おすすめのクルマ一括査定サイトはこちら

クルマの売却を決めたら任意保険の手続きを!等級引き継ぎや払い戻し金の扱いについて

クルマを手放す際には名義変更や抹消登録など様々な手続きが必要ですが、特に忘れやすいのが任意保険の手続きです。

適切な手続きを行わないとクルマを所有しなかったとしても保険料を払い続けることになったり、せっかく積み上げてきた等級を失うこともありますので忘れず手続きを行ってください。

【ケース別】クルマ売却で必要な任意保険の手続き

クルマの任意保険は、契約者の事故歴に応じて保険料の割引・割り増しをする「等級制度」を採用している保険会社がほとんどです。現在は1等級~20等級まで分類している保険会社が多く、等級が上がるほど保険料が安くなり、事故を起こして保険を使えば等級が下がり保険料は高くなります

等級は初めて任意保険に加入した場合6等級からスタート。無事故であれば契約更新時に等級が上がる仕組みとなり、任意保険を解約すると積み上げてきた等級はリセットされてしまいます。等級によっては同じ契約内容でも30%~40%程度保険料が変わることもあるため「車両入替」「中断証明書」といった制度を利用し、これまで積み上げてきた等級を維持することで保険料を安く抑えることが可能です。

ここからは、ケース別に任意保険をどう取り扱えば良いのかをご紹介します。

①クルマを乗り換える場合は「車両入替」【等級引き継ぎ】

車両入替とは、これまで加入していた任意保険の等級を新しいクルマに引き継ぐ手続きのことです。車種や加入するプランによって保険料が変わるため、これまでと同じ金額で保険に加入できるわけではありませんが、等級を引き継ぐことで新しいクルマの保険でも割引を受けることが可能です

車両入替には、「入替前後の車が同一用途のクルマであること」「入替後の所有者が入替前の所有者と同一もしくは同居の配偶者や親族であること」など保険会社によって定められた条件がありますので、入替前に加入している保険会社に確認しておくと安心です。

車両入替は、新しく乗り換える車の納車日(初めて保険対象のクルマを運転する日)までに申請を済ませておく必要があります。納車後に等級引継ぎをすることも可能ですが、保険会社によって猶予期間が設けられていたり、万が一入替手続き前に事故を起こしてしまうと保険が降りないため、早めの手続きをオススメします。

車両入替は電話やインターネットで簡単に手続きができるため、納車日が決まったら早めに手続きしておくことで保険の空白期間を作らないようにしましょう。

②しばらくクルマに乗らない場合は「中断証明書」【等級保存(最大10年)】

中断証明書は、「一旦クルマを手放すが、いつかまたクルマに乗るかもしれない」「自分はもうクルマに乗ることはないが、同居する家族が新しく保険に加入するかもしれない」という場合に利用できる制度です。

中断証明書は、廃車・譲渡・車検切れ・盗難・車両入替でクルマを手放した時に取得が可能で、一定期間であれば自動車保険を解約していても再加入時に元の等級からスタートできるというもの。保険会社によって取得条件や再契約の条件は異なりますが、最大10年等級を保存することが可能です。

中断証明書を取得しないまま任意保険を解約すると、これまで積み上げてきた等級がリセットされ、再契約時には6等級からスタートし保険が高額になるケースも。多少手間はかかりますが中断証明書を取得しておくと、再加入時に安く保険に入ることができます。

また、ご自身が今後クルマに乗る予定がなくても将来的に同居するご家族がクルマを持つ可能性があるのなら、念のため中断証明書を取得しておくことをオススメします。記名被保険者の配偶者や同居の親族であれば等級を引き継ぐことが可能なので、等級を維持しておけば引き継いだ人が安く保険に加入することが可能です。

③自分も家族も今後クルマに乗らない場合の「解約」【等級消滅】

任意保険を解約するとこれまで積み上げてきた等級がリセットされてしまいますが、自分も同居の家族も今後クルマに乗ることがないという場合には保険会社に解約を申し出ましょう

クルマの任意保険はクルマの購入と同時にディーラーで保険に加入し、同じディーラーでクルマを売却した場合を除き、基本的には加入者が代理店や保険会社に連絡し手続きを行う必要があります。解約手続きが完了していないとクルマを手放していたとしても保険料を払い続けることになりますので、クルマの引渡し日が決まったら早めに手続きを済ませることで払い過ぎを防ぐことができます。ただし、万が一の場合に備え保険の空白期間ができないよう調整してください。

全額は戻らない!自動車保険長期契約の解約返戻金

月払いで自動車保険を契約している場合は、解約を申し出た翌月以降から保険料がかかりませんが、1年契約などまとめて保険料を先払いしている場合には「解約返戻金」として未経過分が戻ってきます。しかし全額戻ってくるケースは少なく、「短期率」を使用して算出した金額のみ返金するという保険会社がほとんどです

この短期率とは「契約者が負担する割合」を指し、経過期間が長くなるほど負担割合は高くなるように設定されています。短期率は保険会社ごとに定められており、下記はその一例です。

経過期間 1年契約時の短期率(例)
~7日 10%
~15日 15%
~1ヶ月 25%
~2ヶ月 35%
~3ヶ月 45%
~4ヶ月 55%
~5ヶ月 65%
~6ヶ月 70%
~7ヶ月 75%
~8ヶ月 80%
~9ヶ月 85%
~10ヶ月 90%
~11ヶ月 95%
~12ヶ月 100%

例えば、上記の短期率を採用している保険会社で年間10万円の任意保険を契約。8ヶ月後に解約した場合の解約返戻金は

100,000×80%=80,000←契約者負担金
100,000-80,000=20,000←解約返戻金

となります。月割りで未経過分を単純に計算すると33,000円ほど返ってくる計算になるため、任意保険の途中解約では支払った金額より戻る金額は少ないと考えたほうが良いでしょう。

クルマを売却する際の任意保険取り扱い方法まとめ

クルマの買取や処分に必要な名義変更・抹消登録といった手続きは、クルマを買い取ったディーラーや買取業者が代行してくれるケースがほとんどです。しかし手続きの代行を頼んだとしても任意保険に関しては契約者本人が代理店や保険会社に連絡し、手続きを行う必要があります。

他の手続きは業者に任せることができるため任意保険解約は忘れがちな手続きではありますが、解約をしていないとクルマを所有していなかったとしても保険料だけ払い続けることになってしまうので、クルマを手放す具体的な日程が決まったら早めに対応すると良いでしょう。

また、年間契約などで保険料を先払いしている場合には「解約返戻金」としてお金が戻ってきます。しかし、戻ってくる金額は「短期率」という契約者が負担する金額を求める係数を用い算出されるため、支払った金額より戻ってくる金額は少ないです。

クルマの任意保険を解約すると、これまで積み上げてきた等級はリセットされてしまいます。再加入時には6等級からのスタートとなり保険料が高くなることが考えられますので、保険の対象車を入替える「車両入替」や約10年間は等級を維持できる「中断証明書」という制度を利用し、保険料を安く抑えられるようにしておくことをオススメします。