ホンダ「フィット」は新車でも中古車でも、よく売れる人気車種。燃費の良いコンパクトカーで、年代や家族構成を問わず使い勝手が良いので、かなりの台数が出回っています。市場に出回っている台数が多い人気車種は、買取市場でも高額買取につながりやすい一方、買取業者もフィットの査定に慣れているため、状態を厳しく見られてしまいます。そこで、フィットをより高く売却するために気をつけたい点や、どんな買取業者に売却を依頼すれば良いかを解説します。
新車の純正オプション取付やコーティング業をしながら車専門のWebライターとして活動中。車好きで愛車のカスタムが趣味。車は6台目で、乗り換えの際は買取や個人売買を利用。現在は愛車のロードスターを長く綺麗に乗るためのメンテナンスに精を出している。
もくじ
フィットの下取り価格相場は?
2021年2月時点でのフィットの下取り相場は以下の通りです。
年式 | 参考買取価格 |
---|---|
2018 | 670,000円 |
2016 | 430,000円 |
2014 | 680,000円 |
利用ツール:下取り参考価格シミュレーション
※2021年2月現在
クルマを売却しようと考えた時、やはり「どのくらいの価格で売れるのか」というのは誰もが気になるのではないでしょうか。ずばり、自分のフィットの買取価格を正確に知るのに一番の方法は「一括査定で実際に査定を受けること」です。
インターネット検索でも、ある程度の価格帯までは把握することができます。しかし、フィットは最新型で四代目。初代は2001年に登場し、20年近く人気車種として活躍しているので、型式や状態によって査定額が大幅に変わってしまいます。特に、新車でも中古車でも流通している台数が多いフィットのような人気車種は、走行距離や使用感の状態によって、相場からかけ離れた査定額になってしまうことも少なくありません。買取価格を知りたい場合は、査定を受けることがお勧めです。
フィットの買取価格を知るなら一括査定の利用がお勧め
クルマの買取価格は、新車登録から年数が経過するごとに落ちていく一方です。1か月で数万円も査定額が変わってしまうことも少なくありません。売却を考え始めたら、なるべく早めに査定を受け始めることがお勧めです。
また、買取査定額の大半は時価評価額などに基づいて算出されますが、オプション装備や走行距離および使用感などによる、その他の評価ポイントによって買取業者ごとに提示額が違います。つまり、査定の依頼を一店舗だけにしてしまうと、その買取業者の査定額が全てになってしまい、適正価格や高価買取の判断をするのが難しくなってしまいます。最も早く確実にフィットの買取価格を知る方法は一括査定を利用することです。フィットのような人気車種は、中古車市場でも回転率が良いので買取市場でも高い人気を集めています。人気車種の買取は、力を入れて取り組んでいる買取業者も多いです。一括査定によって複数の買取業者の査定額を比較し、買取価格の範囲や最高値をしっかり把握しましょう。
一括査定に出さずに相場を知る方法は目安として活用
まだ査定を頼むのは難しいという場合は、インターネット検索で買取相場を調べられます。「フィット 買取相場」で検索すると、様々な買取業者の買取実績や、一括査定サイトの買取相場が掲載されたホームページを見ることができます。
自分のフィットと同じ年式、同じ型式、同じくらいの走行距離であると判断できる車体の買取実績で、概ねの予想を立てることができます。しかし、あくまで参考程度にしましょう。前述のとおり、年式や型式、グレードなどが同じ条件だったとしても、メンテナンスの状況や内外装の使用感、買取してもらう業者によって査定額が変わるためです。
特に、流通台数の多いフィットは査定も厳しくなりがち。台数が多い人気車種は、買取業者側も査定に慣れており、より状態が良く中古車として売れやすいフィットを買い取るため、細かく厳しくチェックします。使用感や状態によって査定額が大きく変わることもあるので、ネット上の買い取り相場は、あくまでも目安として活用するのがお勧めです。具体的には、実際に査定をしてもらって算出された査定額が低すぎないかを判断するときに役立てると良いでしょう。
