日本の中古車市場では、10年・10万キロを超えるとクルマの価値が大きく下がると言われています。つまり20年落ちのクルマを一般の中古車買取業者に売却することは、なかなか難しいのが現実です。
しかしながら、20年落ちのクルマは絶対に買い取ってもらえないのかというとそうでもなく、ボロボロのクルマを専門的に買い取っている「廃車買取業者」なら、値段を付けて買い取ってくれる可能性があります。
この記事では、20年落ちの高年式車を値段を付けて買い取ってもらう方法と、オススメの廃車買取業者を紹介します。これまで長い間生活を共にしてきた思い出の詰まった愛車を、少しでも高く売却する参考にしてください。
昔からクルマが好きでガソリンスタンドにて整備や洗車のお手伝いをした後、Jeepディーラーにて営業を担当。クルマの販売から下取り・整備や車両メンテナンスの経験あり。クルマ業界を離れた現在は、初心者からマニアまで、様々な人が自分に合ったカーライフを楽しめるようライターとしてクルマに関する情報を発信中。
もくじ
20年落ちのクルマにも価値はある?買い取ってもらえる可能性は?
20年落ちのような高年式のクルマを手放そうとディーラーや通常の買取業者に査定を依頼し、「値段が付かない」「逆に廃車にするための費用がかかってしまう」と言われた経験がある方も多いのではないでしょうか。
そんな場合も諦めないでください。廃車買取業者であれば他で価値が付かなかったクルマにも値段を付けてくれる場合があります。
まずは、一般的な20年落ちのクルマの価値と、高年式車はどこに売るべきかについてみていきましょう。
20年落ちのクルマは値段が付かないケースが多い
日本の中古車市場では、10年・10万キロを超えたクルマは価値が大きく下がるのが一般的です。それは、故障の不安や、新しいクルマに比べ車検・メンテナンスにお金がかかるため。20年落ちのクルマを売却しようとすると、値段が付かないケースが多いと考えられます。
場合によっては、値段が付かないどころか廃車費用を請求されてしまうことも。ディーラーや買取業者で廃車をする場合には、廃車手続きを代行する手続き代行費用が2~3万円程度、車両を解体するスクラップ費用が1~2万円程度かかるケースがあります。
クルマの処分にかかる費用はどれくらい?3つの処分方法とかかる費用を紹介中には、クラシックカーやビンテージカーと呼ばれる古いことに価値があり、欲しいと思うユーザーが多いクルマもありますが、普通の乗用車であれば20年落ちともなると、ディーラーや買取業者で買い取ってもらえないことがほとんどでしょう。
- 1928年 メルセデスベンツSSK
- 1947年 トヨタAC
- 1955年 トヨペット・クラウン
- 1957年 プリンス・スカイライン 等
※ビンデージカーについては、委託販売など別の売却方式を選んだほうが納得の値段が付く場合が多いです。詳しくはこちらの記事をご覧ください。
クラシックカー(旧車)のおすすめの売却方法と優良買取店の見極め方20年落ちのクルマを売るなら廃車買取業者を狙え!
ただし、20年落ちのクルマは絶対に買い取ってもらえないかというとそうでなく、高年式・高走行距離車の買取に強い廃車買取業者であれば値段を付けてくれる場合があります。
なぜ廃車買取業者になら買い取ってもらえるのか。それは、クルマとしての価値は残っていなくても、パーツやリビルト部品としての価値はまだ残っているからです。
以下は、実際に廃車買取業者公式サイトで紹介されている買取実績です。
画像引用:カーネクスト
画像引用:カーネクスト
廃車買取業者と聞くと、動かなくなってしまったクルマや事故や故障で廃車にするしかないクルマを専門に扱っているイメージがありますが、高年式車や高走行距離車、要するに古くなったクルマの買取にも強いことが多いです。
またクルマに価値が付かなかったとしても、手続き代行費用やスクラップ費用、車検切れなどの場合にかかるレッカー費用などを負担してくれるケースがほとんどです。
このような業者をインターネットで探す時には、「廃車も買い取れる」という記載があるサイトを選ぶと良いでしょう。
下記は、廃車買取業者の代表例です。サイトによって特徴が異なりますので、ご自身に合った買取業者を見つける参考にしてください。
サイト名 | 特徴 | 公式サイトURL |
---|---|---|
カーネクスト |
・原則0円以上で買取 ・レッカー費用、 手続き代行費用無料 |
公式サイトはこちら |
廃車本舗 |
・海外輸出事業と連携 ・高年式、高走行距離車に強い ・創業17年の実績 |
公式サイトはこちら |
ハイシャル |
・廃車の場合自動車税などの 還付金を受け取れる ・年中無休 ・0円以上で買取 |
公式サイトはこちら |
廃車王 |
・買取強化車種あり ・NGP日本自動車リサイクル 事業協同組合に加盟 ・TVCM放映中 |
公式サイトはこちら |
廃車買取の達人 |
・買取価格を比較できる ・利用実績50万件突破 |
公式サイトはこちら |
※オススメの廃車買取業社については以下の記事でも詳しく解説しています。合わせてご覧ください。
廃車買取のおすすめ業者7選!中古車買取との違いと処分費用のメリットを詳しく解説!廃車買取業者が高年式・高走行距離車に価値を生み出せる理由
ディーラーや通常の買取業者で値段の付かなかったクルマでも廃車買取業者なら値段を付けることができるのは、買い取ったクルマの再利用方法の違いが大きく関係します。
ディーラーや通常の買取業者が買い取ったクルマは、オークションに出品されたり、自社で再販されたりと、まだ走行が可能な中古車として再利用します。そのため日本の中古車市場で人気の少ない高年式・高走行距離車の買取が難しいです。
一方、廃車買取業者で買い取ったクルマは、中古車として転売する以外にクルマに搭載されているパーツの転売や、エンジン・ボディーに使われている素材をリサイクルすることで利益を生み出します。そのため、中古車として転売が難しい高年式車も買い取ることが可能です。
また、日本の中古車は海外、特に東南アジア地域で人気が高く、日本では嫌厭されがちな高年式・高走行距離車も中古車として活躍。廃車買取業者では、古い国産車が高く売れる海外転売ルートを確保しているケースが多く、20年落ちのクルマにも価値を付けることができます。
20年落ちのクルマを少しでも高く買い取ってもらうためのポイントは?
