードサイズ以上A4サイズ未満のキズで、4枚ドアのフロントドアを例に説明すると、塗装のみで修理が可能なキズの減額は1か所2万円です。そして、その場合の鈑金減額(大)は8万円なので、カードサイズのキズが4カ所以上あっても、8万円以上減額されません。
③A4サイズ以上の減額は1万5,000円から8万円程度
A4サイズ以上のキズや凹みは、かなり大きな損傷なので、実際に鈑金修理に出しても、10万円以上の修理金額になる場合が多くなります。そのため、かなり大きな減額になると心配される人も多くいると思いますが、実際は1か所最大8万円程度までしか減額されません。
現に、ここまで大きなキズが1か所以上あることは稀なことでしょう。そして、多くのキズや凹みは鈑金修理が必要と判断されても5万円程度の減額となることがほとんどです。
ただし、バンパーやスポイラーにA4サイズ以上のキズや凹みがあっても3万円の減額で済むことが多く、バンパーにかなり大きなキズや凹みがあっても、実際に交換修理するより間違いなく安い減額です。
④交換修理が必要なら20万円近い減額も
キズや凹みでかなり大きな減額となるのが、交換修理が必要と判断される大きな損傷です。
交換修理でも、ボルトやナットで簡単に取り外し交換できるフロントフェンダーやドアといった部分は、6万5,000円程度から8万円程度の減額で済みます。しかし、溶接で接合されているリアフェンダーやルーフといった部分が交換必要と判断されると、一気に15万円程度以上の減額を覚悟しなければなりません。
ただし、溶接で接合されている部位を交換するほど損傷しているクルマは、見るからにかなりのダメージなので、数十万円の減額になるのではと心配する人もいますが、実際は20万円以下の減額で済むことがほとんどです。
また、フロント部分の損傷でボンネットまで歪んだ事故を起こしたクルマは、フレームまで損傷していることが考えられ、いわゆる修復歴車(事故車)としてカウントされることがあります。
ただし、大きな損傷で骨格まで修復しなければならないクルマは、減額以前に中古車査定してもらえないことがほとんどでしょう。
交換修理で最も減額されるのはルーフにできたキズ
交換修理が必要で、普段の使用に問題ない程度の損傷のキズや凹みに雹害(ひょうがい)があります。雹害は、クルマのルーフやボンネット、トランクといった空に対して平行の部位に大きなダメージがあります。
雹害の悪い所は、全体にまんべんなく小さな凹みができることです。この凹みを修理するには、交換作業が基本となっているので、減額はかなり大きくなります。
例えば、ミニバンなどのルーフが大きいクルマの場合、雹害を受けてしまうと18万円程度の減額を覚悟しなければなりません。
また、セダンだとボンネットやトランクも加わるので、30万円以上の減額になることが多いでしょう。
⑤塗装の退色は1か所1万円から3万円程度の減額
最近のクルマの塗装は性能が良くなり、昔ほど退色したクルマを見かけなくなりました。しかし、紫外線は塗装被膜にとって有害であることに変わりがなく、普段のメンテナンスが悪ければ、塗装表面が剥がれてしまったり色落ちしたりと、塗装のトラブルが発生することは避けられません。
この塗装のトラブルで多いのが退色ですが、最近はクリア塗装しているクルマが多く、このクリア塗装が剥がれてしまっている場合を多く見受けられます。
このような塗装表面にトラブルがある場合、1か所1万円程度の減額が最小ですが、ほとんどの場合、複数のパネルで退色が起きています。
パネル1枚塗装が必要と判断されると3万円(ルーフのみ4万円)の減額なので、塗装を必要とするパネルの枚数分が減額されます。
例えば、ボンネット、ルーフ、トランクの3カ所に退色が認められると、10万円の減額になるでしょう。
⑥錆の発生は1万円から3万円の減額/腐食が激しいと5万円を超えることも
サビの発生は、長く乗り続けていると発生する確率が高まりますが、特に雪の多い地域で融雪剤を多く散布する場所を多く走行している車両は、サビによる腐食は避けられないといっても良いでしょう。
サビは見た目小さく感じても、実際にサビがある部分を剥離すると、かなり奥深くまで侵食していることが普通です。
そのため、査定における減額もかなり厳しくなっており、1cm未満の泡状のサビが2ヵ所から3カ所発生していると、5万円程度の減額です。また、それ以上大きい場合や、サビの発生個所が多いと交換作業の減額です。
交換作業の減額は、フロントフェンダーで6万5,000円、ドアでは8万円から8万5,000円程度の減額を覚悟しなければなりません。
同じ大きさの傷や凹みでも車両クラスや部位により減額幅は異なる
クルマといっても大型ミニバンから軽自動車までありますから、クルマをクラス分けし、標準クラスに各クラスの係数をかけ合わせることで減額を決めています。。