買取価格が安定しやすいフィットの特徴
フィットは2020年に登場のモデルで四代目となり、中古市場で人気を集めているモデルは2007年~2013年に登場した二代目モデルと2013年~2020年に登場した三代目モデルです。コンパクトカーではシェア率もトップクラスで認知度も高いので、年式が多少古くても値崩れしにくい車種だと言えます。最大のライバル車としてあげられるトヨタ「ヴィッツ(ヤリス)」よりも室内空間が広く、ラゲッジスペースの広さもあるのでファミリー層からの人気があります。ハイブリッドモデルやステーションワゴンモデル(フィットシャトル)も展開されているので、より多用途で幅広い世代から支持を得ています。
フィットは人気車種なので、比較的買取価格が安定しやすい車種です。しかし、年数の経過や走行距離の増加による買取価格の下落は避けられません。買取価格が安定しやすいフィットは、新車市場および中古車市場での人気が高い条件を揃えています。その特徴を把握することで、ご自身のフィットが値崩れしにくいかどうかを判断することにつなげられます。
中古車市場での人気グレードは「Honda SENSING」搭載グレード
フィットの三代目モデルで新車・中古車ともに売れ行きが良く、買取相場も高めなのが先進安全装備「Honda SENSING」を搭載したグレードです。先進安全装備が搭載されているかどうかは、今後の買取価格の変動に大きく影響する重大な要素となります。リセールバリューを考慮するなら、Honda SENSING搭載グレードを選ぶのがお勧め。中でも人気のグレードは以下の三つです。
13G・S Honda SENSING
13G・Sは排気量1300ccモデルの最上位グレードで、最も標準装備が充実したグレードです。エアロバンパーやパドルシフトが採用されたスポーティモデルで、若い世代からの人気が高い傾向にあります。
15XL Honda SENSING
15XLは、排気量1500ccモデルのラグジュアリーなグレードです。標準装備となるオプションも多いモデルで、ナビやETC以外の装備も充実させたい方に人気です。排気量1300ccのほうが燃費に優れていますが、高速走行や峠道走行でのパワー不足が気になる方には1500ccのほうが人気があります。
RS Honda SENSING
RSは、排気量1500ccのスポーティグレードです。シートや内装の配色がRS専用品になっており、16インチアルミホイールなども装着されています。フィットの中での最上位グレードに相当するので、車体価格が他のグレードよりも高額です。「スポーティなクルマが好きだけど燃費や使い勝手の良さも兼ね備えたクルマを選びたい」という人にお勧めのグレードだと言えます。他のグレードに比べて流通台数が少なめなので、希少価値もあります。
フィットの人気カラーはホワイトとブラックだけではない
車種に関係なく中古車市場や買取市場で人気が高いと言われているボディカラーは白・黒・シルバーです。フィットの場合も例に漏れませんが、ベーシックカラー以外の人気色があります。
「プレミアムホワイト・パールⅡ」「ルナシルバー・メタリック」は定番
フィットもパールホワイトとシルバーの人気および評価は高いと言えます。この二色は新車販売においても人気のカラーとなっていました。特に、パールホワイトは追加費用のかかる色なので買取市場でも高評価につながります。「クリスタルブラック・パール」は新車販売時の人気色では上位に入っていませんが、ベーシックカラーなので流通台数は多いです。買取市場での評価も安定しています。
実は「ルージュアメジスト・メタリック」が人気
三代目フィットのイメージカラーにもなっている「ルージュアメジスト・メタリック」は、買取市場では珍しくピンク系の色ながら、人気の高い色となっています。フィットなどのコンパクトカーは、市街地での取り回しがしやすいので女性や高齢者からも人気の高いジャンルです。「ルージュアメジストメタリック」はピンクでも紫でもない独特のカラーで、やや落ち着いた色味なので幅広い年代の女性から人気を集めており、買取市場でも高評価につながることがあります。
年式と走行距離は買取価格が大きく変動する重要なポイント
