車検費用が20万円と言われたら、高いと感じるでしょうか?おそらく多くの方が高いと感じ、買い替えを検討し始めるでしょう。年式の古いクルマでも特別な思い入れがある方なら想定の範囲内の金額かもしれませんが、一般的な車検費用は7~15万円ほどを想定している方が多いのではないでしょうか。
車検は2年に1度必要な整備となるため、今後も発生し続ける費用です。今回が高額になっている場合、その後も同程度の費用が掛かることはある程度覚悟しておく必要があります。整備内容によって変動はあるものの、変動しない「法定費用」が高額になっている場合は、車検費用を抑えることも難しくなってしまいます。
新車の純正オプション取付やコーティング業をしながら車専門のWebライターとして活動中。車好きで愛車のカスタムが趣味。車は6台目で、乗り換えの際は買取や個人売買を利用。現在は愛車のロードスターを長く綺麗に乗るためのメンテナンスに精を出している。
そこで、車検費用20万円は買い替え時だと言えるのか、その判断ポイントや車検費用を抑える方法、賢い買い替え方法を解説します。
もくじ
車検費用20万円は高い?車検費用の相場と見積もりの内訳を理解しておこう
車検費用が20万円と言われると「高い」と感じる方が多いと思いますが、一般的にいくらくらいが妥当な金額なのでしょうか。まずは車検に掛かる費用の内訳を理解し、自分のクルマの見積もりが適正なのか、抑えることができるのかを判断しましょう。
車検費用の相場はどのくらい?
車検費用の相場は、整備や手続きを依頼する業者によって異なります。主な依頼先別の車検費用相場は以下の通りです。
依頼先 | 費用相場 |
---|---|
ディーラー | 40,000~100,000円+法定費用 |
車検専門店 | 25,000~80,000円+法定費用 |
民間整備工場 | 35,000~50,000円+法定費用 |
カー用品店 | 25,000~80,000円+法定費用 |
ガソリンスタンド | 10,000~30,000円+法定費用 |
車検代行業者 | 10,000~30,000円+法定費用 |
ユーザー車検 | 法定費用のみ |
自動車重量税や自賠責保険料からなる「法定費用」の合計は、年式や車種によって異なりますが3万円~7万円ほどであることが多いです。
整備箇所が多く、法定費用に重課が発生する年式の古いクルマをディーラーに任せた場合は、20万円前後になる可能性も出てきます。特に、税金が重課対象となる年式が13年以上経過しているクルマの場合は20万円の車検費用も想定しておくべきです。しかし、日ごろのメンテナンスをしっかりしていれば15万円ほどが相場になるので、やはり車検費用20万円は高いと言えるでしょう。
法定費用はどのクルマにも同様に掛かる費用
車検費用を構成する要素の中で、どのクルマにも同様に発生する「法定費用」は以下の3つです。
- 自動車重量税
- 自賠責保険料
- 印紙代
法定費用はクルマの重量に応じて掛かる自動車重量税や、加入が義務付けられている自賠責保険料で構成されているため、節約することができません。ただし、新車購入後の初めての車検(4年目)では、税金の減免を受けることができる車種があります。
しかし、年式が古いクルマは経過年数に応じて税金の重課対象となり、費用が増えていきます。法定費用を抑えるには、より重量の軽いクルマや年式の新しいクルマへの買い替えが必要です。
自動車重量税
自動車重量税は、車検取得時にクルマの車両重量に応じて課税される税金です。車両重量0.5tごとに税額が上がっていき、13年経過と18年経過のタイミングで重課対象となります。
エコカーに認定されている車種は対象外の車種よりも本則税額が安く、さらに年式の新しい車種では減免の対象です。古くて重いクルマほど自動車重量税は高くなるので、自動車重量税を抑えたい場合は、より新しくより軽いクルマに買い替えを検討すると良いでしょう。
2年自家用 | |||||
---|---|---|---|---|---|
エコカー | エコカー(本則税率) | エコカー以外 | |||
右以外 | 13年経過 | 18年経過 | |||
軽自動車 | 免税 | 5,000 | 6,600 | 8,200 | 8,800 |
~0.5t | 5,000 | 8,200 | 11,400 | 12,600 | |
~1.0t | 10,000 | 16,400 | 22,800 | 25,200 | |
~1.5t | 15,000 | 24,600 | 34,200 | 37,800 | |
~2.0t | 20,000 | 32,800 | 45,600 | 50,400 | |
~2.5t | 25,000 | 41,000 | 57,000 | 63,000 | |
~3.0t | 30,000 | 49,200 | 68,400 | 75,600 |
自分のクルマの重量税を確認するには以下のHPが便利です。車台番号を入力すると次回車検時の重量税を自動計算してくれるので、車検の見積もりがまだの方は参考にしてみてください。
自賠責保険料
自賠責保険は強制保険とも呼ばれ、クルマやバイクを所有する人は必ず加入する保険です。車検と同時に取得し、車検のタイミングで更新することが一般的となっています。