そのクラス分けは、「乗用車・ボンネットワゴン(ステーションワゴン)」「キャブワゴン・セミキャブワゴン(ワンボックス、ミニバン)」「SUV」「ボンネットバン(商用バン)」に分けられ、それぞれクルマの大きさでさらに細かく車両分けされます。また、国産車と輸入車とでは車両クラスが異なり、標準となるクラスや掛け合わせる係数も輸入車のほうが高く設定されています。
さらに、キズや凹みがある部位によっても減額基準が異なります。というのも、部位ごとに修理する方法と難易度が変わるためです。
その部位を以下の表にまとめました。
減額の区分 | 交換塗装最大減額 | |
---|---|---|
外板 | ボンネット | 70,000円 |
フロントフェンダー | 65,000円 | |
フロントドア(2枚ドア) | 85,000円 | |
リアドア | 75,000円 | |
リアフェンダー(2枚ドア) | 150,000円 | |
トランクフード | 65,000円 | |
バックドア | 95,000円 | |
ルーフ(ミニバン/SUV) | 180,000円 | |
ボディサイドシル | 80,000円 | |
バンパー、スポイラー | フロントバンパー/スポイラー | 50,000円 |
リアバンパー/スポイラー | 50,000円 | |
サイドスポイラー | 30,000円 |
参考:一般財団法人 日本自動車査定協会「中古自動車査定基準及び細則〔Ⅰ〕」
国産車の標準クラスはプリウスやセレナ、CR-Vなど
市場に多くある国産車のクラス分けを見ると、「軽、Ⅳ、Ⅲ、Ⅱ、Ⅰ、特A、特B、特C」の8クラスに分けられ、クラスⅢが標準クラスに定められています。
クラスⅢの主な車種は以下の通り。
- 【トヨタ】
- プリウス、カムリ、86、ノア/ヴォクシィー、RAV4、C-HR
- 【日産】
- シルフィ、ブルーバード、シルビア、セレナ、エクストレイル
- 【ホンダ】
- アコード、ジェイド、インサイト、ステップワゴン、CR-V
- 【マツダ】
- ロードスター、CX-5
- 【スバル】
- インプレッサ、WRX、フォレスター
このように、クラスⅢに分けられているクルマは、一般的に多く普及している中型車がほとんどであり、多くの車種はこのクラスⅢに当てはまるといって良いでしょう。
これらの車種が標準となり、これより大きければ同じ程度のキズや凹みでも査定減額が大きく、逆に小さいクルマなら減額は小さくなります。
査定前にキズや凹みは修理した方がいいのか?
クルマを査定に出す前にキズや凹みがあった場合、修理したほうが良いか迷う人も多いでしょう。
一般的に、査定前にキズや凹みを修理してから査定に出すことは避けたほうが良いと言われています。その理由は、査定で減額される金額より修理する金額のほうが高額になるからです。
しかし、キズや凹みの中には査定前に修理したほうが査定で有利なこともあります。それは、大きな事故を起こしたクルマで、修理して査定に出したほうがトータルで手元に残るお金が多い場合や、自分で簡単にキズを消せる場合などです。
基本的にキズや凹みはそのままで査定に出したほうがお得
クルマの査定前には、基本的にキズや凹みに手を加えないほうが損しません。
最近は、カー用品店などで簡単に補修できる用品も売られていますが、その使い方はかなり難しく、初めての人がキレイに修理できることはほとんどありません。
また、キズや凹みの修理金額は、鈑金修理に出すと数万円から数十万円かかることが普通なので、査定で減額される金額を考えると、修理に大きな出費をすることに意味がないからです。

クルマにキズや凹みがあっても、そのまま査定に出したほうがお得ですから、ぜひ一度買取業者で買取査定をとってみましょう。
キズや凹みを市販の修復グッズで隠しても見破られる
最近の市販品の傷直しグッズは、かなり優秀になってきました。しかし、材料が良くても使い方を熟知していなければ、思い通りの仕上がりになることはありません。
キズや凹みの修理の基本は、下地となるキズを平らになるように修理してからボディと同色で塗装しますが、ここで多くの人がつまずくのが塗装工程です。
ボディ色と同じ塗料を手に入れても、塗装の仕方で仕上がりが大きく変わります。特に塗料は液体なので、塗装しているときに塗料が垂れるのではとビクビクしながら塗装すると、艶がない仕上がりになります。逆に思いきって塗料を乗せすぎると垂れてしまいます。
塗装は、ツヤやタレだけでなく、周りの塗装の状態と同じでなければなりません。これはプロが使う塗装用具でなければかなり難しい作業と言えます。
そのため、一般に売っている補修グッズを使いキレイに修理できたと本人や周りの人が感じても、プロが見れば仕上がりの違いを簡単に見破ることができ、逆に査定価格は修理する前の状態より下がってしまうことも。
修理跡の減額も査定基準で決められており、1万円から25万円程度の減額がされてしまう恐れがありますから、自分で修理することは避けたほうが良いでしょう。
キズや凹みの減額より鈑金修理金額のほうが高い