どのクルマにも当てはまることですが、買取価格の変動には年式と走行距離の影響が大きいです。フィットも同様で、年数の経過やモデルチェンジおよび走行距離の増加が影響して、買取価格が変動します。
年式が古くなるにつれて買取価格が下がっていく
中古車の査定額は、新車登録から少しずつ下落が始まっています。日本では新車登録から一定の年数が経過すると税金などの維持費が高額になり、修理やメンテナンスにもお金がかかるので、より新しい年式のクルマが人気を集めることは避けられません。また、クルマの技術は日々進歩しており、各メーカーも毎年のようにマイナーチェンジを行ってクルマの性能を高め続けています。そのような要因から、ごく一部の車種を除き、年数経過によって買取価格は下がっていく一方です。少しでも高く売りたい場合は、少しでも早く査定を行うことが重要です。
フィットを高く売りたい場合は3年~5年落ちまでに売却するのがお勧め
フィットの高価買取を目指したい場合は、新車登録から3年~5年で売却するのがお勧めです。とくに、1回目の車検が切れるタイミングの3年目が特に狙い目だと言えます。車検が切れる寸前だったとしても買取査定額に影響はなく、車検が多く残っている場合には加算評価がなされます。新車購入時は3年の車検がついているので、その車検が切れるタイミングで売却することによって、車検取得費用を次のクルマの購入費用に回すことができます。また、新車から3年目ほどでは大幅な買取価格の下落が始まっていないことが多いので、高額査定につながりやすいです。
一度車検を更新し、新車登録から5年のタイミングで売却するのも良いでしょう。フィットは発売から4年ほどでマイナーチェンジを行い、7年ほどでフルモデルチェンジを行っています。新車登録から5年は、前期型と後期型に分かれるマイナーチェンジの発売後になるので、3年目と比較すると買取相場価格は下がります。しかし、中古車市場においても5年落ち程度の年式は人気が高いので、まだまだ高価買取が期待できるでしょう。
買取価格が大きく下がるタイミングはビッグマイナーチェンジとフルモデルチェンジ
フィットは新車登録から年々買取価格が下がっていきますが、さらに毎年のように一部性能の向上というマイナーチェンジを続けています。より新しい年式の方が最新技術を採用した高性能な車体になっていくので、すでに手元にあるフィットの買取価格の下落が起こるのは当然です。
特に、買取価格に大きな影響を与えるのが「ビッグマイナーチェンジ」と「フルモデルチェンジ」です。クルマは、同じ型式でも見た目で判るほどの違いがある「前期型」と「後期型」に分けられます。その前期と後期を分けるマイナーチェンジが「ビッグマイナーチェンジ」です。一方フルモデルチェンジは、二代目から三代目、三代目から四代目のように型式が変わり、見た目や性能および装備に大幅な変更を行ったモデルチェンジを指します。
クルマは、新型が発売されると買取価格が大きく変動します。新型モデルが発売されれば、より新しいものに人気が移行し、新車市場や中古車市場に大きな変化が訪れるためです。フィットを高く売るには、新型モデルが発表されたタイミングがベストでしょう。発売後には査定額が大きく下がってしまう可能性があるので、早め早めに動き始めていくことが大切です。
走行距離は少ないほうが評価が高い
日本国内では、走行距離が少ないほど買取価格の評価につながりやすいです。普通車の年間の平均走行距離は1万kmと言われているので、3年落ちなら3万km、5年落ちなら5万kmを一つの基準とすることが多くなっています。
年式が古くても走行距離が少なければ相場価格以上の買取も見込める
年式が古いからと、高く売ることを諦めてしまってはもったいないです。年式が古いクルマの低走行距離車は、希少価値につながるため値下げを抑えることができます。特に流通台数の多いフィットでは、多少年式が古くても、走行距離が少ないことが評価につながり、中古車市場でも売れる可能性が高いです。走行距離が少なく、保管状態やメンテナンス状態が良いフィットの場合は、相場以上の価格がつくこともあります。
平均走行距離の年間1万km以上になっている場合はメンテナンスで挽回を
