クルマの買取の流れは、買取業者の選定から入金の確認まで大きく7つのステップを踏んでいきます。クルマを買取に出すなら、手続きをスムーズに進めたいと思うものです。そこで、買取の全体の流れと各ステップでの注意点、トラブルになりやすいポイントと対処法をまとめました。事前に手続きの流れを把握し、気持ちの良い取引にできるよう役立ててください。
新車の純正オプション取付やコーティング業をしながら車専門のWebライターとして活動中。車好きで愛車のカスタムが趣味。車は6台目で、乗り換えの際は買取や個人売買を利用。現在は愛車のロードスターを長く綺麗に乗るためのメンテナンスに精を出している。
クルマ買取の流れはどのように進む?7つのステップで解説
クルマ買取のもっとも一般的な方法は、買取業者への売却です。買取業者にクルマを売却する流れは、以下の7つのステップを踏んで進んでいきます。
それぞれのステップにおける細かな流れや注意点を把握し、トラブルなくスムーズに買取の手続きを進めましょう。
STEP1:クルマの買取方法を3つの中から決めよう
クルマの買取方法は、大きく3つに分けられます。利用者が多く、もっとも一般的な買取方法は「買取業者への売却」です。他には、クルマの購入と売却が同時にできる「下取り」や、手続きをすべて自分で行う「個人間売買」などがあります。
【ポイント】「下取り」を利用する場合は面倒な手続きは不要
下取りは、ディーラーなどで新車に買い替える際に利用するイメージがある方が多いかもしれませんが、中古車販売店でも行っている買取方法です。クルマの購入と売却が同じお店で同時にできるので手続きが簡単なのが特徴といえます。
下取りの場合は、査定価格を次のクルマの購入費用に充てることが一般的です。名義変更に必要な書類を準備し、次のクルマの納車日に下取り車両を引き渡して手続きが完了します。
- 車検証
- 自賠責保険証
- リサイクル券
- 委任状(販売店が用意)
- 譲渡証明書(販売店が用意)
- 印鑑証明書(発行から3か月以内のもの)
- 実印
しかし、下取りの場合は販売を前提とした買取ではないので、買取価格が高くない傾向にあります。多くは年式と走行距離などから算出した時価評価額が基準となるためです。また、小さな中古車販売店などの場合は、下取りのための予算が低く、高価買取が難しいといった事情を抱えていることもあります。
「買取価格が低くても手続きが簡単な方がいい」という方や、「買取査定の営業マンの対応が苦手」という方には利用しやすい買取方法でしょう。
【クルマの下取りと買取の違い】メリット・デメリットとお得な使い分け方を紹介!【ポイント】個人間売買を利用する場合はすべて自分たちで手続きが必要
個人間売買は、ネットオークションやフリマアプリなどを利用して、自分で出品し、購入者を探して売却する方法です。クルマの状態確認や売却価格の設定、名義変更の手続き、支払方法の設定など、すべてを自分たちで手続きする必要があるので、ある程度の知識や経験を求められます。
個人間売買のメリットは、販売価格を自分で決められることです。思い入れやカスタム内容などを付加価値として価格に反映することもできます。デメリットは、必ず希望の時期に希望価格で売れるとは限らないこと、手間がかかること、トラブルに発展しやすいことなどがあげられます。
オークション等に出品し、買い手の方とクルマの実物確認、金額の交渉、入金確認、名義変更を行って手続きが完了します。お金が支払われない、名義変更が完了しない、乗り去られた状態で違反金や税金の請求が自分に来る、などのトラブルに発展しやすく、トラブルの際も個人間で解決する必要があります。
「中古車の相場に詳しく、名義変更手続きなども慣れている」という方や、「次に愛車に乗ってもらう人は自分で選びたい」という方に向いている売却方法です。
STEP2:クルマの買取を依頼するお店を選ぼう
買取業者にクルマを売却すると決めた場合は、どのお店に買取を依頼するかを決めましょう。下取りに出す場合は、クルマを購入する店舗に買い取ってもらうのでお店選びは不要です。クルマの買取を依頼する業者は、買取のみを行う専門店や、買い取った中古車を自社で販売する買取販売店、壊れたクルマを専門に買い取る廃車買取専門店など様々。多数ある買取業者の中から、安心して取引ができる買取業者を選ぶ際のポイントが3つあります。