キズや凹みは程度にもよりますが、カードサイズ程度の凹みでも5万円以上かかることがあります。もし、A4サイズになれば10万円を超えることも珍しくありません。
例えば、カードサイズ以上A4サイズ未満の修理を依頼すれば、7万円から10万円の修理費用がかかることでしょう。しかし、査定基準に照らし合わせると、3万円の減額でしかありません。
これは、キズや凹みの大きさで査定の減額が有利になるのではなく、どのようなキズや凹みでも鈑金修理で支払う金額より査定による減額のほうが有利になっています。
この仕組みは、業者が修理すると一般ユーザーが修理するより安くできることが大きな理由です。これは査定の減額が少なくても、修理費用が安くできることと、修理後に販売する費用で取り戻せるからです。
キズや凹みを修理したほうが良い場合は2つ
キズや凹みを修理したほうが良いこともあります。それは、浅いスリキズが目立つ場合です。
このほか、大きな損傷で自走できない場合はもちろん、走行できても安全上問題があるような損傷の場合は買い取りを拒否されるので、修理してからの買取査定が良いでしょう。
①そのままでは公道を走行できないほど破損しているとき
大きく破損している場合は自走できないので、中古車買取に査定依頼しても査定できないことがあります。
査定できない理由は、中古車として流通させられないので、クルマとしての価値が見いだせないからです。それはどんなに新しいクルマでも同じことが言え、極端な話、新車で購入して翌日に大破させてしまった場合も中古車買取は利用できません。
そこで、新しいクルマほど大きく破損していれば修理して中古車買取を利用したほうが良いでしょう。
例えば、大破した事故車は、廃車買取や事故車買取を利用できますが、修理できるレベルの事故であれば、修理して中古車買取に査定依頼したほうが高値になることが少なくありません。
ただし、鈑金修理費用と、修理後の買取査定額の概算を比べてみることを忘れないようにしましょう。もし、差額で修理したほうがマイナスとなるようであれば、事故車買取や廃車買取を選ぶのも一つの方法です。
大きく破損したクルマを買取査定するなら、廃車買取や事故車買取のほうが向いています。一般の中古車買取業車だけでなく、廃車買取業車の査定もとりながら、最も高値で買い取ってくれる業者を見つけましょう。
②小さなコキズで簡単にセルフ修理できる場合
クルマに乗っていれば、コキズが付くのは避けられません。特に洗車機に入れていると、洗車機キズと呼ばれる細かいキズが多くついていることがあります。
これらのキズは薄く、爪で触っても引っかかりがない程度ですが、これらのキズはクルマの見た目を損なうことから、キレイにすることで査定アップにつながることがあります。
また、濃色車で色褪せが激しいクルマの場合、コンパウンドで磨くことで艶を蘇らせられます。特に赤系のボディ色は、紫外線による退色が激しいので、コンパウンドで磨けば新車のような艶を取り戻せるでしょう。
キズは基本的に何もしないで査定したほうが望ましいと言えますが、薄いキズや色褪せなどは、セルフ補修することでマイナス査定を避けられるので、挑戦してみると良いでしょう。
キズや凹みのあるクルマで高額査定にするコツ2つ
キズや凹みがあるクルマは、マイナス査定は避けられませんが、ちょっとした努力で査定をアップさせることが可能です。
高額査定を引きだすコツとしては、①多くの買取店で査定することと、②自分のクルマのアピールポイントを査定士に熱く語ることです。
①多くの買取店で査定する
査定基準は、日本査定協会が決めた基準で多くの買取店は査定しているので、全国どこでも査定額は同じと考える人も多いでしょう。
しかし実際は、査定基準を使うのが人間である以上、査定額が買取店ごとで異なることがほとんどです。
そのため、多くの買取店で査定すれば、査定額の比較をして自分が納得する金額でキズや凹みのあるクルマを売却できるでしょう。
計算するのが人間である以上は加減額にばらつきが出る
クルマの査定は人間が行いますが、キズや凹みがあると、その基準から減点される点数を計算し、そこから減額分を導かなければなりません。
キズや凹みが1か所で、見た目も基準に照らし合わせやすい状態なら、どこで査定しても同じ減額になるでしょう。しかし実際は、そんな簡単に査定できる状態のクルマはありません。多くのクルマは、数多くの査定基準と比べながら計算しなければ正確に査定額を導き出せないでしょう。
そこで、どうしても査定士や中古車買取店によって査定額の計算は異なってきます。この計算で査定の減額が少ない業者に巡り合えれば、高い査定額を手にできるでしょう。
キズや凹みは査定価格に大きくばらつきが出ます。自分が納得できる査定額を手に入れるには、多くの業者に依頼するのがポイントです。以下の一括査定を使えば、簡単に複数の業者から査定をとれます。できるだけ多くの買取店の査定額を見比べ、最も高く買い取ってくれる業者を見つけるようにしましょう。
【無料】愛車の買取価格を今すぐ調べる!