年式が新しくても走行距離が多いクルマは、買取相場よりも低い査定額になってしまうことが少なくありません。走行距離が平均よりも多い場合は、消耗品の交換をしっかり行い、メンテナンスが行き届いていることをアピールしましょう。高速道路での走行が多い場合は、ストップアンドゴーが機能することによってクルマへの負荷が少なく、エンジンの調子が良いこともあります。過走行だからと諦めず、詳細な使用状況を説明し、買取価格の下落を抑えましょう。
また、クルマ買取専門店は国内販売のみを行う業者だけではありません。15万km以上走行しているような過走行車の場合は、日本の中古車を海外に輸出して販売している買取業者に査定を依頼してみましょう。海外では日本ほど走行距離に敏感ではないので、国内では評価額をつけにくい車体でも、海外向けなら相応の査定額が見込めるケースもあります。様々な買取業者の査定額を比較し、より高く売れる買取店を見つけましょう。
使用感が綺麗でメンテナンスが行き届いているフィットは人気が高い
年式や走行距離およびグレード等の装備面が同じ車体が二台あれば、より綺麗なほうが売れやすいというのは誰でも想像しやすいでしょう。フィットは人気車であることから比較対象が多いので、内外装ともに綺麗に使うことを心がけると良いでしょう。
外装は定期的な洗車が大切
クルマの外装は、査定時の第一印象を左右します。できれば洗車は月に1回以上行うようにしましょう。洗車の頻度を維持しにくい場合は、コーティングを施工すると水をかけるだけで概ねの砂や汚れを落とすことができるので、手入れしやすくなります。水垢や汚れの筋がついた車体は、大事にされていなかったような印象を与えかねないので注意しましょう。
傷や凹みの修理が必要かはケースバイケース
ボディの傷や凹みは無いほうが評価につながります。しかし、傷や凹みがあっても、修理をせずにそのまま査定に出してしまったほうが良い場合もあります。
コンパウンドで消えるような薄い線傷は修理しなくてもOKです。しかし、塗装が完全に抉れてしまい、鉄板が見えてしまっているような深い傷は、サビの原因になるので修理が必要です。カー用品店などで販売されているタッチアップペンを使って、鉄板部分を覆うように塗布するか、板金屋さんで修理してもらいましょう。凹みの修理は費用が高く、修理を行っても修理代金を買取査定額の増減分で取り戻すことが難しいので、必ずしも修理する必要はありません。
内装は汚れや臭いに気を付けよう
内装の綺麗さは特に厳しく見られる傾向にあるので、臭いやシミには気を付けましょう。シートにシミがついていたり、強い臭いが残っていたりすると、除去するのに日数や手間がかかるので査定額にも影響します。
臭いはすぐに染みつくわけではないので、日ごろから使い方に気を付けてみてください。車内での喫煙や飲食はなるべく控えるか、消臭剤を置いておくと良いでしょう。ペットを乗せる場合は、消臭剤を置くとともにシートについた毛を取るようにしてください。臭いの強い芳香剤も避けるほうがベターです。
フィットを高く売るために気をつけるべき四つのこと
フィットは、新車市場・中古車市場・買取市場のいずれにおいても高い人気を誇ります。乗っている人が多ければ、買取に出される機会も多くなるでしょう。年式や走行距離は自分でどうにかできるものではなく、高く売るために工夫したくても数値を変えることはできません。しかし、高額査定につながる評価ポイントを知っておくことで、普段の使い方を変えていくことは可能です。そこで、フィットをより高く売却するために気をつけることを四つ紹介します。すぐに始められることもあるので、積極的に取り入れてみましょう。
- 綺麗に使うことを心がけよう
- メンテナンスを定期的に行おう
- フィットハイブリッドは駆動用バッテリーの劣化状況を確認
- 社外品は査定の前に純正部品へ交換を
注意点1:綺麗に使うことを心がけよう
フィットを査定する際、「中古車として売れる車か」「大事に使われていたか」「オーナーの人柄はどうか」などの第一印象を決めると言っても過言ではないのが、フィットの見た目です。やはり、見た目が与える印象というのはクルマに限らず影響力が大きくなります。