車両のタイプに応じて12か月から60か月まで期間を選んで保険料を支払いますが、車検期間+1か月である25か月契約が適用されることが多いです。普通車の場合は、車両重量や排気量に関わらず同額の保険料が掛かります。
37か月 | 36か月 | 25か月 | 24か月 | 13か月 | 12か月 | |
---|---|---|---|---|---|---|
自家用乗用車 | 27,770 | 27,180 | 20,610 | 20,010 | 13,310 | 12,700 |
検査対象車 | – | – | 23,870 | 23,150 | 15,020 | 14,280 |
軽自動車 | 27,330 | 26,760 | 20,310 | 19,730 | 13,150 | 12,550 |
印紙代
印紙代は、検査や新しい車検証の発行に必要な手数料を支払うための印紙や証紙の代金のことです。印紙は国に対し、証紙は地方自治体に対し、手数料や税金を納めたことを証明する証票をさします。
印紙や証紙を納付書に貼付して提出することで、車検に必要な手数料を支払ったことを証明するために必要となるので、車検を取得する際は必ず発生する費用です。
車検を受ける工場 | 車種 | 印紙代 | 証紙代 |
---|---|---|---|
指定工場 | 全車種 | 1,200 | – |
認証工場 | 小型自動車(4,5,6,7ナンバー) | 400 | 1,300 |
普通車(3ナンバー) | 400 | 1,400 | |
軽自動車 | 1,400 |
指定工場は車検そのものを実施できる、地方運輸局に指定を受けた工場です。ディーラーや車検専門業者は基本的に指定工場に分類されます。
認証工場は、車検の検査そのものはできないが車検に必要な整備を行うことができる工場。カー用品店などが該当し、店舗設備で整備をして運輸支局にクルマを持ち込んで車検を取得します。
自分で運輸支局にクルマを持ち込んで車検を受ける「ユーザー車検」では、認証工場と同額の印紙代が掛かります。
整備費用は車検に適合するために必要な整備に掛かる用品代と工賃
車検に必要な整備・点検費用は依頼先によって異なりますが、おおむね3万円~7万円ほどです。交換が必要な部品や消耗品があれば、別途部品代が加算されます。特に大きな不具合のないクルマでも、エンジンオイルやブレーキフルード、ATフルードなどのオイル類を交換するので、その費用が上乗せされます。
走行距離や年式によっては、ブレーキパッドやブッシュ類などの消耗部品・経年劣化部品の交換が必要になったり、エアコンなど不具合が生じた部品の交換を行ったりすることがあるので、その分の追加費用が発生します。基本の点検整備費用+消耗品代は最低限必要です。
不具合がある場合は、追加で修理費用が掛かります。不具合のあるクルマや、消耗品の交換部品が多いクルマは車検費用が高くなってしまうので、車検の時にまとめて整備するのはおすすめできません。こまめにクルマの点検とメンテナンスをすることが車検費用を抑えることにつながります。
代行手数料や諸経費は車検を依頼するお店によって異なる
整備費用と法定費用とは別に発生する手数料や諸経費は、依頼先によって異なります。
クルマを運輸支局へ持ち込むための手数料や代車費用、車検手続きそのものの代行手数料など、依頼先によって設定されている項目と金額が異なるのでよく確認しておきましょう。
一般的にディーラーの諸経費はやや高めに設定されており、カー用品店や車検専門店などは諸経費が抑えられています。車検費用の見積もりが高いと感じたら、他の店舗や整備工場にも見積もりを依頼して比較すると良いでしょう。
車検費用が20万円と言われたら買い替えるべき?買い替えを検討したほうが良いケースとは
車検費用の見積もりが20万円になってしまったら、買い替えるか乗り続けるか悩む人が多いのではないでしょうか。そこで、買い替えるべきかを判断するポイントを3つご紹介します。
年式が古く、走行距離も増えている場合は買い替えを検討しよう
年式の古いクルマは、税金やガソリン代、メンテナンス代など今後維持費がかさむことが確実です。特に初年度登録から13年以上が経過している場合は、自動車税、自動車重量税が重課対象となっており、消耗部品の交換も進めていかなければならないので車検費用も高額になりやすいと言えます。
年式の古いクルマは法定費用を抑えることができないので、整備費用を切り詰めなければ車検費用は15~20万円を想定しておかなければなりません。
しかし、整備費用を切り詰めても、他のタイミングでこまめにメンテナンスをしていかないと次々に不具合が発生したり部品の交換が必要になったりするので、完璧を求めすぎずに乗り続けるという妥協が必要になってきます。
年式が古い・走行距離が多いクルマの車検費用が高額になった時は、買い替えを検討すべきでしょう。

整備費用が高額になるメンテナンスを要する場合も買い替えを視野に
車検で行う点検や整備の項目は大きく分けて10項目あります。
- ①車検証の記載内容と合っているか
- ②タイヤの残溝や劣化状態、まっすぐ走れるかどうか
- ③ガラスの可視透過率は適正か