全国展開している大手買取業者
ビッグモーターやガリバーなどの街中に店舗を構え、一括査定などでも、いち早く連絡をくれる大手買取業者は、最も利用しやすく安心感の高い買取業者です。買い取り実績が多いので手続きがスムーズで、サービスも充実。ローンが残っているクルマの買取や、自社在庫への買い替えなどの提案もしてくれます。
買い取ったクルマは自社で販売したり、業者オークションに出したりと国内で販路を確立しているので、買取を強化しており査定額も高めなことが多いです。国内での需要が少ない低年式車や、過走行車の場合はあまり高値が付かないこともありますが、下取り価格と比較すると高額査定をしてもらえます。
クルマのリサイクルや海外輸出もできる買取業者
年式が古い軽自動車や故障しているクルマ、20万km近く走っているようなクルマは、国内での需要が少ないため買取価格が低かったり、買取を断られてしまうケースもあります。そのような場合は、故障車や廃車の買取を専門に行っている業者や、海外輸出ができる買取業者がおすすめです。
日本車は丈夫なので、海外では年式や走行距離にかかわらず人気が高いです。日本国内での再販が難しいクルマであっても、東南アジアなどに輸出できる販路をもつ業者や、廃車にして金属リサイクルで利益を出すことができる業者の場合は積極的に買い取ってくれます。
※廃車買取業車については「廃車買取のおすすめ業者7選!中古車買取との違いと処分費用のメリットを詳しく解説!」で詳しく解説しています。合わせてこちらの記事もご覧ください。
JADRI加盟店やJPUC監修済約款を利用している買取業者
前述の2つのような買取業者の特徴に加え、中古車買取に関する監査機関に加盟している買取業者を選ぶことで、より安心できる取引が可能です。
JADRI (日本自動車流通研究所)は、加盟業者に対して厳しい基準を設定している機関です。例えば、契約後に理由をつけて査定額を下げるような「再査定の禁止」や、「売却直後のキャンセルに対するキャンセル料請求の禁止」など、消費者が安心してクルマの買取を利用できるような基準を設けています。基準をクリアした業者のみが加盟しているのでトラブルの心配がありません。
JPUCは、売却契約書の約款の監修や認定制度を設けており、監修マークや認定マークを付与している機関です。マークを掲示しているかを確認することで、安心して買取を依頼できる業者かを判別することができます。また、中古車買取に関する消費者相談センターを開設しているので、トラブルがあった際や不安なことがあった際は、問い合わせをして指示を仰ぐことも可能です。
STEP3:査定を受ける準備をしよう
クルマを売却する買取業者を決めたら、査定の申し込みをしましょう。査定は、買取業者の店舗に出向いて行う「店頭査定」と、自宅や自宅周辺の指定した場所に来てもらう「出張査定」の2通りがあります。査定にかかる時間は1~2時間ほどです。複数の業者に査定してもらう場合は、スケジュールをしっかり確認しておきましょう。
査定を申し込んだら、インターネットを利用して自分のクルマの買取相場を調べておくことがおすすめ。「カーセンサー」や「グーネット」などで、車種や型式ごとの査定相場を見ることが可能です。相場を知っておくことで、売却予算を立てたり、査定額が低すぎるのかどうかを判断するための材料にすることができます。
次に、査定に向けたクルマの準備を行います。洗車と車内の整理をし、社外パーツに交換しているものはできる限り純正に戻しましょう。ボディのキズやへこみはそのままにしておいて大丈夫です。クルマの第一印象は見た目で決まります。キズやへこみは修理をするのに数万円かかりますが、修理費以上の査定アップにはつながりにくいため、洗車をしっかりしておけば問題ありません。
クルマの買取では、社外品のパーツよりも純正品のパーツのほうが評価が高いです。一方、中古カー用品店やネットオークションでは社外品のパーツのほうが高値で売れます。マフラーやホイールなどを交換している場合、純正部品を保管しているのであれば、純正品に戻してから査定を受けるか、純正品を査定の際に提出するのがおすすめです。純正品を保管していない場合は、純正品を買いなおさずにそのまま査定を受けましょう。