20年落ちのクルマを少しでも高く買い取ってもらうためには、「複数業者で査定額を比較する」「内外装をきれいにしておく」「海外輸出に強い業者を選択肢に入れる」「純正パーツは戻しておく」ことがポイントです。
ここからは、高額査定を狙うためのポイントについて詳しくご紹介します。
①査定額は必ず複数業社で比較する
20年落ちのクルマを売却する際には、少しでも高く売るためにも複数の業者で査定額を比較しましょう。業者によって得意な車種や再利用ルートが異なりますので、A社が0円査定でもB社は値段を付けてくれるというケースも多いです。
最低でも3社ほどの査定を取ってみると、出された査定額が妥当なのかどうか判断できるでしょう。
どこに査定依頼をすれば良いか迷っている方は、以下3つの業者で査定を取ってみましょう。
②自分でできる範囲で良いので内外装をキレイにしておく
20年落ちのような高年式のクルマは、持ち主がどれだけ大切に扱ってきたかでクルマの状態が大きく変わります。そのためクルマを大切にしていると査定士に伝えることが高額査定のカギに。クルマがキレイだと「この持ち主はクルマを大切にしている」と査定士に感じてもらうことができ、汚い状態で査定に出すよりも好印象を与えることができます。
ボディーを軽く洗い流したり、車内の汚れやホコリをサッとふき取るだけでも印象は大きく変わりますので、ぜひ試してみてください。
査定前の洗車や掃除ひとつで買取価格が有利に!?プロが正しいクリーニング方法を紹介!③海外輸出に強い業社も選択肢に入れる
20万キロを超えたクルマは国内で中古車として転売することが難しく、解体してパーツの再利用・素材のリサイクルをするか中古車として海外へ転売されるケースが多いです。
廃車買取業者とひとまとめにしても、得意な分野は業者によってさまざま。そのため高年式車を少しでも高く売却したいのであれば、海外輸出に強い業者も選択肢に入れることがオススメです。
そうすることで転売ルートの幅が広がり、より高く買い取ってくれる業者が見つかる可能性が大きくなります。
下記は海外輸出に強いENGという買取業者のURLです。ENGは年間7,000台以上のクルマを直接海外に輸出する中古車輸出専門商社となりますので、業者選択の参考にしてください。
④純正パーツが残っていれば戻しておこう
クルマを解体してパーツを転売する場合、社外部品よりも純正部品のほうが高く売れるケースが多いです。発売から長い年月が経過しているクルマだと、専用部品の製造販売が中止となっていることも多くパーツとしての希少価値が高まっていることが考えられます。
そのため、手元に純正パーツが残っている場合には査定前に戻しておくか、純正部品も残っていることを査定士に伝えておくと良いでしょう。
まとめ
日本の中古車市場では10年・10万キロを超えたクルマは転売がしにくいため、ディーラーや中古車買取業者で価値が付かないことが多いです。しかし、廃車買取業者であれば海外転売やパーツ取り、素材のリサイクル等をすることで古いクルマに価値を生み出すことができ、20年落ちのクルマでも買い取ってくれることがあります。
また、ディーラーや買取業者で値段の付かなかったクルマは、廃車にするためのスクラップ費用や手続き代行費用を請求される場合が多いです。しかし、廃車買取業者であれば万が一クルマに値段が付かなかったとしても無料で廃車手続きを行ってくれる業者がほとんどですので、お金をかけずクルマを処分することができます。
高年式・高走行距離車の売却を検討しているのであれば、廃車専門の一括査定サイトがオススメです。一括査定サイトなら複数の業者の査定額を比較することが可能で、より高く愛車を買い取ってくれる業者を見つけることができます。
少しでも高く買い取ってもらうためには「車内・車外をキレイにしおく」「海外輸出に強い業者も選択肢に入れる」「残っている純正部品は戻しておく」という4つの準備をしておきましょう。
高年式車は持ち主がこれまでそのクルマを大切に乗ってきた証です。大事なクルマを少しでも高く売るためにも、ぜひ廃車買取一括査定サイトを利用してみてください。