クルマの第一印象を良くするためには、「傷や凹みが無いこと」や「洗車されていること」、「車内が汚れていないこと」などを意識しましょう。綺麗に使うことは誰にでもでき、今からでも手軽に始められます。クルマに詳しくないという方ほど、「綺麗に使うこと」を心がけてみましょう。
1か月に1回以上の洗車で水垢やシミを防ぐ
綺麗な車体を維持するには、1か月に1~2回の洗車をすることがお勧めです。できる方は毎週でも良いのですが、洗い方によっては洗車傷を増やす原因にもなってしまうので、2週間に1回程度を目安に行うと良いでしょう。洗車は、フィットの汚れを落とすだけでなく、傷や凹みを見つける機会としても役立ちます。
洗車を定期的に行うことで、ボディに頑固な汚れが付着してしまうことを防ぐことができます。水垢落としシャンプーのような、研磨剤を含んだシャンプーで洗わないと落ちないような水垢がついてしまっている状態は、望ましくありません。1か月に1~2回の洗車を続けていれば、間違った方法でない限り頑固な汚れが付いて落ちないという状況には陥りにくいものです。
賃貸やマンションのように自宅での洗車が難しい場合は、コイン洗車場やガソリンスタンド等の洗車機を利用すると良いでしょう。数百円で短時間に汚れを落とすことができるので、継続しやすいのもポイント。洗車機の利用による傷が気になる方は、コイン洗車場での高圧洗浄機の利用がお勧めです。洗車機等を使用して洗車をした後、そのまま走行して水分を乾かす方がいらっしゃいますが、すぐにやめましょう。水道水に含まれるミネラル分が固まってしまい、雨でできる水垢よりも頑固な水垢になってしまうので、きちんと水分のふき取りを行うようにしてください。
コーティングをすることで外装の手入れが楽になる
洗車する時間がない、洗車そのものがあまり好きでない、冬の洗車はつらいという場合は、コーティングをかけてしまうのがお勧めです。ディーラーのオプションで新車購入時にかけてもらう場合は50,000~80,000円、カー用品店やガソリンスタンドでかけてもらう場合は20,000~50,000円、自宅で自分でスプレーして拭くだけのコーティングをする場合は2,000~10,000円ほどで施工できます。予算に応じて取り入れてみましょう。
コーティングを施工したクルマは、1~2週間に1回くらい、車体に水をかけて表面の砂や埃を落とし、水分をふき取るだけでOKです。数か月に1回、メンテナンス剤を塗布して綺麗な状態を維持できるようにしましょう。
タバコやペット、香りの強い芳香剤は避けるのがベター
臭いは長期的に継続することで染みついてしまい、除去するときも時間や手間がかかります。タバコ・ペット・芳香剤の香りは、個人によって「良い匂い」だったり「嫌な臭い」だったりと、それぞれ感じ方も違うので、できるだけ染みつかないようにしたほうが良いと言えます。なるべく車内でタバコを吸わないようにする、なるべく車内での飲食を避ける、消臭剤を置く等の対策を行いましょう。
小さなお子様のいるファミリーや車内飲食をよくする方はシートカバーの使用がお勧め
小さなお子様がいると、靴のままシートに上がってしまったり、前席の背もたれを蹴ってしまったりなど、車内を綺麗に維持することが容易ではないケースもあるのではないでしょうか。特に、車内飲食をよくする場合は、シートの下に食べこぼしが落ちていたり、走行の振動などによって飲み物をこぼしてしまったりして、車内を汚してしまうことがあります。
そこで、汚れを落としやすいTPUやラバー製のフロアマットを敷いたり、撥水性のあるカバーをシートにかけたりすることがお勧めです。クルマが直接汚れてしまうことを防ぐことができ、マットやカバーは洗える素材でできているので、手入れがしやすくなります。
注意点2:メンテナンスを定期的に行おう
クルマは機械であり、様々な消耗品で成り立っています。日本では2年に1回の車検があるおかげで、クルマに詳しくない方でも、定期的に専門のスタッフに見てもらうことで、クルマを安全に乗り続けることができています。しかし、クルマのメンテナンスは車検の時だけでは不十分です。