STEP4:査定を受ける際は営業マンとのやり取りに注意しよう
査定当日は、車検証や自動車税納税証明書を確認してから査定に入ります。外観、内装の状態チェックやエンジンをかけての動作チェック、電装品の動作確認などが行われ、査定中の30分~1時間程度は待機時間になります。出張査定の場合は多少の世間話や状態確認の質問などがありますが、店頭査定の場合は店内で待つことが多いです。この時点で一度査定額を算出し、本部などへの確認を経て査定額が提示されます。
査定の際に営業マンから「買取希望額はいくらですか?」と聞かれることは多いです。しかし、希望額を伝えてしまうと、希望額よりも高額の査定だった場合でも、希望額までしか提示されません。希望額を言わないのが1番いいですが、食い下がられて先に進まない場合は、相場よりも少し高めの金額を伝えておきましょう。
クルマの状態には謙遜はせず、洗車などをこまめに行っていた場合はアピールしましょう。サンルーフや本革シートなど、人気の純正オプションがついている場合は、それらも評価アップにつながります。事故による修復や災害による浸水があった場合は正直に伝えましょう。営業マンとのやり取りでは、横柄な態度や強気すぎる発言は避けてください。人と人との交渉なので、会話を丁寧に行い、好印象を与えられるように心がけましょう。
STEP5:売却手続きに必要な書類を提出しよう
売却を決めたら、契約と名義変更手続きに移ります。査定を行ったその場で売却契約を行うのが一般的で、氏名や住所などの個人情報の記入と、査定額への同意の署名、買取金額の振込先の記入を行います。査定の際には「認印」と「銀行口座の通帳やキャッシュカード」を用意しておくとスムーズです。
名義変更の手続きに必要な書類は、買取業者が用意するものとご自身で用意するものがあります。買取業者が用意するものは「譲渡証明書(普通車の場合)」、「自動車検査証記入申請書(軽自動車の場合」、「委任状」です。売却契約の際に渡されるケースや後日郵送されるケースがあり、必要事項を記入して提出します。ご自身で用意するものは、普通車の場合は「印鑑登録証明書」と「実印」、軽自動車の場合は「認印」です。
車検証と氏名や住所が異なる場合は、住民票や戸籍謄本などの補助所書類が必要になります。また、ローンの返済が終わっており、まだ所有者を変更していない場合は「所有権解除の書類」が必要です。補助書類の発行には1~2週間かかるものもあるので、売却前にあらかじめ準備を進めておくとよいでしょう。
STEP6:クルマを引き渡そう
手続きに必要な書類を提出したら、クルマの引き渡しの日程を調整します。引き渡しの日程は、次のクルマの納車日に合わせて調整してもらいます。早めにクルマを引き渡してしまう場合は、代車を借りることができるか確認しましょう。
引き渡し日が決まったら、クルマを引き渡す前に再度車内の整理を行います。カーナビやドライブレコーダーの個人情報の削除、ETCカードの回収を忘れずに行ってください。引き渡し時のガソリン残量は、1メモリ程度あれば十分です。
STEP7:入金を確認しよう
クルマの買取で現金支払いに対応している業者はかなり少なくなっており、口座入金が一般的です。クルマを引き渡したら、買取業者が名義変更の手続きを行います。名義変更の手続きが完了すると、指定した口座に買取金額が振り込まれます。買取業者によって異なりますが、入金されるまでの日数はおおむね2営業日~7営業日ほどです。無事に入金が確認できれば、クルマの買取の手続きはすべて完了です。
もし入金期日を過ぎても入金が確認できない場合は、買取業者に問い合わせましょう。手続きが混み合って遅れている場合や、金融機関の営業日の関係で反映が遅れていることなどが考えられます。稀ではありますが、買取業者が倒産したなどのトラブルに巻き込まれる可能性もないとは言い切れません。買取業者に連絡がつかなければ、消費生活センターなどに相談し、指示を仰ぎましょう。
クルマ買取の流れをスムーズに進めるために注意する点は?