- ④メーターの警告灯がついていないか、スピードメーターに大きな誤差がないか
- ⑤内装の表示関連や安全装備に不具合がないか
- ⑥ヘッドライトなどの灯火類やワイパーなどの外装部品が正常に作動するか
- ⑦ブレーキの効きは十分か、ブレーキパッドの残量は十分か
- ⑧ヘッドライトの光軸や灯火類の色は適正か
- ⑨排気ガスの有毒ガスの濃度や排気音の音量
- ⑩下回りのオイル漏れや足回りの不具合はないか
クルマの基本性能や安全装備に関わる部品の交換、修理で整備費用が高額になる場合、エアコンなどの電装部品の修理や交換で整備費用が高額になる場合は、買い替えを検討しても良い頃合いでしょう。
修理して乗り続けても、新しく交換した部品と連結している他の部品に不具合が出てきてキリがなくなる可能性があります。今回は車検を受けることにしたとしても、次回には別の不具合が見つかることも考えられます。タイミングを見て買い替えを考えておきましょう。
車検費用が高いと感じたら買取査定に出してみよう
車検の見積もりを取って「高い」と感じるかは、車種や年式だけでなく個人の感覚や収入、環境によっても異なります。自分のクルマの車検費用が高いと感じたら、年式やクルマの状態に関わらず買取の査定を受けてみるのもおすすめです。
納得のいく査定額が付けば、今のクルマの車検費用+クルマの売却費用を次のクルマの購入費用に充てることができます。
買取価格は年数を追うごとに下がっていく一方ですが、車検の残り期間はあまり買取価格に影響しないため、車検のタイミングで売却するのも候補に入れておくと良いでしょう。
買取査定を依頼する前に、買取相場を知っておくことで買い叩きにあうことを防げます。車検の残り期間は長ければプラス評価になりますが、短くても切れていてもマイナスにつながることは少ないです。まずは現時点でのクルマの相場を調べ、どの程度の金額になるか把握しておきましょう。
買取相場を調べるなら、おすすめはズバット車買取比較です。ネットですぐに買取相場がわかる上、数ヶ月後の相場までシミュレーションしてくれます。不当に低い値段でクルマを買い取られないよう、必ず一度は買取相場を調べておきましょう。
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車検費用を抑える方法は?車検の依頼先と整備内容をチェック!
「今買い替えるのは経済的・環境的に厳しいから車検費用をなるべく抑えたい」という方も少なくないでしょう。そういった場合は、車検整備の項目を相談したり、依頼先を変えてみるなどして車検費用の見積もりを複数社で比較するのがおすすめです。
不急の整備項目を省いてもらおう
車検の依頼先を変えられない場合は、整備項目の見直しを行いましょう。
オイル交換などの最低限の項目はやっておくべきですが、クルマとしての機能にすぐに影響を及ぼすような不具合以外の項目は別の機会に回してもらうのも手段の一つです。
車検費用を抑えるには日ごろからメンテナンスを行っておくことが大切
車検の時の整備費用を抑えるには、日ごろからメンテナンスを行っておくことが重要です。
車検以外のタイミングで定期的にオイル類や消耗品類の交換を行っておくのがおすすめ。また、タイミングベルトなど費用が高い部品の交換は時期をずらして対応するなどして、まとまった費用が出る機会を分散させましょう。
車検の依頼先を変えてみよう
ずっとディーラーで対応してもらっているという場合は、車検専門店やカー用品店などでも見積もりを取って比較してみましょう。整備項目を最低限にしてもらったり、他店の見積もりを持ち込んで交渉してみることで車検費用を抑えられる可能性があります。
代行費用や整備の工賃は業者ごとに異なるので、比較して抑えられるところは抑えてみるのがおすすめです。ただし、車検費用が安く済む業者は代車が出なかったり有料になっていたり、代車の状態が良くないなど他の部分でコストを抑えられていることもあるので、事前に口コミなどを確認しておくと良いでしょう。
車検の見積もりは早めにとっておくのがおすすめ
車検は、車検が切れる半年ほど前から見積もりを取り始めるのがおすすめです。
早めに予約を取ることで車検費用が割引になる店舗が多く、早めに動き始めることで複数店舗の見積もりを取ったり、クルマの買い替えの検討も視野に入れたりと幅広い対応を取りやすくなります。車検に向けた早め早めの行動は、費用を抑えることや予定を立てやすくすることに役立つのでぜひ取り入れていきましょう。
最も車検費用を抑えられるユーザー車検は車の知識が必要
車検の費用を抑えられると知られているユーザー車検ですが、自分で整備をして車検項目をクリアしなければならないのでハードルは高めです。誰でもできるものではないので、安易におすすめはできません。費用を抑えられる分、車検に関わる手続きを自分でやらなければならないので手間が掛かります。
オイル交換や各部品の点検・交換は自分で対応することが可能ですが、ヘッドライトの光軸調整など専用の設備がないと点検整備ができない項目もあります。車検に落ちてしまうと、また整備や手続きをやり直さなければならないので、クルマの整備に関する知識と経験やユーザー車検の経験が必要です。
車検費用が高額になったクルマをお得に買い替えるにはどうすれば良い?