クルマを高く売るという視点で見ると、よりメンテナンスの行き届いた、状態の良い車体が高評価を受けます。流通台数が多い車種はオーナーも様々な人がいるので、クルマのメンテナンスをしっかり行う人と全く行わない人の差が開きやすい傾向にあります。
より状態の良い車体を買い取るために、買取業者側も厳しく査定を行っており、車検以外でのメンテナンスをしっかり行うことがアピールにつながるので、定期メンテナンスを怠らないようにしましょう。
車検以外の定期点検は積極的に受けよう
クルマは2年に1回の車検の際に点検をするのは当然ですが、それ以外のタイミングでも適宜点検を行うことが重要です。具体的には、ディーラーやカー用品店などで実施している12か月点検を受けることがお勧め。不具合の早期発見ができるほか、車検時の消耗品交換費用を分散させることができます。
点検には、お店に出さなくても自分でできることもあります。タイヤの溝や空気圧、ワイパーゴムの劣化、エンジンオイルの交換時期の判断、クーラント液の補充などです。これらは日常点検として2~3か月に1回は行うようにしましょう。
エンジンオイルの交換は半年を目安に行おう
クルマの定期メンテナンスで最も重視しておきたいのが「エンジンオイル交換」です。エンジンオイルは油なので、走行距離に関係なく酸化して劣化していく消耗品です。劣化したエンジンオイルはエンジン内部の部品を保護する能力が下がり、燃費が悪くなったり、エンジンの不具合や故障に影響を及ぼします。
エンジンオイルの交換目安は5,000kmもしくは半年がお勧めです。ディーラーやカー用品店でオイル交換を実施すると、半年を目安に交換をお知らせする通知をしてくれるお店もあります。半年ごとの交換ができなかった場合でも、メーカーが示す10,000kmもしくは12か月以内に交換するようにしましょう。
メンテナンスの履歴をしっかり記録しておこう
消耗品の交換を行ったら、履歴をつけておくことがお勧めです。記録を残しておくことで、次のオイル交換の時期を把握したり、今までにどの部品を交換してきたのかを示すことができます。クルマのグローブボックス内には、車検証入れや取扱説明書とともにメンテナンスノートや整備記録簿が付属しています。メンテナンスを行った際は、店舗に記入を依頼するか、ご自身で追記していきましょう。中古で購入したクルマでメンテナンスノートがない場合は、自分でメモ帳を用意し、記録しておいても構いません。査定の際にはメンテナンスノートを提示し、しっかりメンテナンスを行ってきたという記録をアピールしておきましょう。
注意点3:フィットハイブリッドは駆動用バッテリーの劣化状況を確認
フィットには駆動用バッテリーを搭載したハイブリッドモデル「フィットハイブリッド」のラインナップもあります。より低燃費で経済的なハイブリッドカーは人気も高く、中古車でもよく販売されています。
フィットハイブリッドは、ハイブリッドシステムを搭載しているため、査定や修理、メンテナンスにおいて、通常のガソリンエンジンのフィットとは違う視点で考えなければならない部分があります。ハイブリッド機構の要である駆動用バッテリーについて理解を深め、査定に出す前の不安を解消しておきましょう。
フィットハイブリットに使用される駆動用リチウムイオンバッテリーの寿命は20万km
ホンダが採用している駆動用リチウムイオンバッテリーは、トヨタ「プリウス」などに採用されているニッケル水素バッテリーよりも劣化しにくく、耐久性に優れているバッテリーです。その寿命は走行20万kmと言われており、クルマ本体の寿命とほぼ同等。劣化に強いバッテリーだからこそ、経年劣化によるバッテリー交換が発生するのは非常に稀で、フィットをはじめハイブリッドカーの駆動用バッテリー交換に立ち会ったオーナーはさほど多くいません。
ただし、バッテリーは走行中に充電されるので、極端にクルマを動かす頻度が少なく、一度の走行距離や時間が短いと、寿命よりも早く劣化することがあります。例えば、「月に1~2度、10km圏内のスーパーに行くためにしか使わない」というようなクルマの使い方は、バッテリーに負荷がかかりやすいです。クルマの使用頻度を増やすことが難しい方は、たまにはいつもより少し遠くのショッピングモールを利用するなど、一度に乗る距離を長くしてバッテリーを充電することを気にかけるようにしましょう。