②キズや凹みは仕方がないので愛車のアピールで高額査定に
クルマにキズや凹みがあるのは当たり前なので、キズや凹みを隠すより、クルマの良い部分を査定士にアピールしたほうが効果的です。
アピールするポイントは、査定基準でアップにつながるオプション品が装備されていることを査定士に伝えたり、スタッドレスタイヤがあれば一緒に査定に出す、といった方法が有効なこともあります。
また、取扱説明書、保証書、整備手帳の3点が揃っていると1万円加算されるので、査定する前に上記3点が揃っているか確認しましょう。
アピールポイントは見落としがちなオプション品がおすすめ
多くのクルマには、オプションを装備していることが普通です。しかし、オプション装備はある程度査定士も把握していますが、全てのクルマのオプションを把握しているわけではありません。
特にオーディオやナビといったオプションは市場価格の変動が激しいため、査定士はスルーしてしまうことがあります。しかし、中古車査定協会では、価格ガイドブックや協会のホームページで随時新しい情報を公開しており、ナビなどの査定基準を明確にしています。
参考:一般財団法人 日本自動車査定協会「中古自動車査定基準(Ⅰ)運用内規」
そこで、オプションで性能の良いナビなどを装着している場合は、一般的なナビの査定で終わらせないように、十分アピールすることが重要です。
また、スポイラーもフルセットのオプションの場合は査定に加算されますから、純正でスポイラーをフルセットで装備していた場合もアピールを忘れないようにします。
このほか純正オプション中の電装品で、査定基準に収録されていないパーツがあります。それらのパーツは市場価格から査定に加算される仕組みなので、査定前にオプションで装備されているパーツを全て把握して伝えられるようにしておくと良いでしょう。
社外アルミホイールを装着していたら純正品に戻すと高額査定を導く
査定でオプションパーツは高く評価されますが、社外パーツに関してはプラス査定になることはほとんどありません。
特に多くの人が装着している社外アルミホイールは、マイナス査定となることもあります。キズや凹みでマイナス査定を取られたうえ、アルミホイールでさらにマイナスとなっては、非常に辛いものがあります。
そこで、純正アルミホイールに履き替えてから査定に臨むことをおススメします。特に純正オプションでアルミホイールを装備している場合は、同じデザインで4本揃っていれば、かなり良い加算額になります。
例えば、純正オプションの19インチアルミホイールで4、5年落ちの場合、5万円程度の加算が基準となっていますから、キズや凹みの度合いによっては、それを上回る加算となることでしょう。
※クルマを高く売るコツについては「【クルマを高く売るための11つのコツ】車を売却する前に覚えておくべき基礎知識」で詳しくまとめていますので、ぜひこちらの記事もご覧ください。

まとめ
キズや凹みは、車両クラスにより減額の計算は異なりますが、その減額される価格は実際の修理金額より少ないので、査定前に修理することは損になります。
しかしキズが薄い場合や、ボディカラーが褪せている場合もマイナス査定なので、これらを自分で改善できれば挑戦しても良いでしょう。
キズや凹みをクルマは避けられないので、それらを気にして修理を考えるより、多くの買取店で査定することや、愛車をアピールしたほうが査定には有利です。