クルマの買取の流れで最も時間と手間がかかることが「必要書類の準備」です。クルマの購入から売却までの間に住所や戸籍に変更がない場合やローンを利用していない場合は、買取業者から提示される必要書類を準備すれば問題ありません。しかし、引っ越しや入籍、ローンの完済などを経ている場合は注意が必要です。また、ローンや任意保険に関する手続きの準備もしておきましょう。
クルマの売却に必要な書類と発行方法を把握しておこう
クルマの売却に必要な書類は、多くが市役所で発行するものです。売却契約を済ませてから書類の準備をする場合、猶予期間はおおむね1週間ほど。平日の手続きが難しい場合、家族に代理を依頼するか、土日開庁の行政センターなどを利用する必要があります。可能であれば、有給などを利用して平日休みを確保しておくとよいでしょう。
車検証の情報から氏名や住所に変更がある場合は補助書類の提出が必要になります。姓が変わっている場合は戸籍謄本、1回転居した場合は住民票、2回以上転居した場合は戸籍の附票を用意します。戸籍にかかわる手続きは本籍地でしか行えないので、本籍地が離れている場合は郵送での発行手続きになることが一般的です。その場合、手数料分の郵便為替の準備や、書類の郵送・返送の時間で2週間ほどかかることを想定して行動する必要があります。
必要書類を提出するにあたり、有効期限が発行日から3か月以内に設定されているので、クルマの売却を考え始めた段階で準備を進めておくとスムーズです。下表から、ご自身に必要な書類をあらかじめ把握し、用意しておきましょう。
用意するもの | 普通車 | 軽自動車 |
---|---|---|
車検証 (車検が切れていないもの) |
〇 | 〇 |
自賠責保険証 | 〇 | 〇 |
リサイクル券 | 〇 | 〇 |
譲渡証明書 | 〇 基本は買取業者が用意 |
- |
委任状 | 〇 基本は買取業者が用意 |
- |
自動車検査証記入申請書 | - | 〇 基本は買取業者が用意 |
印鑑証明書 (発行から3か月以内) |
〇 | - |
実印 | 〇 | - |
認印 | - | 〇 |
住民票 (発行から3か月以内) |
△ 車検証と住所が異なる場合 |
△ 車検証と住所が異なる場合 |
戸籍の附票 (発行から3か月以内) |
△ 車検証の住所から、 2回以上転居している場合 |
△ 車検証の住所から、 2回以上転居している場合 |
戸籍謄本 (発行から3か月以内) |
△ 車検証の姓から、 変更がある場合 |
△ 車検証の姓から、 変更がある場合 |
自動車税納税証明書 (今年度分のもの) |
〇 必須ではないが、 売却時に提示を求められる |
〇 必須ではないが、 売却時に提示を求められる |
振込先口座の情報 | 〇 | 〇 |
親権者同意書 親権者の印鑑証明書 (発行から3か月以内) |
△ 所有者が未成年者の場合 |
△ 所有者が未成年者の場合 |
クルマを売却するときに必要なローン関係の手続きは?
ローンで購入したクルマを売却する場合は、ローンを返済中なのか、完済済みなのかで必要な書類が異なります。
所有者を自分に変更している場合はローンに関わる手続きは「なし」
ローンをすでに完済し、所有者を自分に変更する手続きが済んでいる場合はローンに関する手続きはありません。
完済しているが所有者変更してない場合は、「所有権解除の書類」をローン会社に発効してもらう
ローンは完済済みで、所有者の変更をしていない場合、そのままでは名義変更ができないので「所有権解除の書類」をローン会社に発行してもらう必要があります。売却の際にご自身で所有者を変更する必要はありません。「所有権解除の書類」と「売却時の必要書類」を提出すれば、買取業者が一連の手続きを行ってくれます。ローン会社によって多少の違いはありますが、以下の書類をローン会社に送付し、所有権解除書類を返送してもらいましょう。返送までに1~2週間かかるので、早めに手続きしておくことが重要です。
- 車検証のコピー
- 使用者の印鑑証明書(発行から3か月以内)
- 使用者の委任状
- 自動車税納税証明書のコピー
- ローン完済を証明する書面
- 返信用封筒
ローン返済中の場合は、買取業車に残債を把握してもらう必要がある
ローン返済中のクルマを売却する場合は、査定の際に買取業者側で残債を把握するため、ローンの契約内容を確認します。そのため、ローン契約に関するお客様番号などの情報が必要です。「契約の控え」や「返済予定表」のような案内を査定時に持参しましょう。ローン契約に関する案内は、支払い開始前に自宅に郵送されていることが多いです。ローンが残っているクルマの売却をする場合、不足分は支払いが必要ですので、査定額とローン残債の差額を計算し、残額の返済が可能かどうかを判断して売却を決めましょう。
任意保険の手続きはクルマの引き渡し後に行う
必要書類を提出し、クルマを引き渡して入金を確認するとひと段落ついて「手続きが完了した」と思ってしまいがちです。しかし、クルマを手放す手続きで最後にやるべきことが残っています。それが任意保険の手続きです。
任意保険の手続きは、クルマの引き渡し後に行います。すでに次のクルマを購入し、納車日が決まっている場合は「車両入替」の手続きを、もうクルマを購入する予定がない場合は「解約」の手続きを行います。
すぐにクルマを購入する予定はないけれど、もしかしたらまた購入するかもしれないという場合は、「中断手続き」の利用がおすすめです。中断手続きでは、ノンフリート等級を保存しておくことができます。解約をしてしまい、数年後にまた新規で任意保険に加入すると6等級からのスタートで保険料も割高になってしまいます。解約手続きを行うカスタマーサポートへの電話でも、中断手続きを勧めてくれることが多いです。保険会社によって異なりますが、1年から10年ほど等級の保存ができるので、迷った場合は中断手続きにしておくとよいでしょう。
クルマの買取でよくあるトラブルと対処法とは?