フィットハイブリッドのバッテリー保証期間は新車登録から5年もしくは走行10万kmの早いほう
ホンダが提供する駆動用バッテリーの保証期間は、新車登録から5年もしくは走行10万kmのいずれか早いほうとなっています。駆動用バッテリーの寿命は、クルマの寿命とほぼ同等と言われているので、交換を行うことは非常に稀なケースと考えて良いでしょう。
駆動用バッテリーは、交換されることがめったにないパーツなので、バッテリー本体も交換工賃も割高です。どのクルマにも搭載されている12Vバッテリーは、本体が1~2万円、交換工賃は数千円ですが、ハイブリッドシステムの駆動用バッテリーは本体が20~30万円、交換工賃が2万円前後となっています。駆動用バッテリーに異常や劣化が見られると、燃費が著しく低下し、13~15km/Lほどになります。保証期間内である場合は、お近くのホンダディーラーで点検をしてもらいましょう。
走行距離が15万kmを超えるような場合は、燃費の低下に伴い駆動用バッテリーの交換を視野に入れることもあるかもしれません。しかし、買取市場では走行距離の多いクルマは修理代金を上回る査定額の向上が見込めるかの判断が難しいのが現状です。走行距離が多く、駆動用バッテリーの劣化を感じている場合、バッテリー交換費用相応の買取価格増は見込めない可能性が高いので、いったん現状のまま査定に出すことをお勧めします。
大幅に燃費が悪化している場合はハイブリッドシステムが故障している可能性も
ハイブリッドカーは、ハイブリッドシステムが魅力の一つです。そのハイブリッドシステムに故障や不具合がみられる車体は、高価買取が難しくなってしまいます。フィットハイブリッドの実燃費の平均値は20~23km/Lほどです。信号の多い市街地や渋滞の多い地域では、もう少し下がる場合もありますが、概ね15km/Lを下回るようであれば、ハイブリッドシステムの故障を疑わなくてはなりません。
ハイブリッドシステムの修理費用は高額になる可能性が高いです。ホンダ車のハイブリッドシステムの修理費用相場は15万円前後となっています。修理費用が高額になるため、修理を行うかどうかは買取価格の下落分とのバランスを見て判断することが重要です。
注意点4:社外品は査定の前に純正部品へ交換を
クルマの買取市場では、社外パーツを取り入れたカスタムカーよりも、全て純正パーツのままになっているフルノーマルのほうが、評価が高い傾向にあります。一部のスポーツカーなどでは、クルマをカスタムすることが好きなユーザーが比較的多いのでカスタムも評価されることがありますが、フィットの場合は、より多くの世代に受け入れられやすいノーマルの状態の方が望ましいです。
もし、これからフィットに社外品のパーツを取り付ける予定の場合は、純正部品を手元に残しておきましょう。そうすることで、クルマを売却するときに車体は純正の状態に戻し、社外品のパーツを中古品として売却することができます。社外品のパーツは中古カー用品店での買取や、ネットオークションやフリマアプリでの売値が純正部品に比べて高い傾向にあります。クルマと社外品のパーツを別々に売却することで、クルマがカスタムされた状態で売却するよりも、クルマの買取価格と中古パーツの買取価格の合計金額を高くすることが可能です。
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ホンダ「フィット」の買取価格を知る方法や、高く売るためのポイントを解説しました。フィットは人気なので値崩れが起こりにくく、人気のグレードや色、オプションを抑えることで、高価買取につなげやすい車種です。年式や走行距離も重要ですが、状態も査定に大きな影響を与えるので、普段の使い方やメンテナンスにも気を配りましょう。フィットは流通台数が多いので、状態によって査定額が大幅に異なります。買取価格を知りたい場合は、一括査定で実際に査定してもらい、複数社の査定額を比較するのがお勧めです。ぜひフィットの売却を検討し始めたら、参考にしてみてください。