車検費用が高額になってクルマを買い替えたい場合、少しでもお得に買い替えるにはどうすれば良いのでしょうか。今のクルマを少しでも高く売り、次のクルマをなるべく安く買うのが手段の一つになるので、まずは今のクルマの買取価格を知り、次のクルマの購入予算を立てて早めに動き始めましょう。
様々な買取業者に査定をしてもらい比較をしよう
買取査定に出す場合は、複数の買取業者に査定してもらうことが重要です。車検費用が高額になってしまうクルマは、年式が古い・走行距離が多い・不具合を抱えているなど、高額査定につながりにくい要素を持っている可能性が高いからです。1店舗だけの査定額を鵜呑みにせず、複数の業者の査定額を比較して売却先を選定しましょう。
一括査定ならスムーズに複数の買取業者の査定が受けられる
車検の期限が迫る中で、複数の買取業者に足を運んで査定をしてもらうのは時間も労力も掛かってしまいます。一括査定を利用すれば、一度の情報入力で2~10社程度の買取業者から連絡を受けることができ、出張査定にも応じてもらえるので、複数社の査定を効率よく受けることができます。まずは一括査定に申し込みをし、いくつかの業者に査定をしてもらいましょう。
一括査定サービスはいくつもありますが、提携業者数が多ければその分多くの業者の査定額を比較することができます。 おすすめは、業界最大手で提携社数が1,000社を超えるカーセンサー。一括査定のデメリットである大量の電話への対策が可能で、電話連絡の時間帯を指定したり、メール連絡のみの業者に絞り込むこともできます。すぐに対応してくれる業者が多いので、車検を受けるか決めるまでに時間がない方にもおすすめです。
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車検が切れてしまったクルマや査定額が低かったクルマは廃車買取業者に査定を依頼しよう
忙しくて対応が遅れてしまったり、悩んでいるうちに車検が切れてしまった場合や、いくつかの買取業者に査定をしてもらったが全く値が付かなかった場合は、廃車買取業者の利用がおすすめです。
再販が厳しい条件のクルマで買取価格が低い、車検が切れてしまい引き取りに費用が掛かるというケースでは、廃車買取の方が高い査定額を提示してくれたり無料で引き取ってもらえることがあります。
不具合があるクルマや事故車などでも買取してくれるので、一括査定で納得のいく査定額がつかなかった場合は利用してみましょう。
次のクルマの購入費用を抑えよう
今のクルマが少しでも高く売れれば、売却費用と車検に掛かるはずだった費用を購入費用に充てられるので、購入予算にも余裕を持たせやすくなります。それだけでなく、クルマを購入するときも抑えられる部分は抑えると良いでしょう。
中古車の場合は車体の値引きをしてもらうのは難しいので、オプションや保証の内容をよく確認して不要なものを断ったり、同程度の状態のクルマで車体価格の安いものを探したりして対応しましょう。
新車の場合は値引きが日常的に行われているので、値引き交渉をしてみてください。メーカーのキャンペーンや販売店のセールなどを利用するのもおすすめです。
まとめ
車検費用の相場は5~15万円ほどなので、20万円になるのは高いと言えます。車種や年式、走行距離によっては相応の金額ではありますが、経済的・環境的に買い替えが難しい要因がないのであれば、買い替える方向で動くことがおすすめです。車検費用を抑えるには早めに見積もりを取ること、依頼先を変えてみること、日ごろからメンテナンスをしておくことを意識しましょう。
また、車検の残り期間は買取査定に大きく影響しないので、車検の見積もりを見て高いと感じたら買取査定も受けるようにすることが重要です。買取査定を受ける場合は複数の業者に依頼し、査定額を比較しましょう。査定額が低い場合は廃車買取の利用も視野に入れ、少しでもお得に買い替えできるよう工夫してみてください。