クルマの買取において、トラブルは多発するものではありません。主なトラブルは3つあり、いずれも買取業者の選定の段階で防ぐことができます。クルマ買取でよくあるトラブル3つと対処法をご紹介しますので、いざというときに役立てましょう。
営業マンがしつこく売却を迫ってくる
クルマの査定が完了し、査定額の提示を受けると、実際に売るのかどうかの交渉をしなければなりません。提示額に納得がいけば問題はないのですが、希望額にあと一歩届かない場合や見込んでいた金額とかけ離れていると、買取を断らなくてはなりません。
しかし、売却を断ろうとすると営業マンが「今日売ってください」としつこく迫り、引き下がらないというケースは比較的多くみられるトラブルです。「今売却を決断すれば査定額をもう少し引き上げる」と交渉を持ちかけられることも少なくありません。
そのようなときの対処法は、納得できない金額であればきっぱり断ることです。断っても聞いてくれない場合は「警察に通報する」といってもよいでしょう。買取はキャンセルが容易でないことが多いので、売却を迫られても契約しないことが重要です。
契約後に査定額を減額される
売却契約の成立後やクルマの引き渡し後に、「故障や不具合が見つかった」「修復歴が発覚した」などと理由をつけて査定額の減額を迫られるケースも件数は多くありませんが、よくあるトラブルの一つです。
対処法は、売却契約書に「査定額を減額しない」という旨が記載されているか確認することです。JADRI加盟店では再査定による減額を禁止しているので、必ず契約書に記載があるほか、営業マンからも「この時点で査定額が確定するので、事故などがない限りは買取価格は変わりません」と案内があります。もし、案内されなければ念のため営業マンに聞いておきましょう。
また、トラブルになる原因の一つに「修復歴などの未申告」があります。査定の際に自分で修復歴があることがわかっている場合は、きちんと申告しましょう。事故を起こしてドアやフレーム、ピラーなどを修理したことがあるクルマや、災害により水没しているクルマは申告しておくことをおすすめします。
クルマを引き渡したのに入金されない
クルマの買取で最も不安に感じやすい「入金」に関するトラブル。大手買取業者やJADRI加盟店ではあまり起こりませんが、小さな買取業者の場合には注意が必要です。
入金に対して不安がある場合は、売却契約書に支払日が記載されているか確認しておきましょう。営業マンから「1週間ぐらいで入金できると思います」のような説明もありますが、契約書にしっかり明記されているかが重要です。また、契約書に記載する自身の入金先銀行口座を書き間違えないようにすることも重要です。査定の際は通帳やキャッシュカードを用意しておきましょう。
次に、入金日を過ぎても入金されない場合は買取業者へ問い合わせしましょう。単純に、手続きが混み合っていて遅れている場合や、入金先を間違えている、金融機関の営業日の関係で反映が遅れている、などが考えられます。
しかし、中には買取後に業者が倒産していたり、資金繰りのために支払いを遅らせている可能性もないとは言い切れません。買取業者と連絡がつかない場合は、消費生活センターや車売却消費者相談室に相談してください。
【消費生活センター】
消費者ホットライン「188」に連絡すると、各都道府県の消費生活センターを案内してくれます。
生活消費者センター公式サイトはこちら
【JPUC車売却消費者相談室】
クルマの買取におけるトラブルや相談に対応してくれるセンター。売却契約の約款を監修するなど、消費者が安心してクルマの買取を利用できるよう、買取業者への教育や指導を行う機関です。
0120-93-4595(クリックで発信)
JPUC車売却消費者相談室はこちら
まとめ
クルマの買取の流れを7つのステップに分けて解説してきました。クルマの買取は頻繁に行うことではないからこそ、事前に全体像を把握しておくことが大切です。トラブルに見舞われないことも大切ですが、事前にどのようなトラブルがあるのか、トラブルへの対処はどうすればよいのかを知ることで安心して取引することができます。手続きの流れを理解し、注意ポイントに配慮してスムーズな手続きに役立